目次
はじめに
「PMPとIPMAは何が違うのだろう」
「転職やキャリアアップを考えるなら、どちらを取得したほうがよいのだろう」と迷っていませんか。
プロジェクトマネジメントの資格を調べていると、どちらも国際的な資格として紹介されることが多く、難易度や受験条件、費用、評価の違いが分かりにくく、どちらを目指せばよいのか決められずに手が止まってしまうことがありますよね。
この記事では、PMPとIPMAの違いを難易度・費用・受験条件・評価などの視点から整理し、それぞれどのような人に向いているのかまで順を追って説明していきます。
PMPとIPMAの違いを比較表でわかりやすく解説
PMPとIPMAはどちらもプロジェクトマネジメントに関する資格ですが、認定団体や評価方法、受験条件などに違いがあります。
違いを正しく理解するには、個別の項目を見る前に全体像を整理することが大切です。
まずは比較表で両資格の違いを一覧で確認し、そのうえでPMPとIPMAそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
PMPとIPMAの違い
| 比較項目 | PMP | IPMA |
|---|---|---|
| 認定団体 | PMI | IPMA |
| 主な評価方法 | CBT方式の試験が中心 | 試験・実務経験・面接などを組み合わせて評価 |
| 資格体系 | 単一資格 | レベルA〜Dの4段階 |
| 受験条件 | 学歴ごとの実務経験と35時間の公式研修が必要 | レベルごとに実務経験の条件が異なる |
| 評価の重点 | PMBOKを基盤とした知識と実践力 | コンピテンス(知識・行動・実務能力) |
| 更新制度 | 3年間で60PDUを取得して更新 | 各国認証機関の更新制度に従う |
| 活用される場面 | グローバル企業や外資系企業での評価が高い | 欧州を中心とした国際案件や能力評価で活用される |
PMPとIPMAの違いを一覧で整理すると、比較すべき項目は認定団体、評価方法、資格体系、受験条件、更新制度などです。
どちらもプロジェクトマネジメントの知識と実務を証明する資格ですが、PMPは知識体系に基づく試験を中心に評価し、IPMAは知識に加えて実務経験やプロジェクトマネージャーとしての能力を段階的に評価します。
違いを把握すると、自分の目的に合った資格を選びやすくなります。
おさえておきたい両資格の特徴
PMPは、PMIが認定する国際資格で、プロジェクトマネジメントの知識や実務経験を証明する資格です。
一方、IPMAは知識だけでなく、実務経験やプロジェクトマネージャーとしての能力も含めて評価します。また、PMPが1つの資格として認定されるのに対し、IPMAはレベルAからDまでの4段階に分かれています。
大きな違いとして、PMPは知識と実践力を評価し、IPMAは実務能力を段階的に評価する資格と考えると分かりやすいでしょう。
PMPとIPMAの違いを項目別に比較
| 比較項目 | PMP | IPMA |
|---|---|---|
| 認定制度 | PMIが認定する国際資格 | IPMAの認証制度に基づき、各国の認証機関が認定 |
| 評価方法 | 試験を中心に知識や実践的な判断力を評価 | レベルに応じて試験・実務経験・面接などを組み合わせて評価 |
| 受験条件 | 学歴に応じた実務経験と35時間のプロジェクトマネジメント教育が必要 | レベルA〜Dによって実務経験などの条件が異なる |
| 試験内容 | プロジェクトマネジメントの知識や実務での判断力を問う | 知識に加え、実務経験や行動・能力などを評価 |
| 取得費用 | PMI会員か非会員かによって受験料が異なる | 取得するレベルや各国の認証機関によって異なる |
| 更新制度 | 3年間で60PDUを取得して更新 | レベルや各国の認証機関が定める制度に従って更新 |
PMPとIPMAの違いを理解するには、「どちらが優れているか」ではなく、比較する項目ごとに違いを整理することが重要です。
認定制度や評価方法、受験条件、試験内容、費用、更新制度を順番に比較することで、それぞれの資格がどのような人に適しているのかが見えてきます。
認定制度
PMPは、一定の受験資格を満たしたうえで試験に合格すると認定される単一資格です。
一方、IPMAはレベルA・B・C・Dの4段階で認定され、担当したプロジェクトの規模や責任範囲、実務経験に応じて取得できるレベルが異なります。
そのため、PMPは共通の認定基準で資格を取得する制度であるのに対し、IPMAは実務経験や職務レベルに合わせて段階的に認定を受ける制度を採用しています。
評価方法
PMPは、CBT方式の試験を通じて、プロジェクトマネジメントの知識や状況判断力を評価します。
一方、IPMAは筆記試験だけでなく、実務経歴書、面接、ケーススタディなどを組み合わせて、知識に加えて実務での行動やマネジメント能力まで評価します。
そのため、PMPは試験を中心とした評価制度であるのに対し、IPMAは実務経験を含めた総合的な能力を評価する制度となっています。
受験条件
PMPは、学歴に応じて36か月または60か月のプロジェクトマネジメント実務経験と、35時間の公式プロジェクトマネジメント教育を修了することが受験条件です。
一方、IPMAは取得するレベルによって条件が異なり、レベルDは実務経験がなくても受験できますが、レベルC以上は一定期間のプロジェクトマネジメント実務経験が求められます。
そのため、PMPは共通の受験条件を満たす必要があるのに対し、IPMAは目指す認定レベルに応じて受験条件が変わります。
試験内容
PMPは、180問のCBT方式による試験で、プロジェクトマネジメントの知識、状況判断、実務での対応力を総合的に問います。
一方、IPMAは認定レベルによって試験内容が異なり、筆記試験に加えて、実務経歴書の審査、ケーススタディ、面接などを実施する場合があります。
そのため、PMPは試験結果を中心に評価するのに対し、IPMAは試験と実務評価を組み合わせて認定を行います。
取得費用
PMPは、受験料に加えて35時間の公式研修費用が必要になるため、取得までに10万円以上かかることが一般的です。
一方、IPMAは受験する認定レベルや各国の認証機関によって費用が異なり、筆記試験だけでなく審査や面接の費用が含まれる場合があります。
そのため、PMPは研修費用を含めた取得費用を見込む必要があるのに対し、IPMAは受験するレベルや認証機関によって総費用が変動します。
更新制度
PMPは、資格取得後も3年ごとに60PDUを取得し、更新手続きを行うことで資格を維持します。
一方、IPMAは更新制度や更新条件が各国の認証機関によって異なり、継続的な実務経験や能力の確認が求められる場合があります。
そのため、PMPはPMIが定める共通の更新制度で資格を維持するのに対し、IPMAは認証を受けた国・地域の制度に沿って更新手続きを行います。
PMPとIPMAはどちらが難しい?
PMPとIPMAを比較するとき、多くの人が気になるのが試験の難易度です。ただし、両資格は受験資格や評価方法が異なるため、単純に合格率だけで比較することはできません。
ここでは、それぞれの難易度を確認したうえで、どちらが合格を目指しやすいのかを比較していきます。
PMP
PMPは、受験資格として36か月または60か月の実務経験と35時間の公式プロジェクトマネジメント教育が必要であり、受験前の段階から一定のハードルがあります。
試験は180問のCBT方式で、知識だけでなく状況判断や実務を想定した問題が多く出題されるため、PMBOKの内容を理解するだけでは合格は難しく、実務経験を踏まえた学習が求められます。
そのため、プロジェクトマネジメントの経験が少ない人ほど難易度を高く感じやすい資格です。
IPMA
IPMAは、取得するレベルによって難易度が異なります。
レベルDは知識を中心に評価されるため実務経験がなくても受験できますが、レベルC以上は一定期間のプロジェクトマネジメント実務経験に加え、実務経歴書の審査や面接なども行われます。
そのため、上位レベルになるほど知識だけではなく、実際にプロジェクトを管理した実績やマネジメント能力まで求められるため、難易度は高くなります。
合格しやすいのはどっち?
どちらが合格しやすいかは一概には判断できません。
PMPは受験資格を満たしたうえで180問の試験に合格する必要があり、知識と状況判断力が求められます。一方、IPMAはレベルDであれば実務経験がなくても受験できますが、レベルC以上は実務経験や審査、面接なども評価対象となります。
そのため、試験のみで評価されるPMPと、認定レベルごとに評価方法が異なるIPMAでは、受験者の実務経験や目指すレベルによって合格しやすさは変わります。
PMPとIPMAはどちらが評価される?
PMPとIPMAはどちらもプロジェクトマネジメントの資格として評価されていますが、評価されやすい場面は同じではありません。
国内外での知名度や転職市場での認知度、グローバル案件での評価には違いがあるため、それぞれの項目を比較しながら、自分の目的に合った資格を確認していきましょう。
日本国内
日本国内では、PMPのほうが知名度が高く、評価されやすい傾向があります。
特に外資系企業や大手企業では、プロジェクトマネージャー向けの国際資格として広く認知されています。
一方、IPMAは国内での認知度がPMPほど高くないため、知名度を重視するならPMPのほうが選びやすいでしょう。
海外
海外では、地域によって評価されやすい資格が異なります。
PMPは幅広い国や地域で認知されている一方、IPMAは特に欧州で活用されています。
そのため、幅広い地域での知名度を重視するならPMP、欧州での評価を重視するならIPMAが選択肢になります。
転職市場
日本の転職市場では、PMPのほうが評価につながりやすい傾向があります。
特にIT・製造・コンサルティングなどでは、プロジェクトマネージャー職の歓迎資格として挙げられることがあります。
IPMAは実務能力を段階的に示せますが、国内求人で資格名を指定される機会はPMPほど多くありません。
グローバル案件
グローバル案件では、幅広い国や企業で認知されているPMPが評価されやすい傾向があります。
一方、IPMAは実務経験や能力を段階的に示せるため、欧州を中心とした案件で評価されることがあります。
案件の対象地域が幅広いならPMP、欧州との関わりが深いならIPMAが選びやすいでしょう。
PMPとIPMAはどちらを選ぶべき?
PMPとIPMAのどちらを選ぶべきかは、現在の職種や目指すプロジェクトマネージャー像によって変わります。
企業内でのキャリア形成、エンジニア職からのステップアップ、グローバル案件への参加、実務能力の証明、資格取得のしやすさなど、目的別に整理しながら確認していきましょう。
企業内プロジェクトマネージャーを目指す人
企業内でプロジェクトマネージャーへの昇進や異動を目指すなら、PMPが選びやすいでしょう。
日本国内でも知名度が高く、プロジェクトマネジメントの知識と実務経験を示す資格として活用されています。
特に大手企業や外資系企業でのキャリアを考えている人に向いています。
エンジニア系プロジェクトマネージャーを目指す人
IT開発やシステム開発の経験を活かしてプロジェクトマネージャーを目指すなら、PMPが向いています。
プロジェクト計画や進捗管理、リスク管理などの知識を体系的に学べるため、技術職からマネジメント職へ役割を広げたい人にも選びやすい資格です。
グローバル案件に携わりたい人
海外企業や海外拠点と関わるグローバル案件に携わりたいなら、PMPが選びやすいでしょう。
幅広い国や地域で認知されているため、プロジェクトマネジメントの知識や経験を共通の基準で示しやすくなります。
特に幅広い地域の企業と仕事をしたい人に向いています。
実務能力を証明したい人
これまでの実務経験やマネジメント能力を重視して証明したいなら、IPMAが向いています。
知識だけでなく、経験や行動面も含めて評価されるため、実務で培った能力を資格として示しやすい点が特徴です。
自分の経験や責任範囲に合ったレベルを選べるのもメリットです。
資格取得を優先したい人
資格取得を優先するなら、まず現在の実務経験から受験できる資格を選ぶとよいでしょう。
PMPは一定の実務経験や教育受講が必要ですが、IPMAはレベルによって受験条件が異なります。
現在の条件を確認し、無理なく受験を目指せる資格から検討するのがおすすめです。
PMPとIPMAに関するよくある質問
PMPとIPMAについて調べていると、「両方取得する必要はあるのか」「日本ではどちらを選ぶべきか」「実務経験が少なくても取得できるのか」など、比較だけでは判断しにくい疑問も出てきます。
ここでは、資格選びで特によくある質問を取り上げ、それぞれ分かりやすく解説していきます。
PMPとIPMAの両方を取得する意味はある?
PMPとIPMAの両方を取得する意味はあります。
PMPでプロジェクトマネジメントの知識や経験を示し、IPMAで実務能力を段階的に証明できるため、それぞれの強みを補えます。
ただし、時間や費用もかかるため、まずは自分の仕事やキャリアに合う資格から取得するとよいでしょう。
日本で取得するならどちらがおすすめ?
日本で取得するなら、一般的にはPMPがおすすめです。
国内での知名度が高く、プロジェクトマネージャー職への転職や社内でのキャリアアップに活かしやすい傾向があります。
IPMAも国際資格ですが、日本国内での活用を重視するなら、まずはPMPを検討するとよいでしょう。
未経験でも取得できる?
プロジェクトマネジメントの実務経験がない場合、PMPは受験条件を満たせません。
一方、IPMAはレベルDであれば実務経験がなくても取得を目指せます。
そのため、未経験から資格取得を考えている人は、IPMAレベルDから検討するのも選択肢の一つです。
まとめ
PMPとIPMAは、どちらもプロジェクトマネジメントの力を示せる国際資格ですが、評価のされ方や活かしやすい場面が異なります。
日本でのキャリアアップや転職、幅広いグローバル案件を考えているならPMP、実務能力を段階的に示したいならIPMAが選びやすいでしょう。
大切なのは、資格の知名度だけで決めるのではなく、現在の実務経験やこれから目指す働き方に合わせて選ぶことです。
まずは自分が受験条件を満たしているかを確認し、今後のキャリアに活かしやすい資格から検討してみてください。