プロジェクトマネジメント

情報処理技術者試験「プロジェクトマネージャ試験」とは?試験内容・難易度・合格率を解説

はじめに

「プロジェクトマネージャ試験って、どれくらい難しいの?」「合格率が低いって聞くけど、自分でも受かる可能性はあるの?」と感じていませんか。

たとえば、仕事でプロジェクトを任されるようになり、「そろそろ資格も取っておきたい」と思って調べ始めたものの、試験範囲の広さや午後試験の論述といった言葉を見て、「何から手をつければいいのか分からない」と迷ってしまう場面もありますよね。

実際、この試験は単なる知識問題だけではなく、実務経験を前提とした内容が多く、「難しい資格」という印象だけが先行しがちです。

この記事では、試験の内容や出題形式、合格率といった基本情報を一つずつ整理しながら、自分にとって現実的に目指せる試験なのかを判断できるように、順を追って説明していきます。

情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験とは

プロジェクトマネージャ試験とは具体的にどのような試験なのか、まずは全体像を整理しておきたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

試験名は聞いたことがあっても、「どんなスキルが求められるのか」「情報処理技術者試験の中でどの位置にあるのか」が曖昧なままだと、難易度や対策の方向性も判断しづらくなってしまいます。

ここでは、プロジェクトマネージャ試験の基本的な内容を押さえたうえで、情報処理技術者試験全体の中でどのような位置づけにあるのかを順番に確認していきます。

プロジェクトマネージャ試験(PM)の概要

プロジェクトマネージャ試験(PM)は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の中でも、レベル4に位置づけられる区分で、プロジェクトの計画・実行・管理を主体的に担う人材を対象としています。
※弁護士よりは大幅に簡単ですが、宅建や簿記2級よりは明らかに難しく、国家資格の中では「上位1〜2割くらいの難しさ」に位置します。

試験は年1回(例年10月)に実施され、午前Ⅰ(多肢選択・30問中60%以上で合格)、午前Ⅱ(多肢選択・25問中60%以上で合格)、午後Ⅰ(記述式・2問中1問選択)、午後Ⅱ(論述式・1問)の4区分で構成されており、すべての区分で基準点を満たす必要があります。

出題内容は、プロジェクトの立ち上げから終結までの一連の工程に対して、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク対応、ステークホルダー調整といった実務レベルの判断と対応を問うものであり、単なる知識ではなく、実際の業務でどのように意思決定するかを具体的に記述できるかが評価されます。

高度情報処理技術者試験における位置づけ

プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の中で最上位にあたるレベル4に分類される高度情報処理技術者試験の一つであり、同じレベルにはシステムアーキテクト試験やITサービスマネージャ試験などが並びます。

レベル4は、指示に従って作業を行う水準ではなく、自ら計画を立てて組織やプロジェクト全体を統括する役割が求められる段階と定義されており、その中でプロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトの責任者として計画策定から進行管理、完了までを一貫して統制する能力を評価する区分に位置づけられています。

プロジェクトマネージャ試験の試験内容

プロジェクトマネージャ試験の対策を進めるうえで、「試験はどのような構成になっているのか」「午前と午後で何が違うのか」を具体的に把握しておきたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

単に出題範囲を知るだけでなく、各試験区分ごとに求められる思考力や解答形式を理解しておかないと、効率的な対策が立てにくくなってしまいます。

ここでは、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つの試験区分に分けて、それぞれの特徴と出題内容を順番に確認していきます。

午前Ⅰ試験

午前Ⅰ試験は、情報処理技術者試験の共通問題として実施される多肢選択式試験で、四肢択一形式の問題が30問出題され、そのうち60%以上の正答率(18問以上の正解)で合格となります。

試験時間は50分で、内容はIT全般に関する基礎知識を対象としており、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の各分野から出題されます。既に応用情報技術者試験に合格している場合は免除対象となるため、受験者は免除の有無によって受験の必要性が判断されます。

午前Ⅱ試験

午前Ⅱ試験は、プロジェクトマネージャ試験専用の多肢選択式試験で、四肢択一形式の問題が25問出題され、60%以上の正答率(15問以上の正解)で合格となります。

試験時間は40分で、出題範囲はプロジェクトマネジメントに関する知識に限定されており、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク管理、調達管理、人的資源管理などの各管理領域について、用語の定義や計算問題、状況に応じた適切な判断が問われます。

午後Ⅰ試験

午後Ⅰ試験は、記述式の試験で、3問出題される中から2問を選択して解答し、各設問に対して文章で回答します。試験時間は90分で、100点満点中60点以上で合格となります。

問題文には数ページにわたるプロジェクト事例が提示され、その内容を読み取ったうえで、進捗遅延の原因分析、リスク対応の判断、品質確保のための対策などについて、設問ごとに指定された文字数内で具体的な内容を記述します。

設問の意図に沿って事例中の条件を正確に反映した回答を作成できるかどうかが評価されます。

午後Ⅱ試験

午後Ⅱ試験は、論述式の試験で、2問出題される中から1問を選択し、設問に沿って2,000〜3,000字程度の文章を作成します。試験時間は120分で、100点満点中60点以上で合格となります。

問題では、プロジェクトの立ち上げ、計画、実行、終結のいずれかの局面をテーマとした課題が提示され、それに対して自身の実務経験に基づき、前提条件、実施した対応、得られた結果を一貫した流れで記述することが求められます。

設問ごとに指定された観点に従って内容を具体的に展開し、論理の整合性と記述の具体性が基準を満たしているかどうかで評価されます。

プロジェクトマネージャ試験の出題範囲

プロジェクトマネージャ試験の対策を進めるうえで、「どの分野から出題されるのか」「どこまでの範囲をカバーすればいいのか」を具体的に把握しておきたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

範囲が曖昧なままだと、学習の優先順位が定まらず、無駄に広く手をつけてしまう原因にもなります。

ここでは、実際に出題される分野を整理したうえで、試験全体としてどのような範囲が求められているのかを順番に確認していきます。

出題分野

出題分野は、情報処理推進機構(IPA)が定めるシラバスに基づき、プロジェクトマネジメントに関する各管理領域から構成されています。

具体的には、プロジェクトの立ち上げから終結までの工程に対応して、スコープ管理、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク管理、調達管理、人的資源管理、コミュニケーション管理、ステークホルダー管理といった分野が対象となり、それぞれの分野について計画策定、進捗把握、問題発生時の対応、是正措置の判断が問われます。

試験区分ごとに出題形式は異なりますが、いずれの分野も実務における判断と整合する内容で構成されており、単なる用語理解だけでなく、状況に応じて適切な対応を選択または記述できるかが評価されます。

試験範囲の概要

試験範囲は、プロジェクトの開始前に行う目的・要求の整理から、計画策定、実行管理、終結処理までの一連の工程を対象としており、各工程で実際に行う作業と判断がそのまま出題内容に反映されています。

具体的には、計画段階では作業分解、スケジュール作成、要員配置、コスト見積りをどの手順で決定するか、実行段階では進捗の測定方法、遅延発生時の是正判断、品質不良が発生した場合の対応手順をどの基準で選択するか、終結段階では成果物の受入確認、契約条件に基づく完了判定、プロジェクト結果の評価と記録をどの順序で処理するかが問われます。

これらは午前試験では選択問題として知識と判断基準が確認され、午後試験では与えられた条件に従って具体的な対応内容を文章で記述できるかどうかが評価対象となります。

プロジェクトマネージャ試験の難易度

プロジェクトマネージャ試験に挑戦するかどうかを判断するうえで、「合格率はどれくらいなのか」「実際の難易度はどの程度なのか」を具体的に把握しておきたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

難関試験といわれることが多い一方で、どのレベルと比較して難しいのかが分からないままだと、自分に合っているか判断しづらくなってしまいます。

ここでは、実際の合格率を確認しながら、他の情報処理技術者試験と比較した難易度の目安について順番に整理していきます。

合格率

プロジェクトマネージャ試験の合格率は、例年おおむね13%〜15%前後で推移しており、受験者100人に対して13人から15人程度が合格する水準となっています。

年度ごとに差はあるものの、10%を下回ることは少なく、15%を大きく超えることもないため、安定して低い合格率が維持されています。

この数値は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱのすべての試験区分で60%以上の得点を同時に満たした受験者のみが最終合格となる仕組みであるためであり、いずれか一つでも基準点に届かない場合は不合格となることが合格率の低さにつながっています。

難易度の目安

難易度の目安は、情報処理技術者試験の中でも最上位であるレベル4に該当し、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4区分すべてで60%以上の得点を同時に満たす必要があるため、いずれか1区分でも60%未満の場合は不合格となる水準です。

午前試験では合計55問中33問以上の正解が必要となり、午後Ⅰでは90分で2問の記述問題に対して設問ごとに指定された文字数内で要点を外さず記述する必要があり、午後Ⅱでは120分で2,000〜3,000字の論述を1本作成し、設問ごとに指定された観点をすべて満たさなければ60点に到達しません。

このように、知識問題で基準点を超えるだけでなく、記述と論述の両方で条件に沿った内容を時間内に書き切ることが求められるため、単一の試験形式だけで合否が決まる試験と比べて難易度が高くなっています。

プロジェクトマネージャ試験の対象者

プロジェクトマネージャ試験が自分に合っているのかを判断するために、「どんな人が対象になっているのか」「受験することでどのようなメリットがあるのか」を具体的に知りたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

実務経験が必要なのか、これからキャリアアップを目指す段階でも挑戦できるのかが分からないままだと、受験のタイミングも判断しづらくなってしまいます。

ここでは、この試験がどのような人に向いているのかを整理したうえで、取得することで得られる具体的なメリットについて順番に確認していきます。

どんな人に向いている資格か

プロジェクトマネージャ試験は、5人以上の開発メンバーを統括し、要件定義から運用開始までの期間を自らの判断で管理した経験がある、または同等の役割を担う予定の人に向いている資格です。

具体的には、WBSを作成して作業を分解し、日単位または週単位で進捗を確認し、遅延が発生した場合に要員の再配置や作業順序の変更を判断し、品質不良が出た際には原因を特定して再発防止策を決定できる業務を担当していることが前提となります。

試験では午後Ⅰで事例に基づいた記述、午後Ⅱで2,000〜3,000字の論述が求められるため、実務で行った判断と対応を時系列で整理し、設問で指定された観点に沿って文章として再現できる人であれば、試験内容と業務内容が一致するため適しています。

受験するメリット

受験するメリットは、プロジェクトの計画から終結までを自らの判断で管理できる能力を、情報処理推進機構が実施する国家試験である情報処理技術者試験のレベル4として証明できる点にあります。

合格するためには、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱのすべてで60%以上の得点が必要となり、記述式と論述式の両方で実務内容を具体的に説明できる水準が求められるため、この条件を満たして合格した事実そのものが、プロジェクト管理業務を一貫して担当できる人材であることの根拠となります。

その結果として、社内ではプロジェクトリーダーや責任者として任される範囲が広がり、担当する案件の規模や予算、関与する人数が増える判断につながります。

まとめ

プロジェクトマネージャ試験は、情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験の中でも最上位であるレベル4に位置づけられ、プロジェクト全体を計画から完了まで一貫して管理する能力を評価する試験です。

試験は午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4区分で構成され、すべてで60%以上の得点を同時に満たす必要があるため、知識だけでなく記述・論述による実務判断の再現力まで求められます。

出題範囲はスコープ、スケジュール、コスト、品質、リスクなどの管理領域に基づき、実際の業務と同じ流れで判断できるかが問われます。合格率は例年13%〜15%前後で推移しており、複数の試験区分を同時に突破する必要がある点が難易度を高めています。

この試験は、プロジェクトの責任者として計画策定や進捗管理、問題対応を実務で行っている人に適しており、合格することでその管理能力を国家資格として証明でき、より大きな案件や責任ある役割を任される判断につながります。

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