目次
はじめに
「PMPでいうリスクマネジメントって、具体的に何をするの?」
「リスクを見つけた後は、どのように対応すればいいの?」と迷っていませんか。
プロジェクトを進めていると、納期の遅れや予算超過、必要な人員の不足など、計画どおりに進まなくなる可能性があります。
この記事では、PMPにおけるリスクマネジメントの6つのプロセスや、リスクへの具体的な対応方法を分かりやすく整理します。
PMPのリスクマネジメントとは?
PMPにおけるリスクマネジメントでは、プロジェクトで起こる可能性のある不確実な事象を事前に把握し、影響を抑えるための対応を考えます。
ここでは、PMPでリスクマネジメントが重要とされる理由と、リスクと課題(イシュー)の違いについて順に説明します。
PMPでリスクマネジメントが重要な理由
PMPでリスクマネジメントが重要なのは、プロジェクトで起こり得るリスクを事前に把握し、影響を抑えるためです
。リスクの発生確率や影響度から優先順位を決めておけば、重要なものから対策を進められます。
スケジュールやコスト、品質への影響をできるだけ抑えるためにも、リスクを継続的に確認しながら必要な対応を行うことが大切です。
リスクと課題(イシュー)の違い
リスクは、まだ発生していないものの、今後プロジェクトに影響を与える可能性がある不確実な事象です。
一方、課題(イシュー)は、すでに発生しており、対応が必要な問題を指します。
リスクは発生に備えて事前に対策を考え、課題は原因を確認して解決に向けて対応するという違いがあります。
PMPのリスクマネジメントで行う6つのプロセス
PMPのリスクマネジメントでは、リスクを見つけて対応を決めるだけでなく、計画から監視まで段階的に進めます。
ここでは、PMPのリスクマネジメントで行う6つのプロセスを順に説明します。
リスク・マネジメントを計画する
リスク・マネジメントを計画するプロセスでは、プロジェクトでリスクをどのように管理するかを事前に決めます。
リスクの特定や分析、対応、監視を誰が担当するのか、どの基準で重要度を判断するのかを定めます。
管理方法や判断基準を明確にしておくことで、プロジェクト全体で一貫したリスク管理を行いやすくなります。
リスクを特定する
リスクを特定するプロセスでは、プロジェクトに影響する可能性がある不確実な事象を洗い出します。
計画や関係者から得た情報を確認し、スケジュールやコスト、品質などに影響する可能性があるリスクを整理します。
特定したリスクは、後の分析や対応に活用できるよう記録しておきます。
リスクを定性的に分析する
リスクを定性的に分析するプロセスでは、特定したリスクの発生確率や影響度を評価します。
同じ基準で評価して優先順位を付けることで、特に注意が必要なリスクを判断しやすくなります。
限られた時間や人員を、重要度の高いリスクへの対応に振り分けるためにも必要なプロセスです。
リスクを定量的に分析する
リスクを定量的に分析するプロセスでは、リスクがプロジェクトの目標に与える影響を数値で分析します。
発生確率や影響額、スケジュールへの影響などを数値化し、プロジェクト全体への影響を確認します。
分析した結果は、リスク対応に必要な予算や期間を判断する材料として活用できます。
リスク対応を計画する
リスク対応を計画するプロセスでは、分析したリスクに対してどのような対応を行うかを決めます。リ
スクごとに対応方法や担当者、実施するタイミングなどを定め、必要なときに行動できるよう準備します。
事前に対応を決めておけば、リスクが発生した際にも落ち着いて対応しやすくなります。
リスクを監視する
リスクを監視するプロセスでは、特定したリスクの状況や対応の進み具合を継続的に確認します。
状況の変化や計画した対応の実施状況を確認し、必要に応じて評価や対応方法を見直します。
また、プロジェクトの進行によって新しいリスクが生じていないか確認することも大切です。
PMPで押さえたいリスク対応の考え方
PMPのリスク対応では、プロジェクトに悪影響を与える脅威だけでなく、良い結果につながる好機についても対応を検討します。
ここでは、脅威と好機それぞれへの対応方法と、残存リスク・二次リスクへの対応について順に説明します。
脅威に対するリスク対応
脅威に対するリスク対応では、プロジェクトに悪影響を与えるリスクについて、発生や影響を抑える方法を検討します。
リスクの内容や影響度に応じて、回避、軽減、転嫁、受容などから適切な方法を選びます。
対応方法だけでなく担当者や実施時期も決めておくことで、必要なときにスムーズに対応できます。
好機に対するリスク対応
好機に対するリスク対応では、プロジェクトに良い影響を与える可能性があるリスクを、成果につなげる方法を検討します。
期待できる効果を確認し、好機を確実に実現したり、発生する可能性を高めたりするための対応を決めます。
担当者や実施時期まで具体的にしておくことで、好機を活かしやすくなります。
残存リスクと二次リスクへの対応
残存リスクとは、リスクへの対応を行った後にも残るリスクのことで、引き続き発生可能性や影響を確認する必要があります。
一方、二次リスクは、リスクへの対応によって新たに生じるリスクを指します。
対応策を実施した後もそれぞれのリスクを確認し、必要に応じて追加の対応を検討することが大切です。
PMPのリスクマネジメントで押さえる成果物
PMPのリスクマネジメントでは、特定したリスクや分析結果、対応策などを記録し、プロジェクトの進行に合わせて管理します。
ここでは、リスクマネジメントで押さえておきたい成果物と、管理する内容を順に説明します。
リスク登録簿とリスク報告書
リスク登録簿には、特定したリスクの内容や発生確率、影響度、対応策、担当者など、個々のリスクを管理するための情報を記録します。
プロジェクトの進行に合わせて、リスクの状態や対応状況に変化があれば内容を更新します。
一方、リスク報告書では、プロジェクト全体のリスク状況や重要なリスクなどを整理し、関係者が確認できるようにします。
リスク対応計画で管理する内容
リスク対応計画では、特定したリスクに対して、誰がいつ、どのように対応するのかを具体的に決めます。
リスクごとに対応方法や担当者、実施時期、必要な資源などを整理し、必要なときに対応できるよう準備します。
また、対応後に残るリスクや新たに生じるリスクについても確認し、必要に応じて追加の対応を検討します。
PMPのリスクマネジメントを理解するポイント
PMPのリスクマネジメントでは、リスクを洗い出すだけでなく、重要度に応じて対応し、その後の状況も継続的に確認することが重要です。
ここでは、PMPのリスクマネジメントを理解するうえで押さえたい3つのポイントを順に説明します。
リスクを特定して終わりにしない
リスクは特定して記録するだけでなく、発生確率や影響度を確認し、必要な対応まで決めることが大切です。
対応策を決めた後も、リスクの状況や計画どおりに対応できているかを継続的に確認します。
状況の変化を見逃さないためにも、特定した後まで継続して管理することが重要です。
リスクの優先順位をつけて対応する
すべてのリスクに同じように対応するのではなく、発生確率や影響度をもとに優先順位を決めます。
特に影響が大きく、対応を急ぐ必要があるリスクから具体的な対策を検討することが大切です。
優先順位を明確にすれば、限られた人員や時間を重要なリスクに振り分けやすくなります。
プロジェクトの進行に合わせてリスクを見直す
プロジェクトが進むと、リスクの発生確率や影響度が変わったり、新しいリスクが生じたりすることがあります。
そのため、定期的に状況を確認し、必要に応じて優先順位や対応策、担当者などを見直します。
プロジェクトの状況に合わせて更新することで、その時点に合ったリスク管理を続けられます。
まとめ
PMPのリスクマネジメントでは、プロジェクトで起こる可能性がある不確実な事象を特定し、発生確率や影響度を分析したうえで、必要な対応を決めます。
6つのプロセスでは、リスクマネジメントの計画、リスクの特定、定性的・定量的な分析、リスク対応の計画、リスクの監視までを段階的に進めます。
また、脅威だけでなく好機にも対応し、対応後に残る残存リスクや新たに発生する二次リスクも管理することが重要です。
リスクを特定して終わりにせず、優先順位をつけて対応しながら、プロジェクトの進行に合わせて継続的に見直すことがPMPのリスクマネジメントを実践するポイントです。