人事・組織開発スキル

管理監督者の労働条件通知書はどう書く?厚生労働省の様式と記載例を解説

はじめに

「管理監督者の労働条件通知書はどのように記載すればいいの?」
「管理監督者として採用・昇格させる場合、厚生労働省の様式に何を書けばいいのだろうか」と迷っていませんか。

人事担当者や経営者の方の中には、課長や部長などを管理監督者として扱う予定があるものの、労働条件通知書の書き方が分からず、残業代や労働時間の欄をどう記載すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、管理監督者の労働条件通知書に記載する内容や、厚生労働省の様式で確認すべきポイント、実際の記載例まで分かりやすく解説します。

管理監督者でも労働条件通知書の交付は必要

管理監督者は労働基準法の一部規定が適用除外になるため、「労働条件通知書は不要なのでは?」と考えられることがあります。

ここでは、管理監督者に対する労働条件通知書の必要性について、法律上の考え方と厚生労働省のモデル様式の扱いから見ていきます。

管理監督者は労基法のすべてが適用除外になるわけではない


管理監督者に該当していても、労働基準法のすべてが適用除外になるわけではありません。

適用が除外されるのは、主に労働時間や休憩、休日に関する規定です。採用時や労働条件を変更するときには、賃金や契約期間、就業場所、業務内容などを労働条件通知書で明示する必要があります。

そのため、管理監督者だからという理由で、労働条件通知書の交付が不要になることはありません。

厚生労働省のモデル様式でも通知書交付が前提になっている

厚生労働省が公表している労働条件通知書のモデル様式でも、管理監督者を除外する扱いにはなっていません。

契約期間や就業場所、業務内容、賃金などの労働条件を記載し、労働者へ交付することを前提とした内容になっています。

そのため、管理監督者として採用する場合でも、必要事項を記載した労働条件通知書を本人へ交付する必要があります。

管理監督者の労働条件通知書でよく問題になる項目

管理監督者の労働条件通知書を作成する際は、一般社員と同じ内容をそのまま記載できるとは限りません。

ここでは、労働条件通知書の中でも特に判断に迷いやすい項目について、それぞれの記載ポイントを確認していきます。

労働時間欄はどう記載する?

管理監督者の労働条件通知書でも、労働時間欄を空欄にする必要はありません。

会社で始業・終業時刻や所定労働時間を定めている場合は、その内容を記載したうえで、管理監督者として労働基準法第41条の適用を受ける旨を併記する方法が一般的です。

管理監督者であっても勤務時間の目安を設けている会社は多いため、実際の運用に合わせて記載することが大切です。

休日・休憩欄はどう書けばいい?

管理監督者であっても、労働条件通知書には休日や休憩の取扱いを記載するのが一般的です。

休日欄には「土曜日・日曜日・祝日」や「会社カレンダーによる」など、会社の制度に沿った内容を記載します。

休憩時間が定められている場合は、その内容を記載したうえで、管理監督者は労働基準法第41条の適用を受ける旨を併記すると分かりやすいでしょう。

実際の運用に合わせて記載することが大切です。

深夜労働の扱いはどうなる?

管理監督者は労働時間や休日に関する規定の適用除外となりますが、深夜労働の割増賃金は対象外にはなりません。

そのため、22時から翌5時までの勤務には、原則として深夜割増賃金を支払う必要があります。

労働条件通知書でも、賃金や割増賃金の取扱いが分かるように記載しておくと安心です。

管理監督者の労働条件通知書の書き方

管理監督者の労働条件通知書には、管理監督者であることが分かる内容と、実際の労働条件を整合性のある形で記載する必要があります。

ここでは、代表的な記載例や記載方法を見ていきます。

「労基法41条により適用除外」と記載する例

管理監督者であることを明確にしたい場合は、労働条件通知書の備考欄などに「労働基準法第41条第2号に定める管理監督者として取り扱い、労働時間・休憩・休日に関する規定の適用を受けない」と記載する方法があります。

適用除外となる根拠や範囲を明記しておくことで、会社と本人の双方が内容を確認しやすくなります。

就業規則を引用して記載する方法

労働条件通知書に細かな内容を記載しない場合は、「管理監督者の労働時間、休日その他の取扱いについては就業規則第○条による」と記載し、就業規則を引用する方法もあります。

管理監督者に関する規定が就業規則で定められていれば、該当する条文を示しておくことで、適用されるルールを確認しやすくなります。

実務でよく使われるシンプルな記載例

実務では、労働条件通知書の備考欄に「本職は労働基準法第41条第2号に定める管理監督者とする。

労働時間、休憩および休日に関する規定は適用除外とする」と、簡潔に記載するケースがよくあります。

必要事項を記載したうえで、管理監督者としての取扱いを分かりやすく示せるため、通知書全体をすっきりまとめやすい方法です。

労働時間を記載すると管理監督者性は否定される?

管理監督者の労働条件通知書に始業・終業時刻や所定労働時間を記載すると、「管理監督者として認められなくなるのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。

ここでは、労働時間の記載と管理監督者性の関係について確認していきます。

時間を記載しただけで直ちに否定されるわけではない

労働条件通知書に「9時00分~18時00分」のような所定労働時間を記載していても、それだけで管理監督者性が否定されるわけではありません。

管理監督者であっても、勤務時間の目安や会社の所定労働時間を定めている企業はあります。

大切なのは通知書の記載内容だけではなく、実際に勤務時間の裁量があるか、どのような権限を持って働いているかという点です。

実態とのズレがある場合は注意が必要

労働条件通知書で管理監督者として記載していても、実際には毎日決まった時間の出退勤を厳しく求められたり、遅刻や早退のたびに承認が必要だったりする場合は注意が必要です。

管理監督者に当たるかどうかは、書面の記載だけで決まるものではありません。

通知書の内容と実際の働き方に大きな違いがないか、日頃の運用も含めて確認しておくことが大切です。

厚生労働省のモデル通知書で確認しておきたいポイント

厚生労働省のモデル労働条件通知書は、法定の記載事項を確認するうえで参考になりますが、管理監督者として運用する場合は一般社員向けの記載内容をそのまま使用できるとは限りません。

ここでは、モデル様式を見る際の確認ポイントと、管理監督者で特に注意したい記載項目について解説します。

モデル様式のどこを確認すればいい?

厚生労働省のモデル様式を確認するときは、就業場所、業務内容、契約期間、賃金、労働時間、休日、休暇などの記載欄を見てみましょう。

管理監督者であっても、基本的な労働条件を明示する必要があります。

どの項目を記載する形式になっているのかを確認し、自社の通知書に不足している内容がないかをチェックしておくと安心です。

管理監督者で特に注意したい記載項目

管理監督者の場合は、労働時間、休日、休憩、賃金の記載内容を特に確認しておきましょう。

労働時間や休日の欄と、管理監督者としての取扱いに関する記載に矛盾がないかを見ることが大切です。

また、深夜労働の割増賃金や役職手当の扱いが、賃金欄で分かりやすく示されているかも確認しておくと安心です。

まとめ

管理監督者であっても、労働条件通知書の交付が不要になるわけではありません。

労働時間や休日に関する規定が適用除外となる場合でも、賃金や就業場所、業務内容などの基本的な労働条件は明示する必要があります。

また、管理監督者として記載していることだけで判断されるわけではなく、実際の働き方との整合性も重要です。

労働時間や休日、賃金の記載内容に矛盾がないか、深夜労働の割増賃金の扱いが明確になっているかを確認しておきましょう。

労働条件通知書を作成するときは、厚生労働省のモデル様式や就業規則を参考にしながら、自社の運用に合った内容になっているかを一つずつ確認することが大切です。

不明な点がある場合は、そのままにせず早めに確認しておくことで、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

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