人事・組織開発スキル

▶管理職の有給休暇は何日取れる?取得義務や一般社員との違いを解説 

はじめに

「管理職になると、有給休暇の日数は一般社員より少なくなるの?」
「部下には年5日の有給取得が必要と聞いたけれど、管理職も同じように取得しなければならないの?」と疑問に感じていませんか。

昇進して管理職になり、勤怠管理の方法や残業代の扱いが変わると、有給休暇についても一般社員とは別のルールになるのではないかと迷いますよね。

この記事では、管理職が取得できる有給休暇の日数をはじめ、年5日の取得義務や一般社員との違い、取得するときに確認したいポイントまで順を追って説明していきます。

管理職でも有給休暇は何日取れる?

管理職であっても、有給休暇を取得できるかどうかや付与される日数は、一般社員と同じように一定の条件をもとに判断されます。

ここでは、管理職にも有給休暇を取得する権利があることを確認したうえで、勤続年数や出勤率によって付与日数がどのように決まるのかを説明します。

管理職でも有給休暇を取得する権利がある

管理職であっても、労働基準法上の労働者に当てはまる場合は、一般社員と同じように年次有給休暇を取得できます。

部長や課長などの役職に就いているからといって、有給休暇を取得できなくなるわけではありません。

会社で管理職として働いている場合でも、付与条件を満たしていれば有給休暇を取得できます。

有給休暇の日数は勤続年数と出勤率によって決まる

有給休暇は、入社から6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤すると、原則として10日付与されます。

その後も8割以上の出勤率を満たしていれば、勤続1年6か月で11日、2年6か月で12日と増えていき、6年6か月以上になると20日が付与されます。

管理職の場合も、基本的には勤続年数と出勤率をもとに付与される日数が決まります。

管理職に有給休暇の取得義務はある?

管理職であっても、一定の日数の有給休暇が付与されている場合は、年5日の取得義務の対象になります。

ここでは、管理職にも年5日の有給休暇取得義務が適用される条件と、誤解しやすいポイントについて説明します。

年5日の有給休暇取得義務は管理職にも適用される

管理職であっても、年次有給休暇が年10日以上付与される場合は、会社には年5日の有給休暇を取得させる義務があります。

本人が自分で5日以上取得していない場合は、会社が取得する時季を指定するなどして、付与日から1年以内に合計5日を取得させる必要があります。

管理職だからといって、この年5日の取得義務の対象外になるわけではありません。

「管理職だから有給取得義務がない」は誤解である

「管理職だから年5日の有給休暇を取得する義務はない」と考える人もいるかもしれませんが、これは正しくありません。

年5日の取得義務は役職名ではなく、年次有給休暇が年10日以上付与される労働者かどうかで決まります。

そのため、部長や課長などの管理職でも、年10日以上の有給休暇が付与されていれば対象となります。

一般社員と管理職の有給休暇の違い

一般社員と管理職では、役職が異なっていても、有給休暇の付与日数や取得する権利に大きな違いはありません。

ここでは、有給休暇の制度上の違いと、管理職が取得する際に生じやすい業務調整について説明します。

有給休暇の付与日数や取得できる権利に大きな違いはない

一般社員と管理職で、有給休暇の基本的な付与日数や取得する権利に大きな違いはありません。

管理職でも、勤続期間や出勤率などの条件を満たしていれば、一般社員と同じ基準で有給休暇が付与されます。

そのため、管理職であることだけを理由に、有給休暇の日数を減らしたり、取得できない扱いにしたりすることはできません。

管理職は業務調整の責任によって取得しにくい場合がある

管理職は、部下の業務状況や担当している仕事の進み具合を確認しながら、休む日の業務を調整することがあります。

重要な会議や締め切りと重なる場合には、担当者への引き継ぎや日程の変更などを行ったうえで休むことになります。

そのため、有給休暇を取得する権利は一般社員と同じでも、担当する業務や立場によって取得日の調整が必要になる場合があります。

管理職の有給休暇取得で確認したいポイント

管理職が有給休暇を取得するときは、休暇中も業務が滞らないように、事前に担当業務の引き継ぎや会議・締め切りなどのスケジュールを調整しておくことが大切です。

ここでは、取得前に行いたい業務調整と、会社が取得時期を変更できるケースについて説明します。

取得前に業務の引き継ぎやスケジュール調整を行う

管理職が有給休暇を取得するときは、休暇中に対応が必要な業務を確認し、事前に担当者へ引き継いでおくことが大切です。

会議や締め切りが休暇日と重なる場合は、日程を変更したり、代わりに対応する担当者を決めたりしておきます。

休暇前に担当者や対応期限を明確にしておけば、不在中も業務を進めやすくなります。

会社が有給休暇の取得を制限できるケースは限られる

会社は、管理職であることだけを理由に有給休暇の取得を拒否することはできません。

ただし、希望した日に休むことで事業の正常な運営に支障が出る場合は、会社が時季変更権を行使し、別の日に取得するよう求めることがあります。

この場合も有給休暇そのものが取得できなくなるわけではなく、取得する時期を変更することになります。

管理職扱いでも有給休暇の扱いが変わるケースとは

管理職という役職名が付いていても、労働基準法上の「管理監督者」に該当するかどうかによって、労働時間や休日などの扱いが変わる場合があります。

ここでは、管理監督者に該当する場合の考え方と、役職名だけで管理職になっている場合に確認したいポイントについて説明します。

管理監督者に該当するかで労働上の扱いが変わる

労働基準法上の管理監督者に該当する場合は、労働時間や休憩、休日に関する一部の規定が適用されません。

ただし、管理監督者であっても年次有給休暇に関する規定は適用されるため、条件を満たしていれば有給休暇を取得できます。

管理監督者かどうかによって労働時間や休日の扱いは変わりますが、有給休暇を取得する権利がなくなるわけではありません。

役職名だけで管理職になっている場合は確認が必要

部長や課長などの役職名が付いていても、必ずしも労働基準法上の管理監督者に当てはまるとは限りません。

管理監督者に該当するかどうかは、経営者と一体的な立場にあるか、勤務時間に裁量があるか、役職に見合った待遇を受けているかなど、実際の働き方をもとに判断されます。

そのため、社内で管理職として扱われている場合でも、役職名だけで判断せず、権限や勤務状況、待遇などを確認することが大切です。

まとめ

管理職であっても、条件を満たしていれば一般社員と同じように年次有給休暇を取得でき、年10日以上付与される場合は年5日の取得義務も対象となります。

ただし、管理職は会議や部下の業務管理などを担当することも多いため、休暇を取る際は早めに予定を共有し、引き継ぎやスケジュールを調整しておくと安心です。

また、社内で管理職と呼ばれていても、労働基準法上の管理監督者に当てはまるとは限りません。有給休暇の扱いに迷ったときは、役職名だけで判断せず、就業規則や自分の勤務状況も確認しておきましょう。

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