目次
はじめに
ブログの記事をどう書けばいいかわからない、という疑問はありませんか? 本記事は、プロジェクトマネジメントで使われるEVM(アーンド・バリュー・マネジメント)を初めて学ぶ方や、実務で活用したい方向けにわかりやすく解説します。
EVMは「仕事の進み具合」と「使ったお金」を同時に見る手法です。たとえば家を建てるとき、工事の何割が終わっているか(進捗)と、予算と実際の支出を比較して問題を早めに見つけられます。本記事では、こうした基本の考え方を具体例を交えて説明します。
この章で学べること
- EVMが何を解決するのかの概要
- 誰に役立つのか(プロジェクトマネージャー、発注者、チーム)
- この記事全体で扱う内容の見取り図(EVMの基本、管理対象、理由、利点、試験対策)
読むことで、EVMの全体像がつかめ、次の章で詳しい手法や実践へのステップへスムーズに進めるはずです。
EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)とは何か
概要
EVMは、プロジェクトの進み具合と費用を数値で把握する手法です。スコープ(やること)、スケジュール(いつまでに)、コスト(いくら)を一緒に見て、現在の達成度や今後の見通しを客観的に評価できます。
基本の考え方
「計画した価値」と「実際に達成した価値」を比べ、実際にかかった費用と照らし合わせます。たとえば、10項目の作業で5項目が終わっていれば進捗は50%です。その進捗に対応する予算を元に評価します。
主な指標(わかりやすく)
- 計画価値(PV):その時点までに計上すべき予算です。例:50%なら予算の半分。
- 出来高(EV):実際に達成した作業に相当する価値です。例:進捗40%なら予算の40%。
- 実コスト(AC):実際に支出した金額です。
- CPI(コスト効率)= EV/AC:1より大きければ効率良好、未満ならコスト超過です。
- SPI(進捗効率)= EV/PV:1より大きければ進捗良好、未満なら遅れです。
使い方(簡単な流れ)
- 作業を細かく分けて予算と予定を割り当てる
- 定期的に進捗を測りEVを算出する
- CPIやSPIを見て問題を早期発見する
- 必要なら対策(人員調整や範囲見直し)を行う
短い具体例
予算100万円で予定進捗50%の時点、PV=50万円。実際は進捗40%でEV=40万円、実コストが60万円ならCPI=0.67、SPI=0.8となり、費用超過と遅れが分かります。
メリット
客観的で早期に課題を把握できます。単に「何%終わった」ではなく、コストとの関係で判断できる点が強みです。
EVMで管理・測定する対象となる要素
概要
EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)で管理・測定する主な対象は「コスト」と「スケジュール」です。プロジェクトの作業がどれだけ進んだかと、そのために使った費用を数値で比べることで、予定通り進んでいるか、余分にお金を使っていないかを評価します。
コスト(費用)
- 予定額(予算): 最初に見積もった費用です。例えば、ある機能を作るのに100万円と見積もった状況を指します。
- 実際コスト: 現時点で実際に使ったお金です。設計や作業で支払った金額を合計します。
- 価値としてのコスト: どれだけの成果(作業量)に対して費用が発生したかを見ます。単に支出額だけでなく、得られた成果と照らし合わせます。
スケジュール(進捗)
- 予定の進み具合: 計画でその時点までに終わるはずの作業量です。
- 実際の進み具合: 実際に完了した作業量を数値化します。例として、機能のテストが何%完了したかで評価します。
指標の使い方(簡単に)
- コスト効率(CPIに相当): 使った費用に対して、どれだけの作業価値を得たかを示します。値が1より小さいと費用超過の可能性があります。
- 進捗効率(SPIに相当): 計画に対して進んでいる割合を示します。1より小さいと遅れの恐れがあります。
管理対象に含まれないもの
- リスクや品質は重要ですが、EVMの直接の測定対象ではありません。これらは別途管理・評価します。
以上のように、EVMは「どれだけ進み」「どれだけ使ったか」を数で示し、早期に問題を見つける道具として役立ちます。
なぜ「コスト」と「スケジュール」を管理するのか
なぜ両方を見る必要があるのか
プロジェクトは時間とお金の両方で進みます。片方だけ見ると問題を見落とします。たとえば作業が遅れても予算が残っていれば追加の人員で挽回できます。逆に予定通り進んでいてもコストが膨らんでいれば最終的に赤字になります。EVMはこの両面を同時に評価します。
SPI と CPI で分かること(やさしい説明)
・SPI(スケジュール指標):計画に対してどれだけ進んでいるかを示します。値が1未満なら予定より遅れ、1以上なら進んでいると判断します。
・CPI(コスト指標):投入したお金に対する実績を示します。値が1未満ならコスト超過、1以上なら効率よく使えていることを示します。
例:計画100のところ進捗は80(SPI=0.8)、費用は90かかった(CPI≈0.89)。進捗遅れとコスト超過の両方が起きていると分かります。
早期発見と意思決定に役立つ理由
進捗と費用を同時に把握すると将来の見通しを立てやすくなります。予測に基づき作業の優先順位変更、人員再配置、範囲の見直し、外注の検討など具体的な修正策を早めに実行できます。結果として小さな手当てで済み、影響を最小化できます。
ステークホルダーとの信頼構築
定量的な指標を示せば説明が明確になります。投資側や経営層へ現状と対策を示しやすく、信頼を保ちながら改善に取り組めます。
EVMのその他の特徴と利点
概要
EVMはスコープ(何をするか)の管理を理論的土台に持ちますが、実際の測定はコストとスケジュールを直接対象にします。とはいえ、EVMを使うことでリスク管理や品質管理に役立つ情報も得られます。ただし、それ自体がEVMの測定範囲には入りません。
主な特徴
- 統合的指標:PV(計画価値)、EV(出来高)、AC(実績費用)などで現状を数値化します。
- 予測力:CPIやSPIからEAC(完了時予測)や残作業見積りが出せます。
- ベースライン管理:計画と実績の差を明確にし、変更管理を支援します。
- トレンド把握:定期的な計測で問題の早期発見が可能です。
- 客観性:主観的な印象ではなく数値で判断できます。
利点と活用例
- 早期警報:例えば家のリフォームで予算消化が早すぎれば工事中に手を打てます。
- 意思決定支援:追加の人員投入や仕様変更の判断材料になります。
- コミュニケーション:関係者に進捗と課題を分かりやすく伝えられます。
注意点
データ投入と更新頻度が肝心です。数値の解釈はプロジェクトの文脈を踏まえて行ってください。
試験対策・よくある問題例
試験でよく問われること
国家試験や資格試験では「EVMの管理対象の組みはどれか」といった肢別問題が頻出します。正答は常に「コスト」と「スケジュール」です。短く覚えておくと実戦で迷いません。
正答のポイント
EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)は、作業の出来高を金額や時間に換算して比較する手法です。出来高を基にコスト差異(CV)やスケジュール差異(SV)を算出します。したがって、直接管理する対象はコストとスケジュールになります。
よくある誤答とその理由
- 「コスト,リスク」:リスク管理は重要ですがEVMの直接の測定対象ではありません。
- 「スケジュール,品質」:品質は別の管理領域で、EVMは品質指標を直接扱いません。
選択肢に似た語が並んでいても、EVMの本質を思い出して選んでください。
対策と練習問題例
練習問題:EVMが直接管理・測定する組み合わせはどれか。A: コスト・スケジュール B: コスト・リスク C: スケジュール・品質
解答:A。理由:出来高を金額や時間で評価し、コスト差異とスケジュール差異を算出するため。
学習方法:用語の定義を短い文でまとめ、例題で「何を測るか」を必ず確認すると効果的です。
まとめ
要点の整理
EVMは「コスト」と「スケジュール」を中心に、実績(Earned Value)と計画や支出を比べて進捗を評価する手法です。リスクや品質は重要ですが、EVMの直接的な測定対象ではありません。国家試験や実務ではこの区別がよく問われます。
実務での使い方ポイント
- 定期的にPV(計画値)、EV(出来高)、AC(実支出)を算出します。
- CPIやSPIで効率や進捗を判断し、異常が出たら早めに対策を取ります。
- リスク管理や品質管理と連携して、原因分析や改善策を実行します。
試験対策のコツ
- 「EVMはコストとスケジュールのパフォーマンス測定」と短く覚えます。
- 基本式(SV=EV−PV、CV=EV−AC、CPI=EV/AC、SPI=EV/PV)を押さえます。
- 例題で読み替え練習を重ね、正しい解釈を身につけます。
EVMはプロジェクトの早期警告ツールとして有効です。仕組みを理解し、他の管理プロセスと組み合わせて使うことで、より確実にプロジェクトをコントロールできます。