はじめに
本章の位置づけ
本書は、グロービスが提供するリーダーシップ研修・育成プログラムの全体像を分かりやすく示します。第2章以降で詳述する項目の導入として、目的や対象、調査の範囲を整理します。
本調査の目的
本調査は、企業が次世代リーダーを効果的に育成するために、グロービスの研修がどのような価値を提供するかを明らかにすることを目的とします。研修の特徴、習得できるスキル、提供形式や実績を体系的にまとめました。
調査の対象と範囲
対象はグロービスが提供する代表的なリーダーシッププログラムです。カリキュラム構成、教材、演習、講師の役割、受講後の効果など、実務で役立つ観点を中心に評価しました。
読み方のポイント
各章は、企業の人事担当者や現場のリーダー、研修検討中の方が実務で判断できるように構成しています。具体例を交え、導入検討や比較に使いやすい情報を提供します。
グロービスの次世代リーダー育成研修とは
概要
グロービスの次世代リーダー育成研修は、企業の将来を担う人材を実務ベースで育てることを目的とした研修です。単なる理論学習にとどまらず、現場で使える意思決定やチーム運営のスキルを実践的に磨きます。
研修の狙い
早期にリーダーシップを発揮できる人材を増やすことです。経営の視点で考える力、課題を構造的に整理する力、メンバーを動かすコミュニケーション力を育成します。
対象者
若手管理職候補や中堅社員など、これからリーダー役割を担うことが期待される人が中心です。部門や業界を問わず参加できます。
特徴
- 実践重視：ケース演習やプロジェクトを通じて学びを即戦力化します。
- フィードバック：講師や参加者からの具体的な改善点が得られます。
- 構成の明快さ：戦略思考、意思決定、組織運営と段階的に学べます。
学習方法と評価
少人数のグループワークやロールプレイを中心に進めます。成果は実務での行動変化やプロジェクト成果で評価します。
期待される効果
意思決定の精度向上、チームの生産性向上、若手の自律的な行動増加などが期待できます。
受講後のフォロー
受講後も実務への落とし込み支援やコーチングが提供され、学びを定着させます。
主要プログラムの構成
概要
グロービスの研修は多層的で柔軟な構成です。オープンなスクールから企業内研修、オンライン教材、評価ツール、組織支援まで幅広く用意し、さまざまな学び方に対応します。
主なプログラム一覧
- グロービス・エグゼクティブ・スクール（GES）：経営層・次世代リーダー向けの集中講座
- 企業内研修：業務課題に合わせた集合研修やワークショップ
- eラーニング：自己学習を支える動画・演習コンテンツ
- アセスメント（GMAP）：能力や適性の客観診断
- 組織・事業開発支援：戦略設計や組織改革の伴走支援
階層別プログラムの特徴
若手向けは基礎力の習得、中堅向けは実務で使える応用力、管理職向けは組織運営と意思決定力を重視します。事例演習やロールプレイで実践力を高めます。
受講の流れ（例）
- 現状診断（GMAP等） 2. 研修設計 3. 受講（集合／オンライン） 4. 実務での適用とフォロー
特長
プログラムを組み合わせてカスタマイズでき、実務直結の演習を通じて学びを早く現場に定着させます。
リーダーシップ研修の特徴と強み
概要
グロービスのリーダーシップ研修は、リーダーに求められる行動を具体的に分解して設計します。抽象的な概念だけでなく、現場で使えるスキルに落とし込み、受講後に実務で再現しやすくしています。
行動ベースの人材要件定義
リーダー像を「コミュニケーション」「意思決定」「課題解決」「組織育成」などの具体行動に分けます。例えば意思決定は情報収集→仮説構築→利害調整という行動指標に分解し、演習やチェックリストで習熟度を測ります。
内省力と自己認識力の強化
自己認識を高めるワークを重視します。ジャーナリングや振り返りシート、360度フィードバックを用いて自分の行動パターンを可視化します。コーチングやペアワークで気づきを深め、日常業務での行動変容につなげます。
実務家講師による質の高い教育
講師は現場経験のある実務家が中心です。実際の事例や失敗談を共有し、抽象理論を現場に落とし込む支援をします。受講者は具体的なやり方を学び、すぐに試せる行動を持ち帰れます。
研修設計の工夫
モジュール化と事後フォローで定着を図ります。ケース演習・職場課題・フォローアップ面談を組み合わせ、学びを継続的な成長に結びつけます。
習得できるスキル
コミュニケーション力
対話と伝達の両方を磨きます。具体的には、論理的なプレゼン作成、相手に寄り添う傾聴、短時間で要点を伝えるスキルを演習で習得します。例：5分で事業提案をまとめる練習や1on1ロールプレイ。
戦略的思考力
全体を見て優先順位を決める力を養います。課題を分解し、仮説を立てて検証する流れを学びます。例：3つの仮説を用意し、データで比較するワーク。
横断的な経営知識
財務・マーケティング・組織といった基礎を実務に結びつけて学びます。損益の見方や顧客分析の簡単な手法を実例で扱います。
問題解決力
原因の深掘り、代替案の生成、実行計画の作成までを実践します。フレームを使って短時間で意思決定する訓練を行います。
リーダーシップ強化
チームの信頼をつくる行動や心理的安全の作り方、効果的なフィードバック方法（SBIなど）を学びます。例：フィードバックの実習と振り返り。
マネジメントスキル
目標設定、KPI設計、評価と育成の進め方を学び、日常のマネジメントで使えるテンプレートを作成します。週次の進捗管理や改善サイクルの実践を含みます。
習得方法とアウトプット
ケーススタディ、ロールプレイ、個別コーチングで実践的に身につけます。最終的に事業計画やアクションプラン、1on1の進め方など、すぐに使える成果物を持ち帰れます。
提供形式と柔軟性
概要
グロービスは企業の事情に合わせて研修の形を変えられます。カスタマイズ研修を基本に、オンラインと対面を組み合わせた実施が可能です。東京・大阪・名古屋の校舎や企業の会場を活用し、受講者や目的に応じた最適な運び方を提案します。
提供形式の種類
- オンライン（ライブ配信・録画学習）: 自宅や職場から参加でき、移動時間を減らせます。録画は復習に便利です。
- 対面（校舎・オンサイト）: 演習やグループワークがしやすく、対話が深まります。
- ハイブリッド: 少人数は対面、大人数はオンラインといった分割もできます。
柔軟な組合せと事例
短期集中ワークショップ、月1回の継続コース、評価付きの数カ月プログラムなど、企業の課題に合わせて設計します。例えば、管理職の意思決定力強化なら校舎でのケース演習を中心に、基礎知識はオンラインで事前学習にするなどの組合せが可能です。
実施校舎とオンサイトの活用
東京・大阪・名古屋の校舎は設備が整っており、演習やシミュレーションに適しています。希望があれば、企業の会議室や研修センターへ講師が出向く出張実施にも対応します。
スケジュールと規模の調整
受講人数、時間帯、開催頻度は柔軟に設定できます。短時間セッションから、複数日にわたる集中研修まで対応し、業務と両立しやすい日程を調整します。
フォローアップと定着支援
研修後の振り返りやコーチング、短期の課題設定など、学んだことを職場で定着させる仕組みを用意しています。成果の測定方法も相談のうえ決められます。
実績と信頼性
豊富な導入実績
管理職以上の次世代リーダー育成支援を多数の企業で実施してきました。業種や組織規模を問わず、昇進候補や部門長を対象にしたプログラム設計の実績があります。人材要件定義のノウハウを蓄積し、育成目的に合わせたカスタマイズを行います。
成果の見える化
受講後の行動変容や評価の変化を重視します。受講者アンケートや上長評価、人事データを用いて成果を確認します。例えばリーダーの意思決定やチームマネジメントの改善につながった事例が複数報告されています。
信頼される理由
講師は実務経験を持ち、現場で使える知見を伝えます。導入前の要件定義から実施後のフォローまで一貫支援します。柔軟な形態で各階層のニーズに対応できるため、現場に定着しやすい点が評価されています。
導入の進め方（例）
- ヒアリングと課題整理
- 人材要件の定義と設計
- プログラム実施（集合・オンライン対応）
- 効果測定と継続支援
これらにより、組織の中長期的なリーダー育成を支援します。
受講者の成長実例
はじめに
GES受講者には、メンバーの強みを理解して個々の力を引き出し、チームで成果を出せるようになったとの報告が多く寄せられています。以下に具体的な事例を紹介します。
事例1：中堅社員（課長候補）
状況：メンバーの配置が固定化し、チームの士気が下がっていました。
行動：1対1の面談で強みを確認し、役割を再設計しました。短期の成功体験を積める小さな目標を設定しました。
成果：メンバーの主体性が高まり、3か月でプロジェクトの納期遵守率が向上しました。
事例2：若手リーダー（プロジェクトリーダー）
状況：意思決定に時間がかかり、機会を逃していました。
行動：意思決定フレームを導入し、権限委譲のルールを明文化しました。週次の振り返りで学びを共有しました。
成果：意思決定スピードが改善し、半年で顧客対応のリードタイムを短縮しました。
事例3：営業マネージャー
状況：個人プレーが中心でチームの業績にばらつきがありました。
行動：強みを可視化するワークショップを開催し、ペアワークでナレッジ共有を促しました。
成果：チーム全体の達成率が安定し、平均受注金額が上昇しました。
事例4：人事担当（育成推進）
状況：研修の効果が職場で活かされないと感じていました。
行動：現場責任者との連携を強め、研修後のフォロー計画を導入しました。実地での課題解決を支援しました。
成果：研修から6か月で現場実践率が上がり、離職率の低下につながりました。
各事例に共通するのは、強みの可視化、現場での実践、短期の成功体験づくりです。こうした小さな変化が積み重なり、リーダーとしての成長に結びついています。