リーダーシップとマネジメントスキル

▶執行役員と取締役の違いとは?役割・権限・役職の違いをわかりやすく解説 

はじめに

「執行役員と取締役って、名前は似ているけれど何が違うの?」
「どちらのほうが立場が上で、会社の中ではどんな役割や権限を持っているの?」と気になっていませんか。

会社の組織図や役員一覧を見たときに、取締役と執行役員が並んでいると、それぞれが何を決め、どこまで責任を持つ立場なのか分かりにくいことがありますよね。

この記事では、執行役員と取締役の基本的な違いを整理したうえで、それぞれの役割や権限、役職としての位置づけについて、順を追って説明していきます。

執行役員とは?

執行役員は、会社の経営方針や事業計画に沿って、担当部門などの業務を実際に進める役割を担う社内ポジションです。

ここでは、執行役員の役割と法的な位置づけについて説明します。

執行役員は会社の業務を実行する役割を担う

執行役員は、取締役会や経営陣が決めた経営方針や事業計画をもとに、担当する部門の業務を実行していく役割を担います。

事業や部門の目標を具体的な業務計画に落とし込み、メンバーへ指示を出しながら、進み具合や成果を確認していきます。

計画どおりに進んでいない場合には、業務の進め方や人員配置を見直すなど、状況に合わせて調整することも大切な仕事です。

執行役員は会社法上の役員ではない

執行役員は、名称に「役員」と付いているため、取締役などと同じ立場だと思われることがあります。

しかし、原則として会社法で定められた役員には含まれず、企業が独自に設けている役職です。

会社法上の役員である取締役・会計参与・監査役とは位置づけが異なるため、執行役員という肩書だけで同じ法的な権限や責任を持つわけではありません。

取締役とは?会社の経営判断を担う役職

取締役は、会社法に基づいて選任され、会社の経営に関わる重要な判断を担う役員です。

ここでは、取締役の法的な位置づけと、経営方針や重要事項を決定する役割について説明します。

取締役は会社法で定められた役員

取締役は、会社法に基づいて選ばれる会社の役員です。

株式会社では、原則として株主総会の決議によって選任され、会社の経営に関わる役割を担います。

会社法に基づいた権限と責任を持つため、企業が独自に設ける執行役員とは立場が異なります。

取締役は経営方針や重要事項を決定する立場

取締役は、会社全体の経営方針や事業計画など、経営に関わる重要な事項を決める立場です。

取締役会を設置している会社では、取締役会で重要な業務について話し合い、会社としてどのように進めていくのかを決定します。

そのため、担当する部門だけではなく、会社全体への影響を考えながら判断していくことが求められます。

執行役員と取締役の違いを比較

執行役員と取締役は、どちらも会社の経営や事業運営に関わる立場ですが、法律上の位置づけや担当する役割には違いがあります。

両者の違いを正しく理解するには、それぞれの立場を複数の項目に分けて比較することが大切です。ここでは、執行役員と取締役の違いを5つのポイントから整理します。

法律上の位置づけが異なる

取締役は会社法に基づいて選ばれる役員ですが、執行役員は会社法で定められた役員ではありません。

執行役員は企業が独自に設けている社内のポジションであり、名称に「役員」と付いていても、取締役と同じ法律上の立場になるわけではありません。

担当する役割と業務範囲が異なる

取締役は会社全体の経営方針や重要事項の決定に関わり、執行役員は決められた方針に沿って担当する部門の業務を進めます。

取締役が会社全体を見ながら経営上の判断を行うのに対し、執行役員は担当する事業や部門の業務を実行していくことが主な役割です。

経営への関わり方と意思決定権が異なる

取締役会を設置している会社では、取締役は取締役会のメンバーとして、重要な業務に関する意思決定に参加します。

一方、執行役員は取締役を兼任していない限り、執行役員という立場だけで取締役会の議決権を持つわけではありません。

このように、経営上の意思決定に関わる取締役と、決められた方針を実行する執行役員では、経営への関わり方に違いがあります。

責任や権限の範囲が異なる

取締役は会社法上の役員として、法令や定款、株主総会の決議を守りながら、会社のために職務を行う責任があります。

一方、執行役員の権限や責任は、会社が定める職務規程や任されている業務の内容などによって決まります。

そのため、担当部門でどこまで判断や決裁ができるのかは、企業によって異なります。

会社との契約関係が異なる

取締役と会社との関係は、会社法上、委任に関する規定に従うことになっています。

一方、執行役員は会社法上の役員ではないため、会社とどのような契約を結ぶかは企業の制度によって異なります。

従業員として雇用契約を結ぶケースもあれば、委任契約などを結ぶケースもあるため、「執行役員」という名称だけで契約関係を判断することはできません。

執行役員と取締役はどちらが上なのか

執行役員と取締役を比べると、「どちらの役職が上なのか」と疑問に感じることがあります。

ここでは、執行役員と取締役の関係と、企業によって位置づけが変わる理由について説明します。

単純な上下関係ではなく役割が異なる

取締役と執行役員は、単純にどちらが上かという関係ではなく、それぞれ担っている役割に違いがあります。

取締役は経営方針や重要な事項の決定に関わり、執行役員は決められた方針に沿って担当する部門の業務を進めていきます。

そのため、役職名だけで上下関係を判断するのではなく、それぞれの役割や権限を確認することが大切です。

企業によって執行役員の位置づけは異なる

執行役員は会社法で定められた役職ではないため、社内でどのような立場になるのかは企業によって異なります。

担当する部門や決裁できる範囲、取締役との関係なども、それぞれの企業が独自に定めています。

そのため、同じ「執行役員」という名称でも、実際に任される仕事や権限には違いがあることを知っておきましょう。

なぜ企業は執行役員制度を導入するのか

企業が執行役員制度を導入する目的の一つは、会社の経営判断を行う役割と、決定した方針に沿って業務を実行する役割を分けることです。

ここでは、企業が執行役員制度を導入する主な理由について説明します。

経営判断と業務執行を分けるため

執行役員制度では、取締役が経営方針や重要な事項を判断し、執行役員がその方針に沿って担当部門の業務を進めていきます。

それぞれの役割を分けることで、取締役は会社全体に関わる経営判断に集中しやすくなり、執行役員も担当部門の業務をスムーズに進めやすくなります。

迅速な意思決定や効率的な組織運営につなげるため

担当部門の業務を執行役員に任せることで、取締役が一つひとつの業務に直接対応する負担を減らせます。

執行役員が与えられた権限の範囲で判断できれば、現場で必要な対応もスムーズに決めやすくなるでしょう。

また、経営と業務執行の役割が明確になるため、誰が判断し、誰が実行するのかを整理しやすくなる点もメリットです。

執行役員と取締役の関係性とは

執行役員と取締役はそれぞれ異なる役割を担いますが、企業によっては同じ人が両方の立場を兼任する場合があります。

ここでは、執行役員と取締役がどのような関係で業務に関わるのかを説明します。

執行役員が取締役を兼任するケースもある

企業によっては、同じ人が執行役員と取締役を兼任しているケースもあります。

その場合、取締役として経営上の重要な判断に関わりながら、執行役員として担当部門の業務を進めていきます。

兼任している場合でも、それぞれの立場で求められる役割や権限は分けて考えることが大切です。

企業によって役割や位置づけは異なる

執行役員は、会社法で役割や権限が一律に決められている役職ではないため、取締役との関係も企業によって異なります。

担当する部門や業務、どこまで決裁できるのか、取締役へどのように報告するのかなどは、それぞれの企業が定めています。

そのため、具体的な役割分担を知りたい場合は、役職名だけで判断せず、その企業の組織体制や社内規程を確認すると分かりやすいでしょう。

まとめ

執行役員と取締役は、どちらも会社の経営や事業運営に関わる立場ですが、法律上の位置づけや担う役割には違いがあります。

取締役は会社法上の役員として経営上の重要な判断に関わり、執行役員は経営陣が決めた方針に沿って、担当する事業や部門の業務を進めることが主な役割です。

ただし、両者は単純な上下関係で分けられるものではなく、企業によっては取締役と執行役員を兼任するケースもあります。

また、執行役員の権限や位置づけは企業によって異なるため、違いが分かりにくいときは、肩書きだけで判断せず、それぞれがどのような役割や権限を持っているのかを確認してみましょう。

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