プロジェクトマネジメント

▶プロジェクトの進捗管理に使える手法とは?種類と選び方を解説

はじめに

「プロジェクトの進捗管理には、どんな手法を使えばいいの?」
「タスク管理表を作っているのに、遅れや作業の抜けをうまく把握できない」と感じていませんか。

複数の担当者が同時に作業を進めていると、誰がどこまで終えているのか分からなかったり、期限直前になって遅れが判明したりすることがあります。

この記事では、プロジェクトの進捗管理に使われる代表的な手法の特徴や違い、選ぶ際に確認したいポイントを分かりやすく解説します。

プロジェクトの進捗管理とは?

プロジェクトの進捗管理とは、計画した作業や期限に対して、実際の作業がどこまで進んでいるかを確認し、遅れやずれを把握することです。

ここでは、進捗管理で確認する内容と、プロジェクトで進捗管理が必要な理由を解説します。

進捗管理

進捗管理では、作業ごとに決めた開始日や完了予定日、作業量と、実際の進み具合を比較します。

たとえば、5日間で終える予定の作業なら、3日目にどこまで進んでいるかを確認することで、予定どおりか判断できます。

遅れがある場合は、何日遅れているのか、どの作業が残っているのかを確認し、計画との差を把握します。

プロジェクトで進捗管理が必要な理由

プロジェクトで進捗管理が必要なのは、一つの作業の遅れが後続の作業や最終期限に影響する可能性があるためです。

作業の進み具合や期限を定期的に確認しておけば、遅れを早めに見つけ、担当者やスケジュールを調整できます。

問題が大きくなる前に対応することで、プロジェクト全体を予定どおり進めやすくなります。

プロジェクトの進捗管理に使える代表的な手法

プロジェクトの進捗管理には、タスクの分解やスケジュールの確認、作業状況の共有など、管理したい内容に応じた手法があります。

ここでは、プロジェクトの進捗管理に使える4つの代表的な手法について、それぞれの特徴を解説します。

WBS|タスクを細分化して管理する

WBSは、プロジェクトに必要な作業を階層ごとに分け、実行できる単位まで細分化して管理する手法です。

タスクごとに担当者や期限を設定することで、誰がいつまでに何を行うのかが明確になります。

完了・未完了も確認しやすくなり、作業の抜けや遅れを把握するのに役立ちます。

ガントチャート|工程とスケジュールを可視化する

ガントチャートは、縦軸にタスク、横軸に日付を配置し、それぞれの作業期間を横棒で示す手法です。

各タスクの開始日や終了日を一覧で確認できるため、プロジェクト全体のスケジュールを把握しやすくなります。

予定と実際の進み具合を比べることで、遅れている工程や後続工程への影響も確認できます。

カンバン|タスクの進行状況を段階ごとに管理する

カンバンは、タスクを「未着手」「作業中」「完了」などに分け、進み具合に合わせて移動させながら管理する手法です。

各タスクがどの段階にあるのかを見える形で整理できるため、チーム全体の状況を確認しやすくなります。

同じ段階にタスクが集中していれば、作業が滞っている箇所を見つける手がかりにもなります。

バーンダウンチャート|残作業量の推移を確認する

バーンダウンチャートは、縦軸に残っている作業量、横軸に日数を取り、残作業量の変化を線で示す手法です。

予定していた作業量の減り方と実績を比べることで、計画どおりに進んでいるかを確認できます。

作業が予定より多く残っている場合は、期限までに完了できるペースかを早めに確認できます。

プロジェクトの進捗管理手法を比較

進捗管理の手法は、それぞれ確認しやすい対象や使い方が異なります。

ここでは、管理できる対象、向いているプロジェクト、メリットと注意点の3つの視点から各手法の違いを解説します。

管理できる対象の違い

WBSは必要な作業を細かく分け、タスクの抜けや担当範囲を確認するために使います。

ガントチャートは各タスクの日程や前後関係、カンバンは「未着手」「作業中」「完了」といった現在の状態を管理するのが特徴です。

バーンダウンチャートは残作業量の変化を記録し、期限に向けて予定どおり作業が進んでいるかを確認します。

向いているプロジェクトの違い

WBSは、必要な作業を事前に洗い出し、担当者や期限を決めて進めるプロジェクトに向いています。

ガントチャートは工程の順番や日程が決まっている場合、カンバンは複数のタスクが並行して進む場合に適しています。

バーンダウンチャートは、期限と作業量を決め、残っている作業を減らしながら進めるプロジェクトで活用しやすい手法です。

各手法のメリットと注意点

WBSは作業の抜けを確認しやすい一方、細かく分けすぎると管理の負担が増えます。

ガントチャートは工程の日程や前後関係を把握しやすいものの、予定が変わるたびに修正が必要です。

カンバンやバーンダウンチャートも進捗を把握しやすい手法ですが、実際の状況に合わせてこまめに更新しないと、表示と実際の進み具合にずれが生じるため注意しましょう。

プロジェクトに合った進捗管理手法の選び方

進捗管理手法を選ぶときは、管理したい情報やプロジェクトの条件を確認する必要があります。

ここでは、管理対象、プロジェクトの規模やタスク数、計画変更の頻度や進め方という3つの基準から選び方を解説します。

管理したい対象に合わせて選ぶ

進捗管理手法は、プロジェクトで何を確認したいのかに合わせて選びます。

作業の抜けを確認したい場合はWBS、工程の日程を把握したい場合はガントチャートが適しています。

タスクの現在の状態を確認するならカンバン、残作業量の変化を追いたい場合はバーンダウンチャートが使いやすいでしょう。

プロジェクトの規模やタスク数で選ぶ

人数やタスクが少ないプロジェクトでは、作業の状態を手軽に確認できるカンバンが使いやすいでしょう。

一方、人数やタスクが増え、担当者や作業の前後関係まで整理したい場合は、WBSやガントチャートが適しています。

プロジェクトの規模に合わせて、誰が何をいつまでに行うのかを無理なく確認できる手法を選ぶことが大切です。

計画変更の頻度やプロジェクトの進め方で選ぶ

工程や日程を決めて計画に沿って進める場合は、予定と実績を比較できるガントチャートが適しています。

一方、作業の追加や優先順位の変更が多い場合は、タスクを柔軟に移動できるカンバンが使いやすいでしょう。

一定期間の作業量を決めて進める場合は、バーンダウンチャートを使うと残作業量の変化を確認できます。

目的別に見る進捗管理手法の選び方

進捗管理手法は、何を確認したいのかによって使い分ける必要があります。

ここでは、管理する目的ごとにWBS、ガントチャート、カンバン、バーンダウンチャートの選び方を解説します。

タスクを細かく整理したい場合

プロジェクトに必要な作業を細かく整理したい場合は、WBSを使います。

大きな作業を階層ごとに分け、実行できるタスク単位まで細分化することで、必要な作業を整理できます。

各タスクに担当者や期限を設定すれば、作業の抜けや担当範囲の重複も確認しやすくなります。

期限や工程の遅れを把握したい場合

期限や工程の遅れを把握したい場合は、ガントチャートが適しています。

タスクごとに開始日と終了日を設定し、日付に沿って作業期間を表示することで、予定と実際の進み具合を比較できます。

予定より遅れているタスクがあれば、どの工程に遅れが出ているのかを確認できます。

作業状況をリアルタイムで把握したい場合

タスクの作業状況を随時確認したい場合は、カンバンが使いやすいでしょう。

「未着手」「作業中」「完了」などの段階にタスクを分け、進み具合に合わせて移動することで、現在の状況を見える形で整理できます。

チーム内で更新を続ければ、作業中のタスクや完了したタスクをすぐに確認できます。

残作業量の変化を追いたい場合

期限までの残作業量を確認したい場合は、バーンダウンチャートを使います。

日ごとの残作業量を記録し、予定していた作業量の減り方と実績を比較することで、計画どおりに進んでいるかを確認できます。

作業の減り方が遅い場合は、期限までに完了できるペースかを早めに見直せます。

進捗管理手法は目的に応じて組み合わせる

進捗管理では、一つの手法だけを使うのではなく、確認したい内容に応じて複数の手法を組み合わせる方法もあります。

管理項目や更新作業を増やしすぎると運用の負担になるため、必要な情報に絞って組み合わせることが大切です。

WBSとガントチャートを組み合わせる

WBSとガントチャートを組み合わせる場合は、まずWBSで必要な作業をタスク単位まで分解します。

次に、それぞれのタスクをガントチャートに配置し、開始日や終了日を設定します。

作業の抜けを確認しながら、各タスクをいつ実施するのかまで整理できるのがメリットです。

ガントチャートとカンバンを組み合わせる

ガントチャートで工程の日程を管理し、カンバンで個別タスクの進み具合を確認する方法もあります。

作業の開始や完了に合わせてカンバンを更新することで、各タスクが現在どの段階にあるのかを把握できます。

ガントチャートの日程と照らし合わせれば、予定に対して作業がどこまで進んでいるのかも確認しやすくなります。

管理項目を増やしすぎない

複数の手法を組み合わせる場合は、同じ情報をいくつもの管理表に入力しないようにしましょう。

担当者や期限、作業状況など、必要な項目をどの手法で管理するのか決めておくことが大切です。

更新する項目を増やしすぎないことで、管理の負担や実際の進捗とのずれを防ぎやすくなります。

進捗管理を機能させるためのポイント

進捗管理は、管理表やツールを用意するだけでは十分に機能しません。

ここでは、進捗管理を実際のプロジェクト運営に活かすための3つのポイントを解説します。

担当者と期限を明確にする

各タスクには担当者と完了期限を設定し、誰がいつまでに対応するのかを明確にします。

担当者はできるだけ具体的に決め、期限も年月日まで設定しておくと、作業状況を確認しやすくなります。

担当者や期限が曖昧なタスクを残さないことで、作業の放置や対応の遅れを防ぎやすくなります。

進捗を確認するタイミングを決める

進捗を確認する日や頻度をあらかじめ決め、定期的に予定と実績を比較します。

確認するときは、各タスクの進み具合だけでなく、期限までに完了できるかも確認することが大切です。

確認するタイミングを決めておけば、遅れているタスクにも早めに気づき、必要な対応を取りやすくなります。

遅れが出たら計画やリソースを見直す

予定より遅れているタスクが見つかったら、遅れの日数や残っている作業量を確認します。

そのうえで、期限を調整する、担当者を増やす、作業の割り振りを変えるなど、状況に合った対応を検討します。

遅れを確認するだけで終わらせず、必要に応じて計画を見直すことで、後続タスクへの影響を抑えやすくなります。

まとめ

プロジェクトの進捗管理では、計画を立てるだけでなく、実際の進み具合を定期的に確認し、遅れや問題に早めに気づくことが大切です。

WBSやガントチャート、カンバンなどにはそれぞれ特徴があるため、管理したい内容やプロジェクトの進め方に合った手法を選びましょう。

また、管理方法を複雑にしすぎると、更新そのものが負担になってしまいます。

まずは担当者や期限を明確にし、無理なく続けられる方法で進捗を確認することから始めてみてください。遅れが見つかったときは早めに計画を見直し、プロジェクト全体への影響をできるだけ小さくしていきましょう。

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