目次
はじめに
「ビジョンキャンバスとは、具体的に何を書くものなの?」
「作ってみたいけれど、どの項目から考えればよいのか分からない」と迷っていませんか。
事業やプロジェクトで目指す方向を整理しようとしても、実現したい未来や提供したい価値をうまく言葉にできず、メンバー同士で認識がそろわないことがあります。
この記事では、ビジョンキャンバスの意味や各項目の書き方、作成手順、完成後の活用方法まで分かりやすく解説します。
ビジョンキャンバスとは?
ビジョンキャンバスは、将来実現したい姿や目指す方向を項目ごとに書き出し、1枚のシート上で整理するためのフレームワークです。
作成する意味を理解するには、まず何を目的として使うのか、作成によってどのようなメリットが得られるのかを押さえておきましょう。
ビジョンキャンバスの目的
ビジョンキャンバスの目的は、将来実現したい姿や目指す方向を言葉にし、1枚のシートで整理することです。
目標や価値観、取り組む内容を書き出すことで、何を目指し、そのために何をすればよいのかが見えやすくなります。
複数人で作成する場合も、同じ内容を確認しながら認識をそろえられます。
ビジョンキャンバスを作成するメリット
ビジョンキャンバスを作成すると、頭の中にある目標や考えを整理し、それぞれのつながりを確認できます。
目標と取り組む内容が合っているか、必要な内容が抜けていないかも確認しやすくなります。
また、複数人で共有することで、認識の違いに気づき、内容を見直しやすくなる点もメリットです。
ビジョンキャンバスには何を書く?主な構成項目
ビジョンキャンバスを作成するときは、実現したいビジョンだけでなく、誰に向けて何を提供するのか、その結果をどのように判断するのかまで整理します。
ここでは、ビジョンキャンバスに書く主な5つの項目を順に解説します。
実現したいビジョン
実現したいビジョンには、将来どのような状態を実現したいのかを書きます。
一定期間後に顧客や事業がどうなっていてほしいのかを考え、メンバーによって解釈が分かれないよう、具体的な言葉で表します。
対象となる顧客・ユーザー
対象となる顧客・ユーザーには、ビジョンを実現するうえで誰を対象にするのかを書きます。
年齢や職業、所属する企業、利用場面などを具体的にすることで、誰のために取り組むのかを共有しやすくなります。
顧客が抱えている課題やニーズ
顧客が抱えている課題やニーズには、対象者が困っていることや実現したいことを書きます。
ヒアリングやアンケート、問い合わせ内容などをもとに整理し、どのような場面で何に困っているのかを具体的にすると、解決すべき内容が見えやすくなります。
顧客に提供する価値
顧客に提供する価値には、商品やサービスによって顧客の状態がどのように変わるのかを書きます。
機能だけを並べるのではなく、利用前の課題が利用後にどう変わるのかを考えることで、提供すべき価値を整理しやすくなります。
目標と成果の判断基準
目標と成果の判断基準には、ビジョンに近づいているかを確認するための数値や期限を書きます。
売上額や利用者数、継続率などについて達成する数値と期限を決めておくと、目標を達成できたかを同じ基準で判断できます。
ビジョンキャンバスの各項目の書き方
ビジョンキャンバスの各項目を書くときは、意味が広く取れる言葉だけでまとめず、実現したい状態や対象を具体的に表すことが大切です。
ここでは、具体的な状態の書き方、課題と提供価値のつなげ方、共通認識を持てる言葉へのまとめ方を解説します。
抽象的な表現ではなく具体的な状態を書く
各項目には、「成長する」「満足度を高める」といった曖昧な言葉だけでなく、誰が、いつまでに、どのような状態になるのかを書きます。
数値で確認できる場合は目標値や期限も設定し、実現できたかを同じ基準で判断できるようにしましょう。
顧客の課題と提供価値をつなげて書く
顧客の課題と提供価値は、どのような困りごとに対して何を提供し、顧客の状態をどう変えるのかが分かるようにつなげて書きます。
課題と提供価値を対応させることで、顧客が求めている内容からずれにくくなります。
チームで共通認識を持てる言葉にまとめる
チームで共有する内容は、読む人によって意味が変わらない言葉にまとめます。
「早く」「使いやすく」といった表現は、時間や回数、具体的な行動に置き換えることで、メンバー間の認識や判断のずれを減らしやすくなります。
ビジョンキャンバスの作成手順
ビジョンキャンバスを作成するときは、最初に何のために作るのかを決め、その目的に沿って情報を整理していきます。
ここでは、ビジョンキャンバスを作成する流れを5つの手順に分けて解説します。
1.作成する目的とテーマを決める
最初に、ビジョンキャンバスを何のために作成するのかを決めます。
新しい事業の方向を決める、既存サービスを見直すなど、今回整理する目的とテーマを1つに絞ることで、途中で内容が広がるのを防ぎやすくなります。
2.顧客や現状の課題を整理する
次に、対象となる顧客を決め、現在どのような課題を抱えているのかを整理します。
ヒアリングやアンケート、問い合わせ内容などをもとに、実際に困っている場面や行動を書き出すことで、想像だけで課題を決めるのを避けられます。
3.実現したい未来の状態を明確にする
整理した課題をもとに、将来どのような状態を実現したいのかを決めます。
誰が、いつまでに、どのような状態になるのかを具体的にし、必要に応じて数値も設定すると、チームで目指す方向をそろえやすくなります。
4.提供する価値と目標を整理する
実現したい未来に向けて、顧客へどのような価値を提供するのかと、成果を判断する基準を整理します。
顧客の課題と提供価値を対応させ、売上額や利用者数、継続率などの目標値と期限を決めておくと、実行後の成果を確認しやすくなります。
5.内容を共有して認識のずれを修正する
作成したビジョンキャンバスをチームで共有し、各項目を同じ意味で理解できているか確認します。
解釈が分かれる言葉があれば、具体的な状態や数値を使った表現に書き換えることで、その後の判断や行動のずれを減らせます。
ビジョンキャンバスの活用方法
作成したビジョンキャンバスは、内容を確認して終わりにするのではなく、日々の業務やプロジェクトの進行に活用できます。
ここでは、チームでの共有、施策やプロジェクトの判断、目標や戦略の見直しという3つの活用方法を解説します。
チームの方向性を共有する
ビジョンキャンバスをチームで共有し、実現したい状態や顧客、提供する価値、目標をメンバー全員で確認します。
同じ内容を理解しておくことで、担当者によって目指す方向が変わりにくくなり、日々の行動もビジョンに沿ってそろえやすくなります。
施策やプロジェクトの判断基準にする
施策やプロジェクトを検討するときは、ビジョンキャンバスに書いた顧客の課題や提供価値、目標と照らし合わせます。
顧客の課題解決や目標の達成につながるかを確認することで、担当者の考えだけに偏らず、共通の基準で判断しやすくなります。
目標や戦略を見直す際に活用する
目標や戦略を見直すときは、ビジョンキャンバスの内容と現在の状況を比較します。
顧客の課題や提供価値、数値目標などに変化がないかを確認し、実態と合わなくなった部分を修正することで、現在の状況に合わせて内容を見直せます。
ビジョンキャンバスを作成・活用するときのポイント
ビジョンキャンバスは、一度で完成させようとせず、実際に使いながら内容を調整していくことが大切です。
ここでは、作成時の完成度、メンバー間の認識合わせ、定期的な見直しという3つのポイントを解説します。
最初から完成度を求めすぎない
ビジョンキャンバスは、最初からすべての項目を完成させる必要はありません。
まずは現時点で分かる情報をもとに作成し、実際の業務やプロジェクトで使いながら、新しい情報が得られたタイミングで少しずつ修正していきましょう。
メンバー間で言葉の意味をすり合わせる
ビジョンキャンバスを共有するときは、各項目の言葉をメンバーが同じ意味で理解しているか確認します。
解釈が分かれる場合は、具体的な状態や行動が伝わる表現に直すことで、業務やプロジェクトでの判断のずれを減らしやすくなります。
状況の変化に合わせて定期的に見直す
ビジョンキャンバスは作成して終わりにせず、顧客のニーズや事業の状況に変化がないか定期的に確認します。
顧客の課題や提供する価値、目標などが実態と合わなくなった場合は、その都度内容を見直し、現在の状況に合った状態に整えていきましょう。
まとめ
ビジョンキャンバスは、実現したい未来の姿や対象となる顧客、顧客の課題、提供する価値、目標などを1枚のシート上で整理するためのフレームワークです。
作成するときは、目的とテーマを決めたうえで顧客や現状の課題を整理し、実現したい未来、提供する価値、成果の判断基準を順番に具体化します。
完成後はチームで内容を共有し、施策やプロジェクトを選ぶ際の判断基準として活用しましょう。
また、一度作成した内容を固定せず、顧客のニーズや事業の状況が変わったときに見直すことで、現在の状況に合ったビジョンキャンバスを維持できます。