はじめに
「人材マネジメントを進めたいけれど、どのフレームワークを使えばいいの?」
「人材育成や配置、評価など課題が多く、何から整理すればいいの?」と迷っていませんか。
人事制度の見直しや組織づくりを進めるとき、課題を書き出しても項目が増えるばかりで、どの視点から考えるべきか分からなくなることがあります。
この記事では、代表的なフレームワークの種類とそれぞれの目的、課題に応じた選び方を分かりやすく整理します。自社の人材課題に合う考え方を見つけられるよう、順を追って説明していきます。
人材マネジメントにおけるフレームワークとは?

人材マネジメントでは、採用や育成、評価、配置などの課題を整理するときにフレームワークが活用されます。
ここでは、フレームワークを活用する目的と、人材マネジメントの課題に応じた使い分けについて説明します。
フレームワークを活用する目的
フレームワークを活用する目的は、人材マネジメントの課題を整理し、改善すべき点を見つけやすくすることです。
採用や評価、育成、配置などの項目に分けて確認すると、どこに問題があるのかを把握しやすくなります。
整理した情報から原因を確認することで、必要な施策も検討しやすくなります。
人材マネジメントの課題に合わせて使い分ける
人材マネジメントのフレームワークは、解決したい課題に合わせて選ぶことが大切です。
組織全体の状態を確認する場合と、社員の能力やキャリアを整理する場合では、適したフレームワークが異なります。
まずは自社の課題を整理し、その内容に合ったフレームワークを選びましょう。
人材マネジメントに使える代表的なフレームワーク
人材マネジメントでは、人材や組織の課題を整理したり、社員の特性やキャリア志向を把握したりするために、目的に応じたフレームワークを活用できます。
ここでは、人材マネジメントで活用される代表的なフレームワークについて、それぞれの特徴と活用方法を説明します。
ロジックツリー|人材や組織の課題を分解する
ロジックツリーは、人材や組織の課題を大きな要素から細かく分けて整理するフレームワークです。
解決したい課題を設定し、その原因を段階的に分解していくことで、問題がどこにあるのかを整理できます。
原因を具体化できるため、優先して対応すべき項目も判断しやすくなります。
SWOT分析|組織と人材の強み・弱みを整理する
SWOT分析は、組織や人材を「強み・弱み・機会・脅威」の4つに分けて整理するフレームワークです。
自社の人材や組織だけでなく、市場や競争環境などの外部要因も含めて確認できます。
4つの視点から整理することで、活かしたい強みや改善すべき課題が見つけやすくなります。
7S|組織全体の要素から人材課題を分析する
7Sは、組織を「戦略・組織構造・システム・価値観・経営スタイル・人材・スキル」の7つの要素から分析するフレームワークです。
人材だけでなく、組織の仕組みや価値観などとの関係を見ることで、人材課題の原因を幅広く整理できます。
7つの要素を照らし合わせると、組織全体で見直すべき部分を見つけやすくなります。
コンピテンシーモデル|成果につながる行動特性を明確にする
コンピテンシーモデルは、成果を上げている社員に共通する行動特性を整理し、求める人物像を明確にする方法です。
成果につながる行動を職種や役職ごとに整理することで、どのような行動が求められるのかを具体化できます。
採用や育成、評価などの基準を整えたい場合にも活用できます。
キャリアアンカー|社員の価値観やキャリア志向を把握する
キャリアアンカーは、社員が仕事やキャリアで大切にしている価値観や能力、動機を整理する考え方です。
本人が何を重視しているのかを把握することで、配置や育成、キャリア支援を考える際の参考にできます。
社員の希望と会社で求める役割を照らし合わせたい場合にも役立ちます。
PM理論|目標達成と人間関係の両面からマネジメントを考える
PM理論は、リーダーの行動を「目標達成機能(P機能)」と「集団維持機能(M機能)」の2つから捉えるフレームワークです。
P機能では目標達成に向けた行動、M機能ではメンバーとの関係づくりやチームの維持に関する行動を確認します。
両方の視点から見ることで、マネジメントで改善したい部分を整理しやすくなります。
人材ポートフォリオ|必要な人材の配置や育成方針を整理する
人材ポートフォリオは、組織に必要な人材を能力や役割などで分類し、配置や育成の方針を整理する方法です。
現在の人材構成と必要な人材を比べることで、どのような人材が不足しているのかを把握できます。
その結果をもとに、採用・配置・育成のうち、優先すべき施策を考えやすくなります。
目的・課題別に人材マネジメントのフレームワークを選ぶ
人材マネジメントのフレームワークは、解決したい課題によって適したものが異なります。
ここでは、目的や課題ごとにどのようなフレームワークを選べばよいのかを整理します。
人材や組織の課題を明確にしたい場合
人材や組織の課題を明確にしたい場合は、原因を細かく分けて整理できるロジックツリーが役立ちます。
「離職率が高い」「採用数が不足している」などの課題を設定し、考えられる原因を段階的に分解していきます。
原因を具体化することで、どこに問題があり、何から対応すべきかを判断しやすくなります。
組織全体の状態を分析したい場合
組織全体の状態を分析したい場合は、7SやSWOT分析を活用します。
7Sでは戦略や組織構造、人材、スキルなどの関係を確認し、SWOT分析では強み・弱み・機会・脅威の4つに分けて整理します。
それぞれの視点から分析することで、組織が抱えている課題を幅広く把握できます。
人材の能力や評価基準を明確にしたい場合
人材の能力や評価基準を明確にしたい場合は、コンピテンシーモデルが役立ちます。
成果を上げている社員の行動をもとに、職種や役割ごとに求められる行動特性を整理します。
求める行動が明確になるため、採用や人事評価の基準にも活用しやすくなります。
社員の育成やキャリア支援に活用したい場合
社員の育成やキャリア支援には、本人の価値観やキャリア志向を整理できるキャリアアンカーが役立ちます。
仕事で大切にしたいことを確認し、現在の業務や今後のキャリアと照らし合わせて考えます。
本人の希望を踏まえることで、育成やキャリア支援の方向性を検討しやすくなります。
適切な人材配置を考えたい場合
適切な人材配置を考えたい場合は、人材ポートフォリオを活用します。
現在の人材を能力や役割などで分類し、各部署や業務で必要な人材と比べながら不足や偏りを確認します。
その結果をもとに、配置転換や育成、採用のうち、どの施策を優先するか考えやすくなります。
まとめ
人材マネジメントのフレームワークは、採用・育成・評価・配置などの課題を整理し、原因や必要な施策を具体的に考えるために活用できます。
ロジックツリーやSWOT分析、7S、コンピテンシーモデル、キャリアアンカー、PM理論、人材ポートフォリオなど、それぞれ整理できる対象や目的が異なります。
課題の原因を分解したいのか、組織全体を分析したいのか、能力や評価基準を明確にしたいのかなど、目的に合わせてフレームワークを選ぶことが重要です。
自社の課題を「組織」「人材」「評価」「育成」「配置」などに分け、必要な情報を整理できる方法から活用すると、具体的な人材マネジメントの施策につなげやすくなります。