目次
はじめに
「プロジェクトマネジメントの報告書は、何を書けばよいの?」
「進捗や課題を報告したいけれど、内容や順番が合っているのか自信がない」と迷っていませんか。
会議後に報告書の作成を任されたものの、進捗状況や課題、今後の対応をどこまで書けばよいのか分からず、迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、報告書に記載する基本項目や書き方、すぐ使える例文やテンプレートまで、順を追って分かりやすく説明していきます。
プロジェクト報告書とは?

この章では、プロジェクト報告書の基本を理解するために、まず報告書の意味や役割を整理します。
あわせて、なぜプロジェクトで報告書の作成が求められるのか、日常的な進捗報告書とは何が異なるのかを順を追って確認し、プロジェクト報告書の目的と必要性をわかりやすく解説します。
プロジェクト報告書とは
プロジェクト報告書とは、進捗状況や発生している課題、対応状況、今後の予定などを関係者へ共有するために作成する文書です。
プロジェクトマネージャーや担当者が定期的に作成し、計画どおりに進んでいるかや、対応が必要な内容を整理して報告します。
内容を文書として残しておくことで、関係者が後から状況を確認しやすくなり、認識のずれも防ぎやすくなります。
プロジェクト報告書とあわせて、計画段階で作成する文書との違いも知りたい方は、こちらも参考にしてください。
PMBOKにおけるプロジェクト計画書とは?構成項目・作成手順・管理計画との違いを解説
プロジェクト報告書が必要な理由
プロジェクト報告書は、関係者全員が同じ情報を共有し、適切な判断を行うために必要です。
口頭だけの報告では、進捗状況や担当者、対応期限の認識に違いが生じやすく、対応漏れにつながることがあります。
進捗や課題、今後の予定を文書で共有しておけば、状況を確認しやすくなり、必要な対応も進めやすくなります。
進捗報告書との違い
進捗報告書は、進捗率や完了した作業、スケジュールとの差異など、進捗状況を中心に報告する文書です。
一方、プロジェクト報告書は、進捗状況に加えて課題やリスク、対応状況、今後の予定まで含めて共有します。
進捗報告書が進捗に特化した文書であるのに対し、プロジェクト報告書はプロジェクト全体の状況を伝える文書という違いがあります。
プロジェクト報告書に記載すべき基本項目
プロジェクト報告書は、決まった書式に沿って必要な情報を漏れなく記載することが重要です。
この章では、報告書に盛り込む基本項目として、プロジェクト概要、進捗状況、成果・実績、課題とリスク、今後の対応方針について、それぞれ記載する内容を順を追って解説します。
プロジェクト概要
プロジェクト概要には、プロジェクト名、報告対象期間、プロジェクトの目的、担当部署、プロジェクトマネージャー名など、報告書の対象を特定できる情報を記載します。
複数のプロジェクトが並行している場合でも、どのプロジェクトのいつ時点の報告書なのかがすぐに分かるようにしておくことが大切です。
進捗状況
進捗状況には、計画に対して現在どこまで作業が完了しているかを記載します。
進捗率や完了した作業、進行中の作業、未着手の作業を整理し、予定どおり進んでいるか、遅れがあるかを分かりやすくまとめましょう。
遅延がある場合は、どの工程で発生しているのかも記載します。
成果・実績
成果・実績には、報告対象期間中に完了した作業や達成した内容を記載します。
完了した成果物や終了した工程、達成した目標を具体的に示すことで、計画に対してどのような成果が得られたのかを関係者が確認しやすくなります。
課題とリスク
課題とリスクには、現在発生している問題と、今後発生する可能性がある事象を分けて記載します。
課題には内容や影響、担当者、対応状況をまとめ、リスクには想定される影響と対応方針を記載します。
区別して整理することで、優先して対応すべき内容が分かりやすくなります。
課題とリスクを整理する際は、課題の管理方法や管理表の作り方も確認しておくと、対応状況をより分かりやすくまとめられます。
プロジェクトマネジメントの課題管理とは?進め方や管理表の作成例
今後の対応方針
今後の対応方針には、残っている課題に対して実施する内容を具体的に記載します。
担当者名や実施期限を「2026年8月10日」のように年月日で明記し、完了の判断基準もあわせてまとめましょう。
対応内容を明確にすることで、誰がいつまでに何を行うのかを関係者全員で共有できます。
プロジェクト報告書の書き方【作成手順】
読みやすく伝わるプロジェクト報告書を作成するには、書く順番や内容の整理方法を意識することが大切です。
この章では、目的と報告対象の整理から、事実の記載方法、課題と対応策のまとめ方、結論を先に伝える書き方まで、報告書を作成する手順を順を追って解説します。
目的と報告対象を明確にする
プロジェクト報告書を作成する前に、まずは何を報告するための文書なのか、誰に向けて提出するのかを整理しておきましょう。
進捗を共有するための報告なのか、課題やリスクを伝えるための報告なのかによって、記載すべき内容は変わります。また、提出先がプロジェクトマネージャー、部門責任者、顧客など誰であるかによっても、必要な情報や説明の深さは異なります。
最初に目的と報告対象を明確にしておくことで、伝えるべき内容を整理しやすくなります。
事実を整理して記載する
報告書には、確認できた事実を整理して記載することが大切です。
進捗率や完了した作業、発生した課題、対応状況、実施日など、確認できる内容を正確にまとめ、推測や個人的な感想はできるだけ含めないようにします。
報告対象期間に起きた内容を時系列や項目ごとに整理すると、関係者も現在の状況を把握しやすくなります。
課題と対応策をまとめる
課題を記載するときは、対応策もあわせてまとめるようにしましょう。
課題の内容だけでなく、現在どのような対応を進めているのか、担当者は誰か、対応期限はいつなのかまで記載すると、状況が伝わりやすくなります。
まだ対応に着手していない場合はその状況を明記し、今後の対応予定も添えておくと、関係者が進捗を確認しやすくなります。
結論からわかりやすく記載する
プロジェクト報告書は、最初に現在の状況を簡潔に伝え、その後に理由や詳細を説明する流れが分かりやすくなります。
例えば、「予定どおり進行しています」「一部工程で遅れが発生しています」といった結論を最初に示し、そのあとで進捗状況や課題、対応内容を記載します。
最初に全体像を伝えることで、関係者は報告内容を短時間で把握し、その後の詳細も理解しやすくなります。
良いプロジェクト報告書と悪いプロジェクト報告書の違い
同じ内容を報告していても、書き方によって相手の理解しやすさや判断のしやすさは大きく変わります。
この章では、良いプロジェクト報告書に共通する特徴と、伝わりにくく判断に必要な情報が不足しやすい報告書の特徴を比較しながら解説します。
良い報告書の特徴
良いプロジェクト報告書は、進捗状況や成果、課題、今後の対応方針が整理されており、必要な情報をすぐに確認できる構成になっています。
進捗率や完了した作業、担当者、対応期限などを具体的に記載し、事実と対応内容を分けてまとめることで、関係者は現在の状況と今後の対応を把握しやすくなります。
また、最初に結論を示してから詳細を説明する流れにすると、報告内容の要点を短時間で理解しやすくなります。
悪い報告書の特徴
悪いプロジェクト報告書は、進捗状況や課題が曖昧で、関係者が現在の状況を判断しにくい内容になっています。
進捗率や完了した作業が記載されていなかったり、課題だけを書いて対応内容や担当者、対応期限が示されていなかったりすると、必要な対応を判断しづらくなります。
また、事実と意見が混在していたり、結論が最後まで分からなかったりすると、報告内容を正確に理解しにくくなるため注意が必要です。
そのまま使えるプロジェクト報告書の例文
実際に報告書を作成するときは、文章の書き方や表現に迷うことも少なくありません。
この章では、そのまま参考にしやすいプロジェクト報告書の例文として、進捗報告、課題報告、完了報告の場面別に記載例を紹介します。
進捗報告の例文
進捗報告では、現在の進捗状況を最初に伝えたうえで、完了した作業や今後の予定をまとめると分かりやすくなります。
例文
本プロジェクトは、7月24日時点で全体進捗率70%となっており、計画どおり進行しています。今週は要件定義および基本設計を完了し、現在は詳細設計を進めています。来週からは開発工程へ移行する予定であり、現時点で大きな課題やスケジュールへの影響はありません。
課題報告の例文
課題報告では、発生している問題だけでなく、対応状況や担当者、対応予定まで記載すると状況が伝わりやすくなります。
例文
テスト環境の設定作業に想定より時間を要しており、一部工程で2日の遅れが発生しています。現在は開発担当者が設定作業を進めており、対応期限は7月26日を予定しています。対応完了後はスケジュールを見直し、遅延を最小限に抑える予定です。
完了報告の例文
完了報告では、作業が完了したことを最初に伝え、その後に成果や残作業の有無を記載すると分かりやすくなります。
例文
本プロジェクトは、予定どおり7月31日にすべての作業を完了しました。成果物の納品および最終確認も完了し、顧客から承認をいただいています。現在対応が必要な課題や未完了の作業はなく、本プロジェクトは完了とします。
そのまま使えるプロジェクト報告書テンプレート
報告書を毎回ゼロから作成するのではなく、テンプレートを活用すると必要な項目を漏れなく効率よくまとめられます。
この章では、日常業務で使いやすいシンプルなテンプレートと、定例会議での報告に適したテンプレートを紹介します。
シンプルなテンプレート
日常的な進捗報告であれば、必要な項目だけをまとめたシンプルなテンプレートでも十分です。報告内容を短時間で整理できるため、小規模なプロジェクトや定期的な進捗共有にも活用しやすくなります。
テンプレート
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | 〇〇プロジェクト |
| 報告日 | 20XX年〇月〇日 |
| 報告者 | 〇〇 |
| 進捗状況 | 全体進捗率〇%、現在の状況 |
| 完了した作業 | 〇〇を完了 |
| 進行中の作業 | 〇〇を実施中 |
| 課題 | 発生している課題 |
| 対応状況 | 実施中の対応内容 |
| 今後の予定 | 次回までの予定 |
定例会議向けテンプレート
定例会議で使用する報告書は、進捗だけでなく課題や今後の予定まで一覧で確認できる構成にすると、会議をスムーズに進めやすくなります。
参加者全員が同じ情報を共有しやすくなるため、報告漏れや認識の違いも防ぎやすくなります。
テンプレート
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | 〇〇プロジェクト |
| 報告対象期間 | 20XX年〇月〇日~20XX年〇月〇日 |
| 全体進捗 | 予定どおり/遅延あり(進捗率〇%) |
| 今週完了した作業 | 〇〇 |
| 来週予定している作業 | 〇〇 |
| 発生中の課題 | 課題内容 |
| 対応策 | 実施中の対応内容 |
| 担当者 | 〇〇 |
| 対応期限 | 20XX年〇月〇日 |
| 備考 | 共有事項・連絡事項 |
プロジェクト報告書を作成する際の注意点
プロジェクト報告書は、必要な情報を記載するだけでなく、相手が理解しやすく判断しやすい内容にまとめることも重要です。
この章では、情報を詰め込みすぎない書き方や、事実と意見の分け方、報告相手に合わせた内容の調整方法について解説します。
情報を詰め込みすぎない
報告書には、必要な情報を分かりやすくまとめることが大切です。
報告対象期間に関係する進捗状況や成果、課題、今後の対応方針を中心に記載し、報告に直接関係しない経緯や細かな作業内容は必要に応じて省略しましょう。
伝えたい内容を絞ることで、関係者も短時間で現在の状況を把握しやすくなります。
事実と意見を分けて記載する
報告書では、確認できた事実と個人の考えや推測を分けて記載することを意識しましょう。
進捗率や完了した作業、発生した課題などは事実として記載し、今後の見通しや提案がある場合は、その内容が意見であることが分かるようにまとめます。
事実と意見を整理して書くことで、関係者も状況を正しく理解しやすくなります。
報告相手に合わせて内容を調整する
報告書は、提出先に合わせて記載する内容や説明の深さを調整すると伝わりやすくなります。
例えば、プロジェクトメンバー向けには作業状況や担当者、対応期限まで詳しく記載し、管理者向けには進捗率や課題の影響、判断が必要な事項を中心にまとめると効果的です。
相手が必要とする情報に絞って記載することで、重要な内容が伝わりやすくなります。
まとめ
プロジェクト報告書は、進捗状況や課題、今後の対応方針を関係者へ分かりやすく共有し、必要な判断につなげるための大切な文書です。
現在の状況を正確に伝えるだけでなく、課題への対応や今後の予定まで整理して記載することで、プロジェクト全体の状況を把握しやすくなります。
報告書を作成する際は、必要な項目を漏れなく記載し、事実と意見を分けながら、結論から分かりやすく伝えることを意識しましょう。
また、報告する相手に合わせて情報量を調整することで、より伝わりやすい報告書になります。
例文やテンプレートを活用すれば、毎回の作成負担を減らしながら、内容のばらつきも防げます。
まずは使いやすい形式を決めて継続的に活用し、誰が読んでも状況を理解しやすいプロジェクト報告書を目指してみてください。