目次
はじめに
「ポートミラーリングを設定すると通信は遅くなるの?」
「ネットワーク全体のパフォーマンスに影響が出ることはあるの?」と気になっていませんか。
ネットワーク監視やWiresharkでパケットを取得するためにポートミラーリングを使おうとしても、本番環境で設定して問題ないのか判断できず、導入をためらってしまうこともありますよね。
この記事では、ポートミラーリングがパフォーマンスへ与える影響をはじめ、遅くなるケースや原因、運用時に気を付けたいポイントまで、順を追って説明していきます。
ポートミラーリングはパフォーマンスに影響する?

ポートミラーリングを設定すると、「通信が遅くなるのではないか」「ネットワーク機器の負荷が増えるのではないか」と心配になる方もいるでしょう。
ここでは、ポートミラーリングが性能に与える影響の結論と、影響が少ない理由を順番に説明します。
通常ほとんど影響しない
結論からいうと、ポートミラーリングを有効にしただけで、通信速度が大幅に低下したり、ネットワーク全体のパフォーマンスが悪化したりすることは、通常ほとんどありません。
ポートミラーリングは、対象ポートを通過するパケットを複製して監視用ポートへ転送する機能であり、通常の通信経路を変更するものではないためです。
そのため、スイッチに十分な処理性能と空き帯域があれば、通常の運用で影響を気にする場面はほとんどないでしょう。
なぜ影響が少ないのか
ポートミラーリングの影響が少ないのは、多くのスイッチがパケットの複製処理をハードウェアで行い、通常の通信処理と並行して処理できるためです。
監視用にパケットを複製しても、元の通信は通常どおり転送されるため、通信経路そのものが遅くなるわけではありません。
そのため、スイッチの処理能力やポート帯域に十分な余裕がある環境であれば、パフォーマンスへの影響はほとんどありません。
ポートミラーリングで影響が出るケース
通常は大きな影響が出にくいポートミラーリングですが、設定内容や通信量によってはパフォーマンスやパケット取得に影響が生じることがあります。
ここでは、ポートミラーリングで影響が出る代表的なケースを順番に見ていきます。
複数ポートをミラーリングする場合
複数のポートを同時にミラーリングすると、監視用ポートへ送られるパケット量が増えるため、影響が出やすくなります。
複数の通信を1つのミラーポートへ集約すると、監視用ポートの帯域を超えた分は転送できず、パケットが欠落することがあります。
そのため、複数ポートをミラーリングする場合は、監視対象の通信量と監視用ポートの帯域を考慮して設定することが大切です。
ミラー先ポートの帯域が不足する場合
ミラー先ポートの帯域が不足すると、複製したパケットをすべて転送できず、一部が欠落することがあります。
例えば、監視対象の通信量の合計がミラー先ポートの通信速度を上回ると、帯域を超えた分は転送されません。
安定して監視を行うためにも、ミラー先ポートは通信量に見合った帯域で設定することが大切です。
高トラフィック環境の場合
高トラフィック環境では、スイッチが大量のパケットを処理しながら複製も行うため、監視用ポートへ送られるデータ量が増えます。
通信量が多い状態では、監視用ポートや監視機器の処理が追いつかず、パケットが欠落することがあります。
そのため、高トラフィック環境でポートミラーリングを利用する場合は、監視対象の通信量と監視機器の処理性能を考慮して運用しましょう。
ポートミラーリング利用時の注意点
ポートミラーリングを安定して運用するには、設定するだけでなく、監視環境や通信量も考慮することが重要です。
ここでは、ポートミラーリング利用時に押さえておきたい注意点を説明します。
パケットロスが発生することがある
ポートミラーリングでは、監視用ポートの帯域や監視機器の処理能力を超える通信量が発生すると、複製したパケットの一部が欠落することがあります。
パケットが欠落すると、実際の通信内容を正確に分析できない場合もあります。
そのため、キャプチャ結果を確認する際は、パケットロスが発生している可能性も考慮しながら分析することが大切です。
事前に帯域を確認しておく
ポートミラーリングを設定する前に、監視対象の通信量とミラー先ポートの通信速度を確認しておきましょう。
監視対象の通信量がミラー先ポートの帯域を超えると、複製したパケットをすべて転送できず、パケットロスが発生する可能性があります。
安定して監視を行うためにも、通信量に見合った帯域を確保した構成で運用することが大切です。
結局ポートミラーリングのパフォーマンスは気にするべき?
ポートミラーリングによるパフォーマンスへの影響は、通常の通信量であれば過度に心配する必要はありません。
現在の企業向けL2・L3スイッチの多くは、パケットの複製をハードウェアで処理できるため、1Gbps程度の通信を監視しただけで、通信速度が目に見えて低下するケースはほとんどありません。
ただし、監視対象の通信量がミラー先ポートの帯域を超える場合や、複数の高速ポートを1つのミラーポートへ集約する場合は、パケットが欠落する可能性があります。
そのため、ポートミラーリングを利用するときは「通信が遅くなるか」を心配するよりも、監視対象の通信量とミラー先ポートの帯域が適切かどうかを確認し、スイッチの仕様に合わせて運用することが大切です。
まとめ
ポートミラーリングは、通常の環境であれば通信速度への影響を過度に心配する必要はありません。
とはいえ、監視対象の通信量が多すぎたり、ミラー先ポートの帯域が不足していたりすると、パケットロスが発生し、必要な通信を十分に取得できないことがあります。
そのため、大切なのは「通信が遅くなるか」だけを気にするのではなく、監視対象の通信量やスイッチの仕様、ミラー先ポートの帯域を確認したうえで、適切な構成で運用することです。
こうしたポイントを押さえておけば、ポートミラーリングをより安心して活用できるでしょう。