リーダーシップとマネジメントスキル

ドラッカーのリーダーシップとは?「仕事・責任・信頼」で成果を生む考え方をわかりやすく解説

はじめに

「ドラッカーのリーダーシップとは結局どういう考え方なの?」
「管理職になったばかりで、部下をどうまとめればよいのか分からない」と感じていませんか。

チームを任されたものの、指示を出すことばかりがリーダーの役割だと思ってよいのか迷ったり、本や記事を読んでも抽象的な説明が多く、仕事でどう生かせばよいのかイメージできず、悩んでしまうこともあるでしょう。

この記事では、ドラッカーが示したリーダーシップの基本をはじめ、「仕事」「責任」「信頼」という3つの視点から考え方をわかりやすく整理し、日々の仕事でどのように実践すればよいのかを順を追って説明していきます。

ドラッカーが考えるリーダーシップとは?

ドラッカーは、リーダーシップを「人を動かす才能」や「強いカリスマ性」とは考えていませんでした。

ここでは、ドラッカーが考えるリーダーシップの意味と、地位や権限とは異なる理由について順番に見ていきましょう。

ドラッカーが定義したリーダーシップ

ドラッカーは、リーダーシップを人を引きつける性格や話し方ではなく、組織の使命を示し、その達成に責任を持つことだと考えています。

何を優先するのか、誰が担当するのか、いつまでに何を行うのかを決め、メンバーが同じ目標に向かって行動できる状態をつくります。

そして、実行した結果を確認し、目標に届かなければ判断や進め方を見直すところまでが、リーダーシップに含まれます。

リーダーシップは地位や権限ではない

ドラッカーは、リーダーシップは役職や命令する権限だけで決まるものではないと考えています。

部長や課長という肩書があっても、目標を示し、役割や期限を決め、結果を確認しなければ、リーダーシップを発揮しているとはいえません。

一方で、役職がなくても、必要な課題を見つけ、周囲へ働きかけながら、決めた行動の結果まで責任を持つ人は、リーダーとしての役割を果たしているといえます。

ドラッカーが示したリーダーシップの本質

ドラッカーは、リーダーシップを才能や性格ではなく、成果を生み出すために果たすべき役割として捉えました。

ここでは、ドラッカーが示したリーダーシップの本質について、それぞれ詳しく解説します。

リーダーシップは仕事である

ドラッカーは、リーダーシップを生まれつきの才能ではなく、実行すべき仕事と捉えています。

リーダーは、組織の目標を決め、必要な課題を整理し、担当者や期限を明確にします。その後も進み具合を確認し、予定どおりに進んでいなければ進め方や役割分担を見直します。

この一連の行動を続け、結果に責任を持つことがリーダーシップです。

リーダーに求められる役割を、プロジェクトマネジメントの視点から理解したい方は、PMの役割を解説した記事も参考になります。
▶ プロジェクトマネージャー(PM)の仕事内容とは?役割・必要なスキルを解説

リーダーシップは責任である

ドラッカーは、リーダーシップは成果に対する責任だと考えています。

リーダーは、目標を決めるだけでなく、担当者が動ける環境を整え、進み具合を確認しながら必要に応じて判断や指示を見直します。

成果が出なかったときに部下や環境だけを理由にせず、自分の判断や行動を振り返る姿勢が求められます。

リーダーシップは信頼である

ドラッカーは、リーダーシップの土台は部下からの信頼にあると考えています。

リーダーは、伝えた方針と実際の行動を一致させ、約束や期限を守り、問題が起きたときも責任を曖昧にしません。

何を優先し、どの基準で判断するのかを一貫して示すことで、部下は安心して行動しやすくなります。

ドラッカーはなぜカリスマ型リーダーを否定したのか

ドラッカーは、強い個性や人を引きつける魅力だけで、優れたリーダーになれるとは考えていませんでした。

組織を正しい方向へ導くには、本人の人気や存在感よりも、果たすべき使命を明確にし、成果につながる行動を続けることが重要だからです。

ここでは、ドラッカーがカリスマ型リーダーを否定した理由を、使命と成果の視点から解説します。

優れたリーダーは使命を重視する

ドラッカーは、優れたリーダーほど自分の人気や影響力ではなく、組織が果たすべき使命を判断の基準にすると考えています。

何を達成するのかを明確にし、そのために必要な仕事や担当者、期限を決めて行動します。

自分が注目されることではなく、使命の達成を優先することで、組織は特定の人物に頼らず成果を目指せます。

成果を生み出すのはカリスマ性ではない

ドラッカーは、成果を生み出すのは人を引きつける話し方や存在感ではなく、目標を決め、必要な仕事を整理して実行することだと考えています。

判断や役割分担が曖昧なままでは、どれだけ注目を集めても成果にはつながりません。

一方で、カリスマ性がなくても、結果を確認しながら改善を続けることで、組織は着実に成果を積み重ねられます。

ドラッカーが重視したミッション(使命)との関係

ドラッカーは、リーダーシップを組織のミッションと切り離して考えていません。

リーダーには、組織が何のために存在し、誰にどのような価値を提供するのかを明確にしたうえで、その使命を成果につなげる役割があります。

ここでは、組織が果たすべき目的と、使命達成に対するリーダーの責任について解説します。

組織が果たすべき目的を明確にする

ドラッカーは、リーダーが最初に行うべきことは、組織が誰に何を提供し、どのような結果を目指すのかを明確にすることだと考えています。

目的が曖昧なままでは、部署ごとに判断や優先順位がばらついてしまいます。

組織の目的を明確に示し、各業務がその目的につながっているかを判断できる状態をつくることで、メンバーは同じ方向を目指して行動できます。

リーダーは使命達成に責任を持つ

ドラッカーは、リーダーには使命を示すだけでなく、達成するところまで責任を持つことが大切だと考えています。

使命に沿って目標を決め、人員や時間を配分し、進み具合を確認しながら必要に応じて進め方を見直します。

成果が目標に届かなかったときは、担当者だけでなく自分の判断も振り返り、使命の達成に向けて改善を続けることが求められます。

ドラッカーのリーダーシップ論を現代の組織で活かす方法

ドラッカーのリーダーシップ論は、現代の会社やチーム運営にも活かせます。

考え方を知るだけで終わらせず、日々の判断や部下との関わり方に落とし込むことが大切です。

ここでは、管理職が実践できるポイントと、チームを運営するうえで意識したい考え方を解説します。

管理職が実践できるポイント

管理職がドラッカーのリーダーシップを実践するには、まず部署の目標を明確にし、担当者、期限、完了条件を決めます。

その後は、週1回や月1回など確認日を決めて、進み具合を数字や完了件数で確認します。

遅れがあれば担当者だけを責めるのではなく、指示の内容や業務量、人員配置を見直し、改善につなげることが大切です。

チームの仕事を具体的に整理して役割や期限を決める方法を知りたい方は、WBSの作り方も参考になります。
WBSとは?プロジェクトマネジメントでの作り方と具体例をわかりやすく解説

チーム運営で意識したい考え方

チーム運営では、全員が同じ目的と判断基準を共有できる状態をつくることが大切です。

目標を明確にし、役割や期限、完了条件を決めたうえで、定期的に進み具合を確認します。

判断に迷ったときは、個人の考えではなく、チームの目的に近づくかどうかを基準にすることで、行動のずれを減らせます。

目標やタスクの優先順位をどう決めればよいか迷う場合は、優先順位の付け方をまとめた記事も役立ちます。
仕事の優先順位の付け方|実務で使える判断基準をわかりやすく解説

まとめ

ドラッカーが考えるリーダーシップは、生まれ持った才能やカリスマ性ではなく、組織の使命を明確にし、成果につながる行動を続けることです。

目標を示し、役割や期限を決め、結果を確認しながら必要に応じて改善していく姿勢が、リーダーに求められます。

また、成果が思うように出なかったときも、部下だけに原因を求めるのではなく、自分の判断や進め方を見直すことが大切です。

そうした積み重ねが、メンバーからの信頼につながり、組織全体の成果にも結び付きます。

ドラッカーの考え方は、特別な立場の人だけに必要なものではありません。

まずはチームの目的を明確にし、定期的に進み具合を確認することから始めてみてください。

日々の小さな行動を積み重ねることが、成果につながるリーダーシップの第一歩になります。

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