リーダーシップとマネジメントスキル

グラフィックファシリテーションとは?目的や効果・グラレコとの違い

はじめに

会議で意見を出し合っているのに、話が広がるばかりで結論が見えない、参加者の認識が少しずつずれてしまうと感じたことはありませんか。

また、チーム内で出たアイデアや課題を整理したいけれど、文章や資料だけでは内容が伝わりにくく、どのように共有すればよいか迷うこともあるかもしれません。

この記事では、グラフィックファシリテーションとは何か、どのような目的で活用され、どんな効果が期待できるのかをわかりやすく解説します。

グラフィックファシリテーションとは?

グラフィックファシリテーションという言葉を聞いて、「イラストや図を使って会議を進める方法なのか」「グラレコとは何が違うのか」と疑問に感じる方もいるかもしれません。

ここでは、まずグラフィックファシリテーションの基本的な意味と、どのような目的で活用されるのかを順を追って説明していきます。

対話を可視化する手法

グラフィックファシリテーションは、参加者の発言を聞きながら、言葉や図、矢印などを使って対話の内容をその場で見える形にする手法です。

発言を書き写すだけではなく、意見同士のつながりや違いが分かるように整理して表現します。

そのため、参加者全員が内容を確認しながら、共通認識を持って話し合いを進めやすくなります。

議論の内容や参加者の考えを整理する目的で活用される

グラフィックファシリテーションは、議論で出た意見や考えを整理し、参加者全員が内容を共有しやすくする目的で活用されます。

発言同士の共通点や違いが見えやすくなるため、話題が広がった場合でも流れを確認しながら議論を進められます。

意見を整理しながら対話を深めたい場面で役立つ手法です。

グラフィックファシリテーションでできること

グラフィックファシリテーションは、単に会議の内容を書き残すための手法ではありません。

ここでは、グラフィックファシリテーションによって具体的に何ができるのかを解説します。

言葉になっていない意見や課題を見える形にできる

グラフィックファシリテーションでは、参加者が発言した内容だけでなく、対話の流れから見えてくる考えや課題も文字や図で整理できます。

関連する意見をつなげながら整理することで、本人も気づいていなかった考えや課題が見えやすくなります。

見える形で共有されるため、参加者も自分の考えを整理しながら対話を進めやすくなります。

参加者の認識をそろえて議論を進めやすくできる

グラフィックファシリテーションでは、発言内容を文字や図で共有することで、参加者全員が同じ内容を確認しながら話し合いを進められます。

認識の違いがあっても、その場で内容を見比べながら確認できるため、すれ違いを減らしやすくなります。

共通認識を持ちながら対話できることで、その後の議論も進めやすくなります。

複雑な情報を整理して本質的な課題を把握できる

グラフィックファシリテーションでは、複数の意見や情報を図や線で整理することで、それぞれの関係性を分かりやすくまとめられます。

情報が増えても全体の流れを見渡しやすくなるため、議論の中心となる課題や優先して考えるべきポイントを把握しやすくなります。

複雑なテーマでも、整理しながら話し合いを進められることが特徴です。

グラフィックファシリテーションのメリット

グラフィックファシリテーションは、議論の内容を整理するだけでなく、参加者同士のコミュニケーションを活性化し、話し合いの質を高める効果があります。

ここでは、グラフィックファシリテーションを取り入れることで得られる具体的なメリットを解説します。

参加者が発言しやすい環境をつくれる

グラフィックファシリテーションでは、発言した内容がその場で文字や図として共有されるため、参加者は安心して意見を出しやすくなります。

すでに出た意見を見ながら補足したり、別の視点を加えたりできるため、自然と対話に参加しやすくなります。

自分の考えが見える形で反映されることも、発言しやすい雰囲気づくりにつながります。

議論の流れや結論を共有しやすくなる

グラフィックファシリテーションでは、議論の内容を文字や図で残していくため、話し合いの流れや結論までの経緯を参加者全員で確認できます。

途中で出た意見や判断も見返しやすくなるため、結論だけでなく、そこに至る過程も共有しやすくなります。

議論後の認識のずれを防ぎたい場面でも役立ちます。

新しい気づきやアイデアを生み出しやすくなる

グラフィックファシリテーションでは、意見同士のつながりを図や線で整理することで、新たな視点や発想に気づきやすくなります。

別々に見えていた意見の共通点や関係性が見えるため、新しいアイデアにつながることも少なくありません。

参加者同士が互いの考えを広げながら対話を進めやすくなることも特徴です。

グラフィックファシリテーションが活用される場面

グラフィックファシリテーションは、会議や対話の場だけでなく、組織づくりや新しいアイデアを生み出す場面でも活用されています。

ここでは、グラフィックファシリテーションが実際にどのような場面で活用されているのかを解説します。

会議やワークショップで意見整理を行う場面

グラフィックファシリテーションは、会議やワークショップで多くの意見が出る場面でよく活用されます。

発言内容を整理しながら見える形で共有できるため、参加者はこれまでの議論を確認しつつ話し合いを進められます。

意見が増えても全体の流れを把握しやすいことが特徴です。

「会議をより円滑に進める方法を知りたい方は、ファシリテーションの基本もあわせて確認すると理解が深まります。」
ファシリテーションとは?役割・進め方・必要なスキルを解説

組織開発やチームづくりを進める場面

組織開発やチームづくりでは、メンバーそれぞれの考えや課題を共有する場面で活用されています。

意見を見える形で整理することで、共通する考えや認識の違いを確認しやすくなります。

チーム全体で課題を整理し、今後の方向性を話し合いたいときにも役立ちます。

新規事業や課題解決の議論を行う場面

新規事業の検討や課題解決に向けた話し合いでも、グラフィックファシリテーションは活用されています。

さまざまな意見を整理しながら全体像を共有できるため、重要な課題や次に検討すべきポイントを見つけやすくなります。

複雑なテーマについて議論を深めたい場面にも適した手法です。

グラフィックファシリテーションと似た手法との違い

グラフィックファシリテーションは、グラフィックレコーディングやファシリテーションなど、似た要素を持つ手法と混同されることがあります。

ここでは、グラフィックファシリテーションと関連する手法との違いを解説します。

グラフィックレコーディングとの違い

グラフィックファシリテーションとグラフィックレコーディングは、どちらも対話を文字や図で表す手法です。

違いは、描いた内容をその場の対話に活用するかどうかにあります。

グラフィックレコーディングは記録を目的とするのに対し、グラフィックファシリテーションは、描いた内容を見ながら参加者同士の対話を深めるために活用されます。

「グラフィックレコーディングとの違いをさらに詳しく知りたい方は、役割や活用場面を比較した記事も参考にしてください。」
グラフィックレコーディングとは?グラフィックファシリテーションとの違いを解説

ファシリテーションとの違い

ファシリテーションは、質問や進行を通して参加者の対話を円滑に進める手法です。

一方、グラフィックファシリテーションは、発言を文字や図で見える形にしながら議論を進める点が特徴です。

言葉だけでなく視覚的にも内容を共有できるため、参加者同士の認識を合わせやすくなります。

グラフィックファシリテーションが向いているケース・向いていないケース

グラフィックファシリテーションは、あらゆる場面で効果を発揮するわけではなく、目的や状況によって向き不向きがあります。

ここでは、グラフィックファシリテーションが向いているケースと、活用する際に注意したいケースについて解説します。

意見交換や対話を深めたい場面に向いている

グラフィックファシリテーションは、参加者同士が意見を出し合い、対話を深めたい場面に向いている手法です。

発言を見える形で共有できるため、それぞれの考えや意見の違いを確認しながら話し合いを進められます。

お互いの考えを理解し合い、議論を深めたい場面で活用しやすいことが特徴です。

情報を一方的に記録するだけの場面には向いていない

グラフィックファシリテーションは、参加者同士の対話を促すことを目的とした手法です。

そのため、発言や決定事項を記録として残すことだけが目的の場面には、あまり向いていません。

内容を共有しながら議論を深める必要がある場面でこそ、その特徴を活かしやすくなります。

グラフィックファシリテーションに必要なスキル

グラフィックファシリテーションを行うには、絵をきれいに描く技術だけが必要なわけではありません。

ここでは、グラフィックファシリテーションに必要となる具体的なスキルについて解説します。

絵の上手さより情報を整理する力が重要

グラフィックファシリテーションでは、絵を上手に描くことよりも、発言の内容を分かりやすく整理する力が大切です。

意見同士の関係や話の流れを見える形にまとめることで、参加者全員が内容を理解しやすくなります。

見やすく整理することが、対話を深めるうえで重要な役割を果たします。

相手の発言を理解して構造化する力が求められる

グラフィックファシリテーションでは、相手の発言を正しく理解し、内容のつながりを整理しながら表現する力が求められます。

似た意見をまとめたり、原因と結果の関係を整理したりすることで、議論の全体像を分かりやすく共有できます。

発言を書き写すだけではなく、内容を整理して伝えることが大切です。

「図で整理するスキルだけでなく、会議で意見を引き出す進行方法も身につけたい方は、ファシリテーターの役割を解説した記事も参考になります。」
ファシリテーターとは?役割・必要なスキル・進め方を解説

まとめ

グラフィックファシリテーションは、参加者の発言を見える形にしながら、対話や議論を整理して進めるための手法です。

意見の共通点や違いを共有しやすくなるため、会議やワークショップなど、多くの人が意見を出し合う場面で役立ちます。

また、大切なのは絵の上手さではなく、相手の話を理解し、内容を分かりやすく整理することです。

議論がまとまりにくいと感じる場面では、参加者全員で内容を確認しながら話し合える方法として、グラフィックファシリテーションを取り入れてみるとよいでしょう。

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