目次
はじめに
「PMP申請のプロジェクトマネジメント経験はどう書けばいいの?」
「実際にはPMをしていたけれど、申請フォームに英語でどうまとめればよいのか分からない」と悩んでいませんか。
PMP受験の準備を進める中で、学習計画や受験日程は決まっていても、プロジェクト経験の記入段階になると急に不安になる方は少なくありません。
この記事では、PMP申請で求められるプロジェクトマネジメント経験の考え方や記入時のポイント、実際に使える例文を交えながら、書き方の流れを順を追って説明していきます。
PMP申請の「プロジェクトマネジメント経験」とは何を書く?

ここでは、PMP申請で記載する「プロジェクトマネジメント経験」が具体的に何を指すのかを整理します。
ここでは、PMIが求める経験の考え方と、審査で重視されるポイントについて順を追って確認していきましょう。
PMP申請で求められているのは“担当業務”ではない
PMP申請で求められているのは、プログラマーとして開発したことや、テスターとして試験を実施したことなど、担当作業そのものではありません。
申請では、そのプロジェクトの中でどのような判断や調整を行い、目標達成に向けてどのように関わったのかを記載します。
たとえば、「設計書を作成した」ではなく、「関係者と要件を整理した」「進捗状況を確認してスケジュールを見直した」「課題への対応方針を調整した」といった内容です。
成果物を作ったことを説明するよりも、計画や進捗管理、関係者との調整など、マネジメントの視点で自分の役割を伝えることが大切です。
プロジェクトマネジャーでなくても申請できる場合がある
PMP申請では、役職名がプロジェクトマネジャーである必要はありません。
システムエンジニアやリーダー、サブリーダーであっても、スケジュール作成や進捗確認、課題管理、関係者との調整など、プロジェクトマネジメントに関わる業務を担当していれば申請できる場合があります。
大切なのは肩書ではなく、プロジェクトの目標達成に向けてどのような管理や調整を行ったかです。
役職名だけで判断せず、自分が担当したマネジメント業務を整理して記載することがポイントです。
審査で見られるのは「管理経験」の部分
PMP申請の審査では、成果物を作成した経験よりも、プロジェクトをどのように管理したかが重視されます。
たとえば、「プログラムを開発した」「テストを実施した」という説明だけではなく、「進捗を確認して遅延対策を行った」「課題を管理して担当者を調整した」「関係者と要件変更の影響を確認した」といった管理業務を示すことが大切です。
PMPはプロジェクトマネジメントの知識と実務経験を証明する資格です。
そのため、申請書でも管理や調整、意思決定にどのように関わったのかを具体的に伝えるようにしましょう。
PMP申請の書き方でまず押さえるべきポイント

PMP申請では、経験が豊富であっても書き方によって伝わりやすさが大きく変わります。
ここでは、PMP申請書を作成する際に押さえておきたい基本的な書き方のポイントを確認していきましょう。
作業内容だけを書くと通りにくい
PMP申請で「設計を担当した」「テストを実施した」「資料を作成した」といった作業内容だけを記載すると、プロジェクトマネジメント経験として評価されにくいことがあります。
これらは担当業務の説明であり、プロジェクトをどのように管理したのかが伝わりにくいためです。
申請では、進捗確認や課題管理、関係者との調整、スケジュールの見直し、リスク対応など、自分が担当した管理業務を具体的に記載しましょう。
単に作業を行ったことではなく、プロジェクトの目標達成に向けてどのように関わったのかを伝えることが大切です。
「目的・役割・実施内容・成果」の流れで整理する
PMP申請の経験記述は、「目的・役割・実施内容・成果」の流れで整理すると伝わりやすくなります。
まず、プロジェクトの目的と自分の役割を示し、そのうえで進捗管理や課題管理、関係者との調整など、実際に行ったマネジメント業務を記載します。
最後に、予定どおりに完了したことや課題を解決できたことなどの成果をまとめると、プロジェクトマネジメント経験の流れが相手に伝わりやすくなります。
専門用語を書きすぎない方が伝わりやすい
PMP申請では、社内でしか通じない略語や専門用語を使いすぎると、経験内容が伝わりにくくなることがあります。
審査担当者に役割や業務内容が正確に伝わらないと、マネジメント経験を十分に理解してもらえない可能性があるためです。
そのため、専門用語を並べるよりも、「進捗を管理した」「関係者と要件を調整した」「課題対応を進めた」といった具体的な行動を、分かりやすい言葉で記載することを意識しましょう。
文字数を意識して簡潔にまとめる
PMP申請の経験記述は、限られた文字数の中で内容を伝える必要があるため、役割と管理業務を中心に簡潔にまとめることが大切です。
同じ内容を繰り返したり、背景を詳しく書きすぎたりすると、伝えたいマネジメント経験が分かりにくくなってしまいます。
プロジェクトの目的、自身の役割、実施した管理業務、成果を短く整理すると、審査担当者にも内容が伝わりやすくなります。
PMP申請のプロジェクトマネジメント経験の書き方例

ここからは、実際にPMP申請でどのようにプロジェクトマネジメント経験を記載するのか、具体的な例を見ながら確認していきます。
実際の文章構成を参考にしながら、伝わりやすい書き方のイメージをつかんでいきましょう。
システム開発プロジェクトの記入例
システム開発プロジェクトの記入例としては
「営業管理システム刷新プロジェクトで、プロジェクトリーダーとして参画した。開発メンバー10名の進捗管理、週次会議の運営、課題管理、顧客との要件調整を担当した。設計工程で仕様変更が発生した際は、影響範囲を整理してスケジュールを見直し、関係者と対応方針を決定した。結果として、計画どおりにシステムをリリースした」
のように、管理業務と成果が分かる形で記載します。
インフラ導入プロジェクトの記入例
インフラ導入プロジェクトの記入例としては
「社内サーバー更新プロジェクトで、プロジェクトリーダーとして参画した。ベンダー3社との調整、作業スケジュール管理、課題管理、進捗報告を担当した。機器納入の遅延が発生した際は、影響範囲を確認して導入手順と作業日程を見直し、関係部署と調整を行った。結果として、計画どおりに新環境への移行を完了した」
のように、管理業務と成果が分かる形で記載します。
運用改善プロジェクトの記入例
運用改善プロジェクトの記入例としては
「問い合わせ対応業務の効率化プロジェクトで、プロジェクトリーダーとして参画した。現行業務の課題を整理し、関係部署との調整、進捗管理、改善施策の実施計画作成を担当した。運用手順の見直しでは影響範囲を確認し、担当者ごとの対応内容を調整した。進捗と課題を管理しながら施策を進め、計画どおりに新しい運用手順への移行を完了した」
のように、管理業務と成果を中心に記載します。
英語で書くときの表現例
英語で記載する場合は、実施したマネジメント業務を動詞で明確に表現すると伝わりやすくなります。
たとえば
■進捗管理は「Managed project schedule」
■課題管理は「Tracked and resolved project issues」
■関係者調整は「Coordinated with stakeholders」
■リスク対応は「Identified and managed project risks」
といった表現があります。
一方で、「Developed system」や「Performed testing」のように作業内容だけを書くと、マネジメント経験が伝わりにくいことがあります。
管理や調整の行動を表す表現を意識すると、経験内容を分かりやすく伝えやすくなります。
PMP申請でよくあるNGな書き方

PMP申請では、実際には十分な経験があっても、記載内容によってはプロジェクトマネジメント経験として適切に伝わらないことがあります。
ここでは、PMP申請でよく見られる代表的なNG例を取り上げながら、避けたい書き方のポイントを確認していきましょう。
単なる作業説明になっている
「設計書を作成した」「プログラムを開発した」「テストを実施した」といった内容だけを記載すると、単なる作業説明になりやすくなります。
これだけでは、プロジェクトの中でどのような管理業務を担当したのかが伝わりません。
PMP申請では、進捗確認や課題管理、スケジュール調整、関係者との合意形成など、自身が行ったマネジメント業務を示すことが大切です。
作業内容だけで終わらせず、プロジェクトをどのように管理したのかもあわせて記載するようにしましょう。
技術説明ばかりで管理内容が見えない
使用したプログラミング言語やサーバー構成、設計手法などの技術説明を中心に記載すると、どのようなプロジェクトマネジメントを行ったのかが分かりにくくなります。
PMP申請で重視されるのは技術力そのものではなく、プロジェクトを進めるためにどのような管理業務を担当したかです。
そのため、技術的な成果や作業内容を詳しく書くよりも、進捗管理や課題対応、関係者との調整、リスク対応など、自分が担当した管理内容を分かりやすく記載することを意識しましょう。
成果や目的が書かれていない
プロジェクトの目的や成果が記載されていないと、どのような目標に向けてマネジメントを行ったのかが伝わりにくくなります。
管理業務の内容だけを書いても、その結果として何を達成したのかが分からないと、プロジェクト全体の流れをイメージしにくいためです。
そのため、システム導入や業務改善などの目的を示したうえで、納期内の完了や計画どおりの移行など、成果まであわせて記載することを意識しましょう。
管理業務とプロジェクトの結果がつながることで、経験内容がより伝わりやすくなります。
文章を長く書きすぎている
PMP申請では、詳細な経緯や背景を長く書きすぎると、伝えたい管理業務が分かりにくくなることがあります。
文章量が増えるほど、どの役割を担当し、どのような管理を行ったのかが伝わりにくくなるためです。
そのため、プロジェクトの目的、自身の役割、実施した管理業務、成果を中心に整理し、簡潔にまとめることを意識しましょう。
内容を短く整理することで、プロジェクトマネジメント経験が相手に伝わりやすくなります。
PMP申請前に知っておきたい最新仕様と注意点

PMP申請のルールや入力項目は、制度の見直しに合わせて変更されることがあります。
ここでは、申請前に確認しておきたい最新の仕様変更と、見落としやすい注意点について整理していきます。
現在は時間入力が不要になっている
現在のPMP申請では、以前求められていたプロジェクトごとの作業時間の入力は不要になっています。
そのため、「何時間従事したか」を計算して記載する必要はなく、プロジェクトの期間や自身の役割、実施したプロジェクトマネジメント業務を中心に入力します。
時間集計の負担は減りましたが、どのような管理経験を積み、プロジェクトにどのように関わったのかを分かりやすく伝えることが大切です。
申請フォーム変更後の注意点
申請フォームの変更後は、プロジェクトマネジメント経験を簡潔かつ具体的に記載することがより大切になっています。
時間数ではなく経験内容が重視されるため、担当作業の説明だけでなく、進捗管理や課題管理、関係者との調整、リスク対応など、自身が担当した管理業務を分かりやすく記載しましょう。
また、入力項目や記載方法が変更されることもあるため、申請前には最新のフォーム内容を確認しておくと安心です。
監査になった場合はどうなる?
PMP申請が監査対象になった場合は、申請内容が事実であることを確認するため、書類の提出を求められます。
プロジェクト経験や受験資格要件を確認するために、過去の上司や責任者による確認が必要になる場合もあります。
監査対象になったからといって、不合格になるわけではありません。
ただし、申請内容と実際の経験に違いがあると承認されない可能性があるため、申請時には実際に担当したプロジェクトマネジメント業務を正確に記載しておきましょう。
監査と聞くと不安に感じる方も多いですよね。必要書類や流れを事前に確認しておきたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください
▶PMP監査とは?対象になる確率や必要書類・流れをわかりやすく解説
コピペすると問題になる?
インターネット上の例文や他人の申請内容を、そのままコピーして使用することは避けた方がよいでしょう。
実際に担当していない管理業務を記載すると、申請内容と実務経験に違いが生じる可能性があります。
また、監査対象になった場合に、内容を十分に説明できなくなることも考えられます。
例文は構成や表現の参考として活用し、自身が担当した進捗管理や課題管理、関係者との調整などの内容に置き換えて記載することを意識しましょう。
PMP申請を通りやすくするコツ

PMP申請では、特別な文章テクニックよりも、自分の経験を分かりやすく正確に伝えることが重要です。
ここでは、申請内容の信頼性を保ちながら、審査担当者に伝わりやすい申請書を作成するためのポイントを確認していきましょう。
PMBOKの考え方を意識して整理する
PMP申請では、実際の経験をPMBOKの考え方に沿って整理すると、プロジェクトマネジメント経験として伝わりやすくなります。
たとえば、計画作成や進捗管理、課題対応、リスク管理、関係者との調整など、自身が行った管理業務をプロジェクトの流れに沿って記載しましょう。
単なる担当作業を並べるのではなく、目標達成に向けてどのような管理行動を行ったのかを示すことで、プロジェクトへの関わり方が相手に伝わりやすくなります。
「PMBOKに沿って整理する」と言われても、どのような考え方なのか分かりにくい場合があります。知識エリアや全体像を確認したい方は、こちらも参考になります。
▶PMBOKとは?プロジェクトマネジメントの意味・違い・全体像を初心者向けにわかりやすく解説
第三者が読んでも伝わる文章にする
PMP申請の内容は、プロジェクトの事情を知らない第三者が読んでも理解できる文章にすることが大切です。
社内でしか使われない略語や組織名、専門用語を多用すると、担当した役割や管理業務が伝わりにくくなってしまいます。
進捗管理や課題対応、関係者との調整など、自身が行った行動を具体的な言葉で記載すると、どのようなプロジェクトマネジメントを行ったのかが伝わりやすくなります。
実際の役割を誇張しない
PMP申請では、実際に担当していない業務を記載したり、自分の役割を大きく見せたりしないことが大切です。
申請内容と実務経験に違いがあると、監査対象になった際に内容を十分に説明できなくなる可能性があります。
プロジェクトマネジャーではなかった場合でも、進捗管理や課題管理、関係者との調整など、実際に担当した管理業務を正確に記載すれば問題ありません。
経験を誇張するのではなく、自分が行ったことを具体的に伝えることを意識しましょう。
提出前に見直したいポイント
提出前には、プロジェクトの目的、担当した役割、実施した管理業務、成果が明確に記載されているかを確認しましょう。
担当作業だけの説明になっていないか、社内用語や略語が多くなっていないか、実際の経験と異なる内容が含まれていないかも見直しておきたいポイントです。
また、進捗管理や課題管理、関係者との調整などの管理経験が伝わる内容になっているかを確認すると、自分のプロジェクトマネジメント経験をより分かりやすく伝えやすくなります。
まとめ
PMP申請で大切なのは、どんな作業を担当したのかではなく、プロジェクトの目標達成に向けてどのような管理業務を行ったのかを伝えることです。
プロジェクトマネジャーという肩書がなくても、進捗管理や課題管理、関係者との調整などに関わっていれば、申請できる可能性があります。
申請書を作成するときは、難しく考えすぎる必要はありません。
プロジェクトの目的、自分の役割、実施した管理業務、成果を整理し、自分が実際に経験したことを分かりやすい言葉で記載することを意識してみてください。
まずは、「自分はプロジェクトの中で何を管理し、どのような成果につなげたのか」を振り返ることから始めてみましょう。
経験を丁寧に整理することで、あなた自身のプロジェクトマネジメント経験が伝わる申請書を作成しやすくなります。