人事・組織開発スキル

▶バックキャスティングとは?フォアキャスティングとの違いや進め方を解説

はじめに

「バックキャスティングって、具体的にどのように考えればいいの?」
「フォアキャスティングとの違いが分からず、どちらを使えばよいのか迷う」と感じていませんか。

会社で中長期の目標や事業計画を考えるとき、数年後に実現したい状態は決まっていても、そこへ向けて今から何をすればよいのか整理できず、計画作りで手が止まることがあります。

この記事では、バックキャスティングの意味やフォアキャスティングとの違い、実際に計画へ落とし込む進め方まで分かりやすく紹介します。

バックキャスティングとは?

バックキャスティングとは、将来実現したい状態を先に設定し、そこから現在までさかのぼって必要な行動や取り組みを考える思考法です。

ここでは、バックキャスティングの基本的な考え方と、どのような課題に向いているのかを分けて解説します。

理想の未来から現在へ逆算して考える思考法

バックキャスティングでは、最初に「将来どのような状態を実現したいか」を具体的に決めます。

そこから必要な条件や行動を洗い出し、未来から現在へ向かって順番に整理します。

実現したい未来を基準に考えるため、現状の延長にとらわれず、必要な行動を計画できます。

バックキャスティングが向いている課題

バックキャスティングは、現在の取り組みを続けるだけでは達成が難しく、数年かけて行動や仕組みを変える必要がある課題に向いています。

実現したい状態から逆算して、何をいつまでに行うかを整理できるため、中長期の目標達成までの道筋を考える場合に活用できます。

バックキャスティングとフォアキャスティングの違い

バックキャスティングとフォアキャスティングは、目標や将来の方向を考える際の起点が異なります。

ここでは、それぞれの考え方を確認したうえで、起点・時間軸・向いている課題の違いを整理します。

バックキャスティング

バックキャスティングは、実現したい未来の状態を決め、そこから現在まで逆算して必要な行動を考える方法です。

目標達成に必要な条件を未来から順番に整理するため、現在の状況にとらわれず、行動の順序や期限を決めやすい点が特徴です。

フォアキャスティング

フォアキャスティングは、現在の状況や過去の実績をもとに、今後どのような状態になるかを考える方法です。

現在の取り組みや利用できる人員・予算などを確認しながら計画を立てるため、今の状況をもとに将来を見通したい場合に向いています。

起点・時間軸・向いている課題の違い

バックキャスティングは未来を起点に現在へ逆算するため、中長期で大きな変化が必要な課題に向いています。

一方、フォアキャスティングは現在を起点に未来を考えるため、これまでの実績や取り組みをもとに短期から中期の計画を立てる場合に適しています。

バックキャスティングのメリット

バックキャスティングには、現在できることだけを基準にせず、実現したい未来から目標や行動を考えられるメリットがあります。

ここでは、目標設定、行動の逆算、新しい選択肢という3つの視点からバックキャスティングのメリットを解説します。

現状にとらわれず目標を設定できる

バックキャスティングでは、現在の人員や予算、実績から達成できる範囲を考えるのではなく、最初に実現したい未来の状態を設定します。

そのため、今の方法にとらわれず、必要な変化も含めて目標を考えられる点がメリットです。

長期的な目標から必要な行動を逆算できる

バックキャスティングでは、長期的な目標を最終地点として、達成までに必要な行動を未来から現在へ順番に整理します。

現在との差を確認しながら、何をいつまでに行うかを決められるため、目標達成までの道筋が明確になります。

これまでにない選択肢を検討しやすい

バックキャスティングでは、過去の実績や現在の方法にとらわれず、実現したい未来に必要な手段を考えます。

そのため、これまでの方法だけに限定せず、目標達成に必要な新しい方法や取り組みも選択肢として検討しやすくなります。

バックキャスティングのデメリット・注意点

バックキャスティングは、理想の未来から必要な行動を考えられる一方で、使い方によっては計画を具体化しにくくなる場合があります。

ここでは、実現可能性、未来の設定、短期的な課題への適性という3つの視点から注意点を解説します。

実現可能性を判断しにくい場合がある

バックキャスティングでは、現在の人員や予算などにとらわれず未来を設定するため、目標と現状の差が大きくなる場合があります。

そのため、必要な人員や費用、期間を見積もりにくいときは、現在利用できる条件も確認しながら計画を立てることが大切です。

未来の設定が曖昧だと行動に落とし込みにくい

実現したい未来が曖昧なままでは、現在との差が分かりにくく、必要な行動や期限も決めにくくなります。

「成長する」「改善する」だけではなく、達成したかどうかを確認できる状態まで具体化すると、必要な行動を逆算しやすくなります。

短期的な課題には適さない場合がある

バックキャスティングは将来の目標から逆算して考えるため、すぐに対応が必要な短期的な課題には向かない場合があります。

対応を急ぐときは、未来から逆算するよりも、現在の原因や利用できる手段を確認し、その状況に合った行動を考えるほうが進めやすいでしょう。

バックキャスティングとフォアキャスティングの使い分け

バックキャスティングとフォアキャスティングは、目標までの期間や取り組む課題に合わせて使い分けます。

ここでは、それぞれが適している場面と、組み合わせて活用する方法を解説します。

長期的な変革を目指すなら

現在の方法を続けるだけでは到達しにくい長期的な目標には、バックキャスティングが適しています。

実現したい未来から逆算することで、今の状況にとらわれず、目標達成に必要な行動や変更点を整理できます。

現状の延長で改善するなら

現在の取り組みをもとに改善を重ねる場合は、フォアキャスティングが適しています。

これまでの実績や人員、予算などを確認しながら計画を立てるため、今の方法を活かしながら成果を高めたい場合に使いやすい考え方です。

2つの考え方を組み合わせることもできる

バックキャスティングとフォアキャスティングは、組み合わせて使うこともできます。

まず実現したい未来から必要な行動を逆算し、そのうえで現在の人員や予算などを確認しながら実行方法を調整すると、目標と現状の両方を踏まえて計画を進められます。

バックキャスティングの進め方

バックキャスティングを進めるときは、最初に実現したい未来の姿を具体的に決め、現在の状態との差を確認します。

ここでは、未来の設定から計画の見直しまで、5つの手順に分けて解説します。

1.実現したい未来の姿を具体的に設定する

最初に、将来どのような状態を実現したいのかを具体的に設定します。

目標とする時期や達成の条件まで決めておくと、そこから逆算して必要な行動を考えやすくなります。

2.理想の未来と現状のギャップを整理する

設定した未来の姿と現在の状態を比べ、何が不足しているのかを整理します。

人員や予算、設備、技術などの項目ごとに差を確認すると、目標達成に向けて何を変える必要があるのかが見えてきます。

3.未来から逆算して必要な行動を洗い出す

理想の未来を実現するために必要な行動を、目標達成時点から現在へ向かって逆算します。

目標の直前に必要な状態から順番にさかのぼることで、現在から取り組むべき行動を洗い出せます。

4.行動の優先順位と期限を決める

洗い出した行動について、実行する順番と期限を決めます。

先に終える必要があるものや目標達成への影響が大きいものから優先すると、いつ何に取り組むのかを整理しやすくなります。

5.実行結果を確認して計画を見直す

計画を実行した後は、期限ごとに進み具合を確認し、予定した状態に達しているかを見直します。

予定との差がある場合は、遅れている行動や原因を確認し、必要に応じて内容や期限を調整しましょう。

まとめ

バックキャスティングは、実現したい未来の姿を先に設定し、そこから現在へ逆算して必要な行動を考える方法です。

現在を起点に将来を予測するフォアキャスティングとは考える方向が異なり、バックキャスティングは中長期で大きな変化を目指す場合、フォアキャスティングは現状の延長で改善を進める場合に向いています。

実際にバックキャスティングを進める際は、未来の姿を具体化し、現状とのギャップを整理したうえで、必要な行動の優先順位と期限を決めます。

実行後も結果を確認して計画を見直しながら、設定した未来の実現に向けて取り組みを進めましょう。

-人事・組織開発スキル
-