プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネージャーはいらないと言われるのはなぜ?不要論が生まれる理由と必要なケース

はじめに

「プロジェクトマネージャーは本当にいらないの?」
「PMがいなくてもプロジェクトは問題なく進められるの?」と疑問に感じていませんか。

現場で開発メンバーだけで仕事が進んでいたり、「PMは会議や進捗確認ばかりしている」といった声を耳にしたりすると、「本当に必要な役割なのだろうか」と考えてしまうこともありますよね。

この記事では、プロジェクトマネージャーがいらないと言われる理由や、不要論が生まれる背景、本当に必要になるケースを順を追って説明していきます。

プロジェクトマネージャーはいらないと言われる理由は?

プロジェクトマネージャーが「いらない」と言われる背景には、仕事内容への誤解や、過去に関わったプロジェクトでの経験が影響しているケースがあります。

ここでは、プロジェクトマネージャーがいらないと言われる代表的な理由について、具体的に見ていきます。

開発や成果物を直接作らないように見える

プロジェクトマネージャーが「いらない」と言われる理由の一つに、開発や成果物を直接作らないように見えることがあります。

プログラムの実装や画面設計、テストは主に開発メンバーが担当するため、PMは成果を生み出していないように受け取られがちです。

会議の進行や進捗確認、スケジュール調整、関係者との連絡が中心になることで、「開発に参加していない」「資料を作っているだけ」と見られ、「PMはいらない」という評価につながることがあります。

会議や調整ばかりしている印象を持たれやすい

プロジェクトマネージャーは、定例会議の進行や進捗確認、関係者との調整を担当する機会が多いため、会議や調整ばかりしている印象を持たれやすくなります。

一方で、その裏で進めているスケジュールの見直しや課題整理、関係者との認識合わせは見えにくい仕事です。

そのため、「会議を増やしているだけ」「調整しかしていない」と受け取られ、「PMはいらない」と言われることがあります。

エンジニア同士で直接調整できると考えられている

少人数の開発チームでは、エンジニア同士が直接相談しながら仕様や作業分担を決められるため、PMを介さなくても開発を進められると考えられることがあります。

進捗確認や課題共有も日常的なやり取りで完結する場合は、PMの役割が見えにくくなります。

その結果、「エンジニア同士で対応できるのでPMは必要ない」という認識につながることがあります。

能力不足のPMがプロジェクトを停滞させることがある

プロジェクトマネージャーが進捗を正しく把握できなかったり、課題への対応や意思決定が遅れたりすると、開発作業が止まりやすくなります。

仕様確認や作業着手が遅れることで、メンバーが待機や手戻りを余儀なくされる場合もあります。

その結果、能力不足のPMがプロジェクト全体の進行を妨げ、「PMはいらない」と言われる理由の一つになることがあります。

PM不要論が生まれる背景

PM不要論が広がる背景には、プロジェクトの進め方や組織体制、管理方法の変化があります。

ここでは、PM不要論が生まれる背景について、近年の開発現場の変化を踏まえながら解説します。

アジャイル開発が普及したため

アジャイル開発では、短い期間で開発と改善を繰り返すため、開発チームが日々の打ち合わせや優先順位の調整を自ら行う場面が増えます。

そのため、従来のようにPMが細かく進捗管理や作業の割り振りを行う必要はないと考えられることがあります。

こうした開発手法の普及により、「PMがいなくても開発を進められる」という認識が広がる一因になっています。

フラットな組織が増えているため

役職による指示よりも、メンバー同士が直接相談しながら意思決定を進めるフラットな組織が増えています。

開発メンバーが優先順位や必要な調整を当事者同士で進める体制では、PMの役割が目立ちにくくなります。

そのため、「PMを置かなくてもプロジェクトは進められる」という考え方が広がる一因になっています。

プロジェクト管理ツールが進化しているため

プロジェクト管理ツールの進化により、進捗状況や担当者、期限、課題をメンバー全員がリアルタイムで確認できるようになりました。

そのため、進捗確認や情報共有をツール上で完結できる場面が増え、PMが管理しなくても運営できると考えられることがあります。

こうした環境の変化が、「PMは必要ない」という考え方につながる一因になっています。

実際にプロジェクトマネージャーが不要になりやすい組織

プロジェクトマネージャーが必要かどうかは、すべての組織で一律に決まるものではありません。

ここでは、実際にプロジェクトマネージャーが不要になりやすい組織やプロジェクトの特徴について解説します。

小規模な開発プロジェクトの場合

小規模な開発プロジェクトでは、関係者が少なく、進捗確認や仕様変更の相談を開発メンバー同士で進められるため、専任のプロジェクトマネージャーがいなくても運営できる場合があります。

スケジュール管理や課題共有も日常的なやり取りで対応しやすく、管理業務の負担も大きくなりにくいことが理由です。

そのため、小規模なプロジェクトでは、PMが不要と考えられることがあります。

少人数チームで意思決定できる場合

少人数チームでは、仕様変更や優先順位の見直しが必要になっても、関係者がすぐに集まり、その場で意思決定できる場合があります。

確認事項や課題もメンバー同士で共有しやすく、情報伝達の手間が少ないことも理由です。

そのため、迅速に意思決定できる体制では、PMが不要と考えられることがあります。

エンジニア主導で進められる組織の場合

エンジニアが仕様の検討から優先順位の決定、進捗確認まで主体的に進められる組織では、PMを介さなくても開発を進められる場合があります。

技術的な判断や日々の調整を開発チーム内で完結できるため、管理や調整を専門に担う役割が必要になりにくいことが理由です。

そのため、エンジニア主導で運営する組織では、PMが不要と考えられることがあります。

それでもプロジェクトマネージャーが必要な組織

プロジェクトマネージャーが不要とされるケースがある一方で、PMがいなければプロジェクトの進行が難しくなる組織も少なくありません。

ここでは、プロジェクトマネージャーが必要とされる組織やプロジェクトの特徴について解説します。

複数部署が関わるプロジェクトの場合

複数部署が関わるプロジェクトでは、部署ごとに担当業務や優先順位、承認手順が異なるため、当事者同士の連絡だけでは意思決定が滞ることがあります。

プロジェクトマネージャーが進捗や確認事項、回答期限を整理し、誰がいつまでに判断するかを明確にすることで、連絡漏れや認識のずれを防げます。

そのため、部署をまたぐ調整が必要なプロジェクトでは、PMが重要な役割を担います。

大規模なプロジェクトの場合

大規模なプロジェクトでは、関係者や作業項目が増えるため、進捗や課題の共有だけでも負担が大きくなります。

プロジェクトマネージャーが全体の進捗を確認し、優先順位を整理しながら関係者との調整を行うことで、プロジェクトを計画どおりに進めやすくなります。

そのため、大規模なプロジェクトでは、PMが必要です。

顧客との調整が多い場合

顧客との打ち合わせや仕様変更、納期調整が頻繁に発生するプロジェクトでは、開発メンバーが対応を兼ねると作業が止まりやすくなります。

プロジェクトマネージャーが窓口となり、要望の整理や開発チームへの共有、対応方針の調整を行うことで、認識のずれや伝達漏れを防げます。

そのため、顧客との調整が多いプロジェクトでは、PMが欠かせません。

スケジュール管理が複雑な場合

複数の作業が並行して進み、それぞれに開始日や完了期限、前後関係があるプロジェクトでは、スケジュール管理が複雑になります。

一つの遅れが後続の工程へ影響するため、全体の進行状況を見ながら優先順位や対応順を調整する役割が必要です。

そのため、スケジュール管理が複雑なプロジェクトでは、PMが重要な役割を担います。

PM不要論で誤解されやすいこと

PM不要論を正しく理解するには、「PMが不要」と「PMが十分に役割を果たせていない」は別の話であることを知る必要があります。

ここでは、PM不要論で誤解されやすいポイントを整理し、どのような場合にPMの必要性が変わるのかを順を追って解説します。

プロジェクトマネージャーそのものが不要なわけではない

PM不要論は、すべてのプロジェクトでプロジェクトマネージャーが必要ないという意味ではありません。

実際には、大規模なプロジェクトや複数部署が関わる案件、顧客との調整が多い案件では、進捗管理や意思決定を担うPMが必要です。

そのため、「PMが不要」という意見が、すべての組織やプロジェクトに当てはまるわけではありません。

不要と言われるのは価値を発揮できていないPM

「PMが不要」と言われる場面の多くは、プロジェクトマネージャーという役割ではなく、進捗を把握できない、判断が遅い、関係者との調整ができないなど、役割を十分に果たせていないPMへの評価です。

課題を早めに整理し、必要な意思決定を進めながらプロジェクト全体を円滑に運営できるPMであれば、不要と言われることは少なくなります。

そのため、不要とされるのは、価値を発揮できていないPMである場合が多いです。

必要性は組織やプロジェクトによって変わる

プロジェクトマネージャーの必要性は、組織やプロジェクトによって異なります。

少人数で意思決定できる小規模なプロジェクトでは不要な場合もありますが、複数部署が関わる案件や顧客との調整が多い案件では、進捗管理や意思決定を担う役割が必要です。

そのため、PMが必要かどうかは、組織体制やプロジェクトの進め方に合わせて判断することが大切です。

まとめ

プロジェクトマネージャーが「いらない」と言われる背景には、開発や成果物を直接作らないように見えることや、会議・調整業務が目立ちやすいことがあります。

また、アジャイル開発の普及や組織体制の変化によって、PMがいなくても進められるプロジェクトが増えたことも理由の一つです。

一方で、PMが不要かどうかは、すべてのプロジェクトで同じではありません。

小規模な開発では不要な場合もありますが、複数部署が関わる案件や大規模プロジェクト、顧客との調整が多い案件では、進捗や意思決定をまとめるPMが重要な役割を担います。

大切なのは、「PMはいらない」という意見だけで判断するのではなく、プロジェクトの規模や体制、求められる役割に合わせて必要性を考えることです。

自社やプロジェクトに合った体制を選ぶことで、より円滑にプロジェクトを進めやすくなるでしょう。

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