プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントの予備費(マネジメント予備)とは?コンティンジェンシー予備との違い

はじめに

「プロジェクトマネジメントの予備費とは、どの費用を指すのだろう」
「マネジメント予備とコンティンジェンシー予備は、どう使い分ければいいのだろう」と迷っていませんか。

プロジェクトの予算を作る場面で、リスク対応費をどこまで見込むべきか、想定外の追加作業が出たときに誰の判断で使えるのかが分からず、見積書や計画書の作成で手が止まってしまうことがありますよね。

この記事では、プロジェクトマネジメントにおけるマネジメント予備の意味や、コンティンジェンシー予備との違い、実務での使い方を順を追って説明していきます。

プロジェクトマネジメントにおけるマネジメント予備とは?

プロジェクトマネジメントでは、計画どおりに進めるための予算だけでなく、計画時点では具体的に見えていない変化に備える予算も考えておく必要があります。

ここでは、マネジメント予備がどのような予備費なのかを整理したうえで、なぜプロジェクトに必要とされるのかを見ていきます。

マネジメント予備の概要

マネジメント予備とは、計画段階では具体的に特定できないリスクや、想定外の変更に備えて確保しておく予備費です。

通常の作業費として自由に使うものではなく、予想できなかった追加対応などが発生した場合に、承認を受けて使用します。

そのため、担当者が現場判断で使う費用ではなく、プロジェクト全体の予算を守るために管理者側で保有する費用として扱われます。

なぜマネジメント予備が必要なのか

マネジメント予備が必要なのは、プロジェクト開始時点ですべてのリスクや追加作業を正確に見積もることが難しいためです。

想定外の対応が発生すると、追加費用をどこから出すのか迷い、ほかの作業や計画に影響することがあります。

あらかじめ予備費を確保しておけば、予想していなかった事態にも対応しやすくなり、プロジェクト全体の予算を管理しやすくなります。

マネジメント予備とコンティンジェンシー予備の違い

マネジメント予備と混同されやすいものに、コンティンジェンシー予備があります。

ここでは、コンティンジェンシー予備の意味を確認したうえで、コストベースラインに含まれる予備と含まれない予備の違いを整理していきます。

コンティンジェンシー予備とは

コンティンジェンシー予備とは、計画時点ですでに分かっているリスクに備えて、見積もりに含めておく予備費です。

たとえば、発生する可能性がある追加作業に対して、必要な費用を事前に見積もっておきます。

マネジメント予備とは異なり、あらかじめ想定しているリスクが実際に起きた場合に使う費用です。

コストベースラインに含まれる予備・含まれない予備

コストベースラインに含まれるのは、コンティンジェンシー予備です。

計画時点で分かっているリスクへの対応費として、作業費とあわせて管理します。

一方、想定外の事態に備えるマネジメント予備は、コストベースラインには含まれません。使用する場合は承認を受け、必要に応じてコストベースラインを見直します。

コストベースライン自体の意味や、予算との違いが分からない場合は、こちらの記事で詳しく確認できます。
▶コストベースラインとは?予算との違いや変更管理を分かりやすく解説

マネジメント予備は誰の承認で使うのか

マネジメント予備は、プロジェクト担当者が現場判断だけで自由に使える予算ではありません。

ここでは、マネジメント予備を使用するケースを確認したうえで、承認権限と管理方法について整理していきます。

マネジメント予備を使用するケース

マネジメント予備は、計画時点では予想できなかった追加費用が発生した場合に使用します。

通常の作業費やコンティンジェンシー予備では対応できないときに、使用を検討する費用です。

ただし、担当者が自由に使えるものではなく、必要な金額や理由を整理し、責任者の承認を受けてから使用します。

承認権限と管理方法

マネジメント予備の使用は、プロジェクトマネージャーや予算責任を持つ上位者、スポンサーなどが承認します。

使用する際は、必要な金額や理由、予算への影響を確認することが大切です。

承認後は、誰がいつ、いくらの使用を認めたのかを記録し、通常の作業費と分けて管理します。

予備費を適切に管理するためのポイント

予備費は、余った予算や調整用の金額として扱うと、本来必要な場面で使えなくなるおそれがあります。

ここでは、予備費を値引き原資として扱わない考え方と、リスク対応費として管理するポイントを整理していきます。

予備費を値引き原資として扱わない

予備費は、見積金額を安く見せるための値引き原資として扱わないことが大切です。

予備費は、計画時点で見込んだリスクや、承認が必要な追加対応に備えるための費用です。契約前の金額調整で予備費を削ると、実際に追加費用が必要になったときに使える金額がなくなります。

その結果、必要な対応を後回しにしたり、別の作業費を削ったりする判断につながるため、予備費は値引きとは分けて管理します。

リスク対応費として管理する

予備費は、通常の作業費とは分けて、リスク対応のための費用として管理します。

どのようなリスクに使う費用なのかを整理しておくと、使用する理由も確認しやすくなります。

実際に使った場合は、内容や金額、使用後の残額を記録しておくことで、予備費の使いすぎを防ぎやすくなります。

まとめ

プロジェクトの予備費は、余ったお金ではなく、リスクや想定外の事態に備えるための費用です。

マネジメント予備は予想できなかった事態に、コンティンジェンシー予備はあらかじめ分かっているリスクに備えるものと考えると、違いを整理しやすいでしょう。

大切なのは、予備費があるからといって自由に使わず、何のために必要なのかを確認することです。

特にマネジメント予備を使う場合は、理由や予算への影響を整理し、決められた承認を受けて管理します。

まずは「想定していたリスクか、想定外の事態か」を確認してみてください。

予備費の役割を分けて考えることで、プロジェクトの予算も管理しやすくなります。

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