目次
はじめに
「プロジェクトマネジメント契約とは、具体的にどのような契約なの?」
「業務委託契約とは何が違って、どの契約形態を選べばいいの?」と疑問に感じていませんか。
プロジェクトの進行管理を外部に依頼することになっても、契約書を見ただけでは、どこまで任せられるのか、報酬をどのように決めるのか分からず、契約前に迷ってしまうことがありますよね。
この記事では、プロジェクトマネジメント契約の基本的な意味をはじめ、主な契約形態やそれぞれの特徴、契約時に確認したいポイントについて、順を追って説明していきます。
プロジェクトマネジメント契約とは?
プロジェクトマネジメント契約とは、発注者がPM会社にプロジェクト全体の管理や関係者との調整を依頼するときに締結する契約です。
ここでは、発注者とPM会社の契約関係と、PM会社が担う具体的な役割について説明します。
発注者とPM会社が締結するマネジメント業務の契約
発注者とPM会社は、プロジェクトの進行管理や関係者との調整など、PM会社が担当する業務について契約を結びます。
契約時には、進捗管理やスケジュール調整、関係者との連絡など、具体的な業務範囲を決めておくことで、それぞれの役割を明確にできます。
PM会社は成果物の完成ではなくプロジェクトの管理・調整を担う
PM会社は、成果物を自ら完成させるのではなく、プロジェクト全体がスムーズに進むよう管理や調整を行います。
進捗や課題を確認し、遅れや認識の違いが生じた場合には、関係者と情報を共有しながら対応方法を調整します。
プロジェクトマネジメント契約の契約形態
プロジェクトマネジメント契約を締結するときは、どのような契約形態にするのかを確認することが大切です。
ここでは、準委任契約の特徴と請負契約との違いについて説明します。
基本的には準委任契約として締結される
プロジェクトマネジメント契約は、進捗管理や関係者との調整などを行うことが中心となるため、基本的には準委任契約として締結されます。
成果物そのものの完成を求めるのではなく、契約で定めた管理・調整業務をPM会社が適切に行うことを目的とする契約です。
準委任契約では業務の遂行そのものが目的となる
準委任契約では、PM会社が契約で定められた業務を適切に遂行することが目的となります。
そのため、進捗確認や関係者との連絡・調整などを行い、プロジェクトを円滑に進められるよう支援します。
成果物の完成を目的とする請負契約とは責任の範囲が異なる
請負契約は成果物を完成させることを目的とするのに対し、準委任契約は定められた業務を適切に遂行することが中心です。
そのため、成果物の完成に対して責任を負うのか、管理・調整業務の遂行に責任を負うのかという点に違いがあります。
プロジェクトマネジメント契約の特徴
プロジェクトマネジメント契約では、PM会社が発注者側に立ってプロジェクト全体を管理し、工期・品質・コストなどを確認しながら関係者間の調整を行います。
ここでは、プロジェクトマネジメント契約で定める主な業務内容と責任範囲について説明します。
発注者側の立場でプロジェクト全体を管理する
PM会社は発注者側の立場で、プロジェクト全体の進捗や課題を確認し、予定どおり進むように管理します。
遅れや問題が発生した場合には、関係者と状況を共有しながら対応を調整し、プロジェクト全体の進行を支えます。
工期・品質・コストを横断的に管理する
PM会社は、工期・品質・コストを個別に見るのではなく、それぞれの影響を確認しながら管理します。
工程の遅れや仕様変更がほかの条件に影響する場合には、変更内容や影響範囲を整理して発注者に共有し、必要な対応を検討します。
設計者や施工者など関係者間の調整を行う
PM会社は、設計者や施工者などから進捗や課題を確認し、必要な情報を関係者の間で共有します。
作業や判断が互いに影響する場合には、実施時期や対応内容を調整し、認識のずれが生じないようにプロジェクトを進めます。
業務範囲・権限・責任範囲を契約で明確にする
プロジェクトマネジメント契約では、PM会社が担当する業務や権限、発注者の承認が必要な事項などを明確にします。
スケジュールや費用の変更を誰が判断するのかまで決めておくことで、契約後の役割や責任の行き違いを防ぎやすくなります。
プロジェクトマネジメント契約とほかの契約・方式との違い
プロジェクトマネジメント契約は、請負契約やCM契約と業務内容や責任の範囲が異なるため、それぞれの違いを確認しておく必要があります。
ここでは、請負契約とCM契約との違いを比較し、プロジェクトマネジメント契約の特徴を整理します。
請負契約との違い
請負契約は成果物を完成させることを目的とし、請負人がその完成に責任を負う契約です。
一方、プロジェクトマネジメント契約では、進捗管理や関係者との調整などを行うことが中心となるため、成果物そのものの完成を目的とする契約とは異なります。
CM契約との違い
プロジェクトマネジメント契約とCM契約は、どちらもプロジェクトの管理や関係者の調整を行いますが、具体的な役割は契約内容によって異なります。
PMはプロジェクト全体の管理を担うのに対し、CMは建設プロジェクトを中心に、発注や施工に関する管理・調整などを支援するのが一般的です。
プロジェクトマネジメント契約を締結する際の確認ポイント
プロジェクトマネジメント契約を締結するときは、PM会社に任せる業務だけでなく、どこまでの権限と責任を持たせるのかを事前に確認することが大切です。
ここでは、契約を締結する前に確認しておきたい項目について説明します。
委託する業務範囲を明確にする
契約前に、進捗管理やスケジュール調整、関係者との連絡など、PM会社に委託する業務範囲を具体的に決めます。
契約に含まれない業務も確認しておくことで、契約後に対応範囲をめぐる認識の違いが生じるのを防ぎやすくなります。
PM会社に与える権限と責任範囲を確認する
PM会社がどこまで判断でき、どのような場合に発注者の承認が必要なのかを契約前に確認します。
特に、スケジュールやコスト、仕様などを変更するときの権限を明確にしておくと、問題が起きた際にも判断や対応を進めやすくなります。
契約期間と委託料を確認する
契約期間については、業務を委託する期間だけでなく、必要に応じて更新や延長の条件も確認します。
委託料は金額や支払時期、支払方法に加えて、追加業務が発生した場合の費用についても決めておくことが大切です。
報告方法と業務完了の条件を明確にする
PM会社から報告を受ける内容や頻度、報告方法などを契約前に決めておきます。
また、契約期間の終了をもって完了とするのか、所定の報告や管理業務を終えた時点とするのかなど、業務完了の条件も明確にしておきましょう。
まとめ
プロジェクトマネジメント契約は、PM会社が発注者側の立場で、進捗管理や関係者との調整などを行うための契約です。
一般的には準委任契約として締結され、成果物の完成ではなく、管理・調整業務を適切に行うことが中心となります。
契約する際は、業務範囲や権限、責任範囲に加えて、契約期間や委託料、報告方法などを確認することが大切です。お互いの役割を明確にしておくことで、認識の違いを防ぎ、プロジェクトを進めやすくなります。