リーダーシップとマネジメントスキル

▶コーチングの質問例とは?相手の考えを引き出す質問のコツを解説 

はじめに

「コーチングでは、どんな質問をすれば相手の考えを引き出せるの?」
「質問しても『分かりません』『特にありません』で会話が止まってしまう」と感じていませんか。

部下との面談や1対1の対話で、相手に考えてもらおうと質問したものの、自分ばかり話したり、答えを誘導するような聞き方になったりすると、質問の仕方に迷ってしまいますよね。

この記事では、コーチングで使いやすい質問例を場面ごとに整理し、相手の考えを引き出すための質問の作り方や聞き方のコツを紹介します。

コーチングにおける質問とは?

コーチングでは、相手に答えを教えるのではなく、質問を通して本人の考えや気持ちを整理してもらうことが重要です。

ここでは、コーチングで質問が重要とされる理由を押さえたうえで、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違い、答えを誘導しない質問の考え方について説明します。

コーチングで質問が重要とされる理由

コーチングでは、質問を通して相手が自分の考えを言葉にすることで、気持ちや考えを整理しやすくなります。

「どうしたいですか」「何が必要ですか」と問いかけることで、自分なりの答えを考えるきっかけになります。

質問は、コーチが答えを与えるのではなく、相手の中にある考えを引き出すために大切です。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違い

オープンクエスチョンは、「どのように考えていますか」のように、相手が自由に答えられる質問です。

一方、クローズドクエスチョンは、「できそうですか」のように、答えがある程度限られる質問です。

考えを詳しく聞くときと、事実や意思を確認するときで使い分けるとよいでしょう。

答えを誘導しない質問を意識する

質問するときは、コーチ側の意見や期待する答えを含めないことが大切です。

「こちらの方法がいいと思いませんか」ではなく、「どの方法がよいと思いますか」と尋ねれば、相手が自分で考えやすくなります。

特定の答えを前提にせず、相手の考えを尊重した聞き方を意識しましょう。

相手の考えを引き出すコーチングの質問例

コーチングでは、相手の状況や目的に合わせて質問を使い分けることが大切です。

ここでは、現状の整理から振り返りまで、場面ごとに使いやすい質問例を紹介します。

現状を整理する質問例

「今はどのような状況ですか?」
「現在、特に気になっていることは何ですか?」
「うまくいっていることはありますか?」

まずは現在の状況を確認し、相手が感じていることや置かれている状況を整理していきます。

目標を明確にする質問例

「最終的にどうなりたいですか?」
「どのような状態になれば理想的ですか?」
「今回、達成したいことは何ですか?」

目指す状態を言葉にしてもらうことで、これから考えるべきことや取り組む方向を明確にしやすくなります。

課題や原因を整理する質問例

「目標に近づくうえで、何が課題になっていますか?」
「うまく進まない理由は何だと思いますか?」
「特に難しいと感じていることは何ですか?」

すぐに解決策を考えるのではなく、まずは何が妨げになっているのかを一緒に整理していきます。

選択肢を広げる質問例

「ほかにできそうな方法はありますか?」
「制約がなければ、どのような方法を試したいですか?」
「別のやり方を考えるとしたら、何がありますか?」

一つの方法に絞らずに問いかけることで、相手自身が新しい選択肢や可能性に気づきやすくなります。

行動につなげる質問例

「まず何から始めますか?」
「いつまでに取り組みますか?」
「今日からできることはありますか?」

考えたことを具体的な行動に移せるように、何を・いつ行うのかを明確にしていきます。

振り返りを促す質問例

「今回、どのような気づきがありましたか?」
「うまくいったことは何ですか?」
「次に活かせそうなことはありますか?」

行動した結果を振り返ることで、得られた気づきや経験を次の行動につなげやすくなります。

コーチングの質問を使った会話例

コーチ:「今、仕事で気になっていることはありますか?」
相手:「仕事が多くて、なかなか予定どおりに進みません」

コーチ:「特に時間がかかっている仕事は何ですか?」
相手:「毎日の資料作成です」

コーチ:「少し負担を減らすとしたら、どのような方法が考えられそうですか?」
相手:「資料のひな形を作っておけば、毎回作り直さなくても済みそうです」

コーチ:「では、まず何から始めてみますか?」

このように、すぐに解決策を教えるのではなく、質問を重ねながら相手自身が答えを見つけられるように進めるのがポイントです。

コーチングで効果的な質問をするコツ

コーチングでは、質問の内容だけでなく、相手が自分の考えを話しやすい状況をつくることも大切です。

ここでは、話しやすい雰囲気のつくり方や質問を一つずつ投げかける方法、「何」「どのように」を使った聞き方、相手の言葉を受け止めてから質問するポイントを説明します。

相手が話しやすい雰囲気をつくる

質問するときは、相手の話を途中で遮らず、答えが出るまで待つことが大切です。

考えている途中で次の質問を重ねず、うなずきや相づちを入れながら聞くことで、相手も自分のペースで話しやすくなります。

一度に複数の質問をしない

一度に複数の質問をすると、相手がどれから答えればよいのか迷ってしまいます。

「今の課題は何ですか」のように一つずつ質問し、答えを聞いてから次の質問へ進むことで、考えを整理しやすくなります。

「なぜ」より「何」「どのように」を意識する

「なぜできなかったのですか」と聞くと、相手によっては責められているように感じることがあります。

「何が進行を妨げましたか」「どのようにすれば進められそうですか」と尋ねることで、状況やこれからの行動について考えやすくなります。

相手の言葉を受け止めてから質問する

相手が答えたら、すぐに次の質問へ進まず、まずは発言を受け止めましょう。

「予定より時間がかかったのですね」と確認してから質問を続けることで、相手も安心して自分の考えを話しやすくなります。

コーチングで避けたいNG質問と改善例

コーチングでは、質問の仕方によって相手が答えにくくなることもあります。

ここでは、避けたい質問と改善例を紹介します。

答えを誘導する質問

NG例:「この方法で進めたほうがいいと思いませんか?」

改善例:「どのような方法で進めるのがよいと思いますか?」

コーチ側の考えを質問に含めると、相手が自由に答えにくくなります。特定の答えへ誘導せず、相手自身が選択肢を考えられる聞き方を意識しましょう。

相手を否定・評価する質問

NG例:「その考え方は間違っていると思いませんか?」

改善例:「ほかの考え方もあるとしたら、どのようなものがありますか?」

相手の考えを否定したり評価したりすると、本音を話しにくくなることがあります。まずは考えを受け止めたうえで、別の視点に気づけるような質問をするとよいでしょう。

詰問のように感じる質問

NG例:「なぜできなかったのですか?」

改善例:「進めるうえで、どのようなことが難しかったですか?」

原因を強く問いただすような質問は、相手が責められていると感じることがあります。できなかった理由を追及するのではなく、状況を一緒に整理するような聞き方を意識しましょう。

まとめ

コーチングの質問で大切なのは、答えを教えるのではなく、相手が自分の考えに気づけるように支えることです。

現状や目標に合わせて問いかけ、相手の言葉を受け止めながら考えを引き出していきましょう。

最初から上手に質問しようと考えすぎる必要はありません。

「今はどう感じていますか」「これからどうしたいですか」など、答えを自由に考えられる質問から少しずつ取り入れてみてください。

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