リーダーシップとマネジメントスキル

▶BCP(事業継続計画)とは?目的・作り方・策定手順をわかりやすく解説 

はじめに

「BCPってよく聞くけれど、具体的に何を決める計画なの?」
「自社でも策定したいけれど、何から手をつければいいの?」と迷っていませんか。

地震や台風などの災害、システム障害といったトラブルに備えてBCPの作成を任されたものの、必要な項目や手順が分からず、資料を前に迷ってしまうこともありますよね。

この記事では、BCPの基本的な意味と策定する目的から、作成時に決める内容、実際の策定手順までわかりやすく解説します。

BCP(事業継続計画)とは?

BCPについて理解するには、まずどのような計画を指すのかを整理したうえで、企業が策定する目的や必要とされている理由を知ることが大切です。

ここでは、BCPの基本的な意味、策定する目的、重要視される背景について順に説明します。

BCP(事業継続計画)とは

BCP(Business Continuity Plan)とは、災害や感染症、システム障害などが発生したときに、重要な事業をできるだけ継続し、停止した場合も早期復旧を目指すための計画です。

優先する業務や担当者、代替手段、復旧までの手順などを事前に決めておくことで、緊急時にも何から対応すればよいのか判断しやすくなります。

BCPを策定する目的

BCPを策定する目的は、緊急事態による事業への影響をできるだけ抑え、重要な業務を継続・早期復旧できるように備えることです。

優先する業務や復旧手順、担当者をあらかじめ決めておけば、突然のトラブルでも対応を進めやすくなり、事業が停止する期間の短縮につながります。

BCPが重要視される背景

BCPが重要視される背景には、地震や台風などの自然災害だけでなく、感染症の流行やシステム障害などによって、事業が突然停止する可能性があることが挙げられます。

緊急時には、普段と同じ人員や設備、システムを使えないこともあります。そのため、万が一の事態に備えて、事業を継続・復旧するための方法を平常時から決めておくことが大切です。

BCP(事業継続計画)に盛り込む主な内容

BCPを策定する際は、緊急時に優先して続ける業務を決め、事業に影響を与えるリスクや具体的な対応方法を整理しておく必要があります。

ここでは、BCPに盛り込む主な内容として、重要業務の特定、リスクの洗い出し、事業継続・早期復旧のための対策、緊急時の連絡体制と役割分担について説明します。

重要業務の特定

BCPでは、緊急時でも継続する必要がある業務や、停止した場合に優先して復旧する業務を決めておきます。

業務が停止したときの売上や顧客、取引先への影響を確認しながら、復旧する順番を整理します。

優先順位を明確にしておくことで、限られた人員や設備を重要な業務から割り当てやすくなります。

想定されるリスクの洗い出し

BCPでは、自然災害や感染症、システム障害など、事業に影響を与える可能性があるリスクを洗い出します。

それぞれについて、従業員が出勤できない、設備が使えない、システムが停止するといった影響を確認します。

起こり得る状況をあらかじめ整理しておくことで、必要な備えや対策を考えやすくなります。

事業継続・早期復旧のための対策

重要な業務を継続・早期復旧するために、普段使っている人員や設備、システムが利用できない場合の代替手段を決めておきます。

あわせて、業務を再開するまでの手順や優先順位を整理し、緊急時にも担当者が迷わず対応できるようにします。

事前に対応方法を決めておくことで、事業が停止する時間を短くしやすくなります。

緊急時の連絡体制と役割分担

緊急時にスムーズに対応できるよう、誰が指示を出し、誰が各業務を担当するのかを事前に決めておきます。

また、従業員への連絡方法や順番、電話やメールなどの連絡手段も整理しておきましょう。

担当者が対応できない場合の代行者まで決めておくと、特定の人が不在でも必要な連絡や対応を進めやすくなります。

BCP(事業継続計画)の作り方・策定手順

BCPを作る際は、最初から細かな対策を決めるのではなく、現状を分析して優先する業務を明確にし、想定されるリスクに合わせて対応方法を整理していきます。

ここでは、BCPを策定する基本的な手順を順に説明します。

現状を分析して重要業務を決める

まずは、自社で行っている業務を洗い出し、それぞれが停止した場合に売上や顧客、取引先へどのような影響があるのかを確認します。

そのうえで、影響が大きい業務から優先順位を付け、緊急時にも継続する業務や早めに復旧する業務を決めます。

あわせて、それぞれの業務に必要な人員や設備、システムも整理しておきましょう。

リスクごとの対策を検討する

重要業務を決めたら、自然災害や感染症、システム障害など、想定されるリスクごとに対策を考えます。

人員が不足する、設備が停止する、システムが使えなくなるといった状況を想定し、それぞれの代替手段を用意しておきます。

事前に対応方法を整理しておけば、実際の状況に合わせて必要な行動を取りやすくなります。

事業継続のための体制を整備する

緊急時にも事業を継続できるよう、責任者や各業務の担当者を決め、誰が何を行うのかを明確にしておきます。

責任者が不在の場合に備えて代行者を決めるほか、従業員への連絡方法や指示を出す順番も整理します。

担当者や連絡経路をあらかじめ共有しておくことで、緊急時にも決めた手順に沿って対応しやすくなります。

BCPの策定例・イメージ

BCPでは、緊急事態が発生してから事業を復旧するまでに、何をするのかを順番に整理します。

たとえば、「従業員の状況を確認する」「重要業務の被害状況を確認する」「代替手段へ切り替える」「優先順位に沿って業務を復旧する」といった流れです。

それぞれの段階で担当者と行動を決めておけば、緊急時にどのように動けばよいのか分かりやすくなります。

訓練・見直しを行い継続的に改善する

BCPを策定した後は、計画に沿って訓練を行い、決めた手順で対応できるか確認します。

連絡がつかない、判断に時間がかかる、代替手段が使えないといった問題が見つかった場合は、手順や役割分担を見直しましょう。

組織体制や業務内容が変わったときにも内容を見直し、実際の状況に合ったBCPへ更新していくことが大切です。

BCP(事業継続計画)を策定する際のポイント

BCPは、計画を作成するだけでなく、緊急時に実際に使える内容にしておくことが大切です。

ここでは、BCPを策定・運用する際に押さえておきたいポイントを順に説明します。

実際に運用できる内容にする

BCPは、緊急時に担当者が迷わず動けるよう、具体的な手順まで決めておくことが大切です。

誰が指示を出すのか、誰が重要業務を担当するのか、普段の設備やシステムが使えない場合は何に切り替えるのかを整理します。

担当者が不在の場合に備えて代行者も決めておくと、状況が変わっても計画に沿って対応しやすくなります。

全社員に周知し定期的に訓練を行う

策定したBCPは全社員で共有し、緊急時の連絡方法や自分が担当する行動を確認できるようにしておきます。

定期的に訓練を行い、連絡や状況確認、重要業務の継続・復旧までを決めた手順に沿って実践します。

訓練を通して実際に動けるかを確認しておくことで、いざというときにも落ち着いて対応しやすくなります。

定期的に見直し・更新する

BCPは一度策定して終わりではなく、事業内容や人員体制、設備、システムなどの変化に合わせて見直すことが大切です。

訓練を行った際に、連絡先の不備や対応手順の問題が見つかった場合も、必要な部分を修正します。

定期的に内容を確認して更新することで、緊急時に活用できる状態を保ちやすくなります。

BCP(事業継続計画)に関するよくある質問

BCPを策定する際は、「防災計画とは何が違うのか」「中小企業でも用意する必要があるのか」と疑問に感じることがあります。

ここでは、BCPと防災計画の違いや中小企業における必要性、見直しの頻度について、よくある質問に沿って説明します。

BCPと防災計画の違いは何ですか?

BCPと防災計画では、主な目的に違いがあります。

防災計画は、災害が発生したときの避難や安否確認など、人命や設備を守るための対応を定めるものです。

一方、BCPは被害を受けた後も重要な業務をできるだけ継続し、停止した業務を早期に復旧するための手順や優先順位を定めます。

中小企業にもBCPは必要ですか?

中小企業でも、災害や感染症、システム障害などによって事業が停止する可能性があるため、BCPを策定しておくことが大切です。

特に人員や設備が限られている場合は、一部の従業員が出勤できない、主要な設備が使えないといった状況も考えられます。

こうした場合に備えて、代行者や代替手段をあらかじめ決めておくと、重要な業務を継続しやすくなります。

BCPはどのくらいの頻度で見直すべきですか?

BCPは年1回を目安に内容を確認し、現在の事業内容や人員体制に合っているかを見直しましょう。

また、組織や設備、システム、連絡先などに変更があった場合は、その都度必要な部分を更新します。

訓練で問題が見つかったときも手順や役割分担を見直し、実際に使える状態を保つことが大切です。

まとめ

BCP(事業継続計画)は、災害やシステム障害などに備え、重要な業務を継続・早期復旧するための計画です。

重要業務や想定されるリスクを整理し、代替手段や連絡体制、役割分担を決めておきます。

策定後も訓練や見直しを行い、実際に使える状態を保つことが大切です。まずは自社で優先したい業務を整理するところから、無理なく準備を進めてみましょう。

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