目次
はじめに
「自社の管理職の割合は多すぎるのだろうか」
「一般的な企業では、管理職比率はどれくらいが目安なのだろう」と気になっていませんか。
組織図を見直したり、人件費を確認したりする中で、課長や部長の人数が目立つ一方、現場で動く社員が足りないように感じると、何を基準に判断すればよいのか分からず手が止まってしまうことがありますよね。
この記事では、企業における管理職比率の考え方や、割合が高すぎる・低すぎる場合に起こりやすい課題、適正な水準を判断するための見方を順を追って説明していきます。
管理職に関する主な割合の一覧

管理職の割合といっても、従業員全体に占める管理職の比率、管理職を目指す人の割合、女性管理職の割合では見るポイントが異なります。
まずは主な割合を整理し、自社や自分の状況と比べるときにどの数字を見ればよいのかを確認していきましょう。
管理職比率
管理職比率とは、全従業員のうち管理職が占める割合です。
「管理職数÷従業員数×100」で計算し、従業員100人に対して管理職が10人なら10%となります。
組織の中に管理職がどの程度いるのかを把握する際に使われる指標です。
管理職になりたい人の割合
管理職になりたい人の割合は、社員のうち管理職への昇進を希望している人の割合です。
パーソル総合研究所の調査では、「現在の会社で管理職になりたい」と回答した人は2024年時点で17.2%でした。
100人の社員がいれば、管理職を希望する人は約17人という見方ができます。
女性管理職の割合
女性管理職の割合とは、管理職のうち女性が占める割合です。
厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査では、課長相当職以上に占める女性の割合は13.1%でした。
また、部長相当職は8.7%、課長相当職は12.3%、係長相当職は21.1%となっています。
管理職比率は企業規模や業種によって異なる
管理職比率は、すべての会社に共通する適正値があるわけではありません。
ここでは、企業規模・業種・組織構造の3つの視点から、管理職比率が変わる理由を見ていきましょう。
企業規模
管理職比率は、企業規模によって変わります。
従業員数が少ない企業では、社長や部長が現場の管理まで担うこともあり、管理職を細かく配置しないケースがあります。
一方で、企業規模が大きくなると部署や拠点が増えるため、それぞれをまとめる管理職が必要になりやすくなります。
業種
管理職比率は、業種によっても異なります。
店舗や拠点ごとに責任者を置く業種では管理職が多くなりやすく、専門職や技術職が中心の業種では、少人数の管理職が複数の担当者をまとめることもあります。
そのため、管理職比率を比べる際は、同じ業種の企業を参考にすると判断しやすくなります。
組織構造
管理職比率は、会社の組織構造によっても変わります。
部長や課長など複数の管理階層を設けている組織では管理職が多くなりやすく、階層が少ない組織では管理職比率が低くなる傾向があります。
そのため、管理職の人数だけでなく、どのような管理体制になっているかもあわせて見ることが大切です。
管理職の割合に適正値はある?
管理職の割合を確認するとき、「何%なら適正なのか」と考えたくなることがあります。
ここでは、企業ごとに適正な割合が異なる理由と、数字を見るときに注意したい点を整理していきましょう。
企業ごとに適正な割合が異なる理由
管理職の割合には、すべての企業に当てはまる1つの適正値があるわけではありません。
従業員数が同じでも、チームの人数や業務内容によって必要な管理職の人数は変わります。
管理職が多すぎると意思決定が複雑になり、少なすぎると1人あたりの管理負担が大きくなるため、自社の組織体制に合わせて考えることが大切です。
管理職の人数だけでなく、1人の管理職が何人の部下を見るのが適切なのか気になる場合は、管理職1人あたりの適正人数も確認しておきましょう。
▶管理職1人あたりの適正人数は?スパン・オブ・コントロールの目安を解説
管理職比率を見るときの注意点
管理職比率を見るときは、数字だけで多い・少ないと判断しないことが大切です。
企業によって、管理職に部長や課長だけを含めるのか、係長や主任まで含めるのかが異なるため、同じ割合でも意味が変わることがあります。
比較する際は、管理職の範囲や従業員数などの条件をそろえて確認すると、実態をつかみやすくなります。
課長や部長、係長など、どこまでを管理職として数えるべきか迷う場合は、管理職に含まれる役職の範囲も確認しておきましょう。
▶管理職とはどんな仕事?役割や種類・一般社員との違いをわかりやすく解説
管理職の割合に関するデータを見るポイント
管理職の割合に関するデータは、数字だけを見ても正しく判断しにくい場合があります。
ここでは、データを見る前に確認しておきたいポイントを整理していきましょう。
調査対象を確認する
管理職の割合に関するデータを見るときは、まず調査対象を確認しましょう。
全企業を対象にしているのか、一定規模以上の企業に限っているのかによって、数値は変わります。
また、正社員だけなのか、契約社員やパートも含むのかなど、対象となる従業員の範囲もあわせて確認することが大切です。
年代や性別の違いを確認する
管理職の割合は、年代や性別によっても違いが見られます。
全体の数値だけでは分からない傾向もあるため、年代別や性別ごとのデータがある場合はあわせて確認するとよいでしょう。
どの層で管理職の割合が高いのかを見ることで、より実態に近い状況を把握しやすくなります。
企業規模の違いを確認する
管理職の割合を比べるときは、企業規模の違いにも注意が必要です。
従業員数が異なれば、部署の数や管理階層、1人の管理職が担当する人数も変わります。
そのため、企業規模をそろえずに単純比較するのではなく、従業員数や企業規模別の区分を確認してから見ることが大切です。
まとめ
管理職の割合を見るときは、単純に「何%なら適正」と考えるのではなく、自社の規模や業種、組織のつくりに合わせて判断することが大切です。
管理職が多すぎても少なすぎても、意思決定の遅れや管理職の負担につながることがあります。
また、外部の調査データを参考にする場合は、調査対象や企業規模、年代、性別などの条件も確認しておきましょう。
同じ「管理職の割合」でも、条件が異なれば数字の意味も変わります。
まずは自社の管理職比率を計算したうえで、現場の判断が滞っていないか、管理職に負担が偏っていないか、部下の育成や評価が無理なく行えているかを振り返ってみてください。
数字だけで判断せず、実際の組織運営とあわせて見ることで、自社に合った管理職の割合を考えやすくなります。