目次
はじめに
「ブロック線図を見ても、矢印や四角が何を表しているのか分からない」
「自分でブロック線図を書くとき、どこから手をつければいいの?」と感じていませんか。
制御工学を勉強し始めると、入力や出力、伝達関数などが図の中に並び、信号がどの順番で流れているのか読み取れず、問題を解く手が止まってしまうこともありますよね。
この記事では、ブロック線図とは何かという基本から、記号の意味、見方、書き方までを分かりやすく整理します。
ブロック線図とは?
ブロック線図は、システムを構成する要素と信号の流れを、ブロックや矢印を使って図で表したものです。
ここでは、ブロック線図がどのような図なのか、複雑な仕組みを整理するうえでどのように役立つのかを説明します。
ブロック線図
ブロック線図は、システムを構成する要素を四角形のブロックで表し、それぞれを矢印でつないで信号の流れを示した図です。
入力から出力まで矢印を順番にたどることで、信号がどの要素を通り、どのように処理されるのかを確認できます。
文章だけではイメージしにくいシステムの動きも、図にすることで全体の流れをつかみやすくなります。
ブロック線図を使うことで複雑な仕組みを整理できる
ブロック線図を使うと、複数の要素からなるシステムを役割ごとに分けて整理できます。
それぞれのブロックがどのようにつながっているのかを確認できるため、要素が増えて複雑になっても、全体の関係を見失いにくくなります。
システムの仕組みを理解したいときは、まずブロックごとの役割と矢印の流れを順番に確認してみましょう。
ブロック線図を構成する基本要素とそれぞれの意味
ブロック線図は、ブロックや矢印、加算点、分岐点などの基本要素を組み合わせてシステムの動きを表します。
ここでは、ブロック線図を構成する基本要素と、それぞれが何を表しているのかを説明します。
ブロックは処理や機能を表す部分
ブロックは、入力された信号に対して、どのような処理を行うのかを表す部分です。
ブロックの中には処理内容や伝達関数などを記載し、入力された信号がどのように変化して出力されるのかを示します。
基本的には1つのブロックに1つの処理や機能を対応させるため、それぞれの役割を整理しながら確認できます。
矢印は信号や情報の流れを表す
矢印は、ブロックからブロックへ信号や情報が流れる方向を表します。
矢印の向きを見ることで、どのブロックから信号が出て、次にどこへ入力されるのかを確認できます。
入力側から出力側へ矢印を順番にたどっていくと、システム全体の信号の流れもつかみやすくなるでしょう。
加算点と分岐点は信号の合流や分岐を表す
加算点は、複数の信号を1か所に集め、「+」や「-」の記号に従って加算や減算を行う部分です。
一方、分岐点は1つの信号を複数の経路に分け、それぞれに同じ信号を送るために使います。
この2つを区別して見ることで、信号がどこで合流し、どこから分かれていくのかを理解しやすくなります。
ブロック線図の見方を理解する手順
ブロック線図を見るときは、まず入力から出力まで矢印をたどり、信号がどの順番で進むのかを確認します。
ここでは、入力から出力までの流れや各ブロックの処理を確認しながら、具体例を使ってブロック線図の読み方を説明します。
入力から出力までの流れを確認する
ブロック線図を見るときは、まず入力の位置を確認し、矢印の向きに沿って出力まで信号をたどってみましょう。
信号が通るブロックを順番に見ていくと、入力された信号がどのような経路を通って出力されるのかが分かります。
途中で矢印が分かれている場合は、それぞれの経路を分けて確認すると流れをつかみやすくなります。
各ブロックが何を処理しているかを見る
信号の流れが分かったら、次に各ブロックでどのような処理が行われているのかを確認します。
入力された信号がブロックを通ることで、どのように変化して次へ送られるのかを一つずつ見ていきましょう。
入力側から順番に処理を追っていくと、信号が最終的な出力になるまでの変化を理解しやすくなります。
フィードバックがある場合の信号の流れを見る
フィードバックがあるブロック線図では、入力から出力へ進む流れだけでなく、出力側から入力側へ戻る経路にも注目します。
戻ってきた信号は加算点などに入り、入力側の信号と比較されたり、加算・減算されたりします。
この流れを確認すると、出力の状態をもとに信号を調整するフィードバックの仕組みがイメージしやすくなります。
簡単なブロック線図の具体例で読み方を確認する
たとえば、「入力→ブロックA→ブロックB→出力」というブロック線図を考えてみましょう。
入力された信号は、まずブロックAで処理され、その結果がブロックBへ送られ、さらに処理されたあとに出力されます。
このように入力側から矢印を順番にたどりながら、それぞれのブロックの役割を確認すると、ブロック線図の流れを読み取りやすくなります。
ブロック線図の書き方をわかりやすく解説
ブロック線図を書くときは、最初にシステムへ入る入力と、処理後に得られる出力を決めます。
ここでは、入力と出力の決め方からブロックの配置、矢印で信号をつなぐ方法まで順に説明します。
表したいシステムの入力と出力を決める
ブロック線図を作るときは、まずシステムに入る信号を「入力」、処理を終えたあとに得られる信号を「出力」として決めます。
一般的に入力を図の左側、出力を右側に置くと、信号が進む方向を整理しやすくなります。
最初に入口と出口を決めておけば、その間にどのような処理が必要なのかも考えやすくなるでしょう。
処理の流れに沿ってブロックを配置する
入力と出力を決めたら、その間で行われる処理を整理し、それぞれをブロックとして配置します。
入力側から出力側へ処理が進む順番に並べ、各ブロックには対応する処理や機能を記載しましょう。
実際の処理の流れに沿って配置すると、入力から出力までの仕組みを見渡しやすくなります。
信号の流れを矢印でつないで確認する
ブロックを配置したら、入力から各ブロック、出力へと信号が進むように矢印でつないでいきます。
すべてつなぎ終えたら、入力側から矢印をたどり、実際の信号の流れと向きが合っているか確認してみましょう。
矢印の途切れや向きの間違いがないかまで確認すると、信号の流れが伝わりやすいブロック線図に仕上がります。
ブロック線図を書くときによくある間違い
ブロック線図を書くときは、要素を配置するだけでなく、信号の流れや図の分かりやすさにも注意が必要です。
ここでは、ブロック線図を書くときによくある間違いと、分かりやすく整理するための注意点を説明します。
矢印の向きや信号の流れを間違えない
矢印は信号が進む方向を表すため、入力から出力までの実際の流れに合わせて書くことが大切です。
向きが逆になっていると、どのブロックからどこへ信号が送られるのか分かりにくくなってしまいます。
書き終えたら入力側から矢印を一つずつたどり、出力まで正しい順番でつながっているか確認してみましょう。
処理内容を細かく分けすぎない
処理内容を細かく分けすぎるとブロックの数が増え、かえって全体の流れを追いにくくなることがあります。
同じ役割としてまとめられる処理は一つのブロックにまとめ、確認したい内容に合わせて分けると見やすくなります。
どこまで分けるか迷ったときは、その処理を個別に確認する必要があるかを目安にするとよいでしょう。
目的に合わない複雑な図にしない
ブロック線図を作るときは、何を確認するための図なのかを意識し、必要な要素に絞って表すことが大切です。
目的に関係のないブロックや信号経路まで加えると、図が複雑になり、本来確認したい流れが見えにくくなります。
最初に図の目的を決め、必要な処理と信号の流れを整理してから作成すると、分かりやすくまとめられます。
ブロック線図と似た図との違い
ブロック線図は、フロー図や回路図と見た目が似ている場合がありますが、それぞれ表す内容や使う目的が異なります。
ここでは、ブロック線図とフロー図・回路図の違いをそれぞれ説明します。
フロー図とは表している内容が異なる
フロー図とブロック線図は似て見えますが、図で表している内容が異なります。
フロー図は作業や処理の順番、条件による分岐などを表すのに対し、ブロック線図はシステムを構成する機能と信号の流れを表します。
そのため、作業の手順を確認したいときはフロー図、システム内の機能や信号の流れを確認したいときはブロック線図と考えると分かりやすいでしょう。
回路図とは目的や表現方法が異なる
回路図とブロック線図は、どちらもシステムの仕組みを表すために使われますが、示す内容の細かさが異なります。
回路図は抵抗やコンデンサなどの電子部品と配線を記号で表すのに対し、ブロック線図では複数の部品による処理や機能をまとめて一つのブロックとして表します。
部品や配線の接続を詳しく確認したいときは回路図、システム全体の機能や信号の流れを確認したいときはブロック線図が適しています。
まとめ
ブロック線図は、システムを構成する機能と信号の流れを、ブロックと矢印を使って分かりやすく表した図です。
最初は複雑に見えても、入力から出力へ矢印をたどりながら、それぞれのブロックがどのような処理をしているのか確認すると、全体の仕組みが見えてきます。
自分で書くときも、まず入力と出力を決め、必要な処理を順番に配置していけば整理しやすくなります。フロー図や回路図との違いも意識しながら、まずは簡単なブロック線図から信号の流れを追うことに慣れていきましょう。