目次
はじめに
「患者さんのモニターに突然不整脈が出たら、まず何を確認すればいいの?」
「波形がいつもと違うけれど、すぐに医師へ報告するべき?」と不安に感じていませんか。
病棟で心電図モニターのアラームが鳴り、見慣れない波形が表示されると、患者さんのもとへ行くべきか、モニターを確認するべきか、どの順番で動けばよいのか迷ってしまうことがありますよね。
この記事では、不整脈が出現したときに看護師がまず確認することから、観察する項目、医師へ報告する際のポイント、緊急性が高い場合の対応までわかりやすく解説します。
不整脈が出現したときに看護師が最初に行う対応は?
不整脈が出現したときは、心電図モニターの波形だけに注目するのではなく、まず患者の意識・呼吸・循環状態を確認することが大切です。
ここでは、不整脈を確認したときに看護師が最初に行いたい対応を順に説明します。
まずは患者の意識・呼吸・循環状態を確認する
不整脈に気づいたら、まず患者のもとへ行き、呼びかけへの反応や呼吸の状態、脈拍、血圧を確認しましょう。
意識がない、正常な呼吸がない、脈拍を触知できない場合は、緊急性が高いため速やかな対応が必要です。
意識や呼吸、脈拍が保たれている場合も、血圧が低下していないかなど、循環状態に変化がないか確認します。
モニターだけで判断せず患者の状態を優先する
モニターに異常な波形が表示されても、波形だけで判断せず、患者の意識や呼吸、脈拍などを直接確認することが大切です。
体動や電極の外れによって、不整脈のような波形が表示されることもあります。
患者の状態とモニター波形が合わないと感じたときは、電極が正しく装着されているかも確認しましょう。
緊急性を判断して応援要請・医師へ連絡する
患者の意識や呼吸、脈拍、血圧を確認したら、その状態から緊急性を判断します。
意識がない、正常な呼吸がない、脈拍を触知できないなど生命に関わる状態では、すぐに応援を要請し、院内の緊急対応につなげましょう。
意識や呼吸、脈拍が保たれている場合も、不整脈の波形と患者の状態を整理し、施設の手順に沿って医師へ連絡します。
不整脈出現時に確認すべき観察項目
不整脈が出現したときは、波形の種類を確認するだけでなく、患者の全身状態や自覚症状をあわせて観察することが大切です。
ここでは、不整脈出現時に確認すべき観察項目を順に説明します。
ABC・バイタルサイン・意識レベルを確認する
不整脈が出現したら、まず気道が保たれているか、呼吸があるか、脈拍を触知できるかを確認しましょう。
続いて血圧、脈拍数、呼吸数、SpO₂、体温を測定し、不整脈が出る前の値と比べて変化がないか確認します。
意識レベルについても呼びかけへの反応を見ながら、普段より反応が鈍い、会話がうまく成立しないといった変化がないか観察します。
胸痛・呼吸困難・めまい・失神などの症状を確認する
患者に胸痛や息苦しさ、めまい、ふらつきがないかを確認し、失神や一時的な意識消失がなかったかも聞いておきましょう。
症状がある場合は、いつから始まったのか、不整脈が出現したタイミングと重なっているかを確認します。
不整脈の出現時刻と症状をあわせて確認しておくと、患者の状態がどのように変化したのかを把握しやすくなります。
モニター異常か患者の異常かを切り分ける
モニターに異常な波形が表示されたら、まず患者の意識や呼吸、脈拍を直接確認し、波形と実際の状態が一致しているかを確かめます。
患者の状態に変化がなければ、電極の外れや浮き、リード線の接続、体動による影響がないかも確認しましょう。
電極やリード線を整えても異常波形が続く場合は、モニターの問題だけと決めつけず、不整脈の可能性を考えて確認を続けることが大切です。
状態に応じた不整脈出現時の対応
不整脈が出現したときの対応は、患者の循環動態が安定しているか、緊急性が高い状態かによって変わります。
ここでは、患者の状態に応じた不整脈出現時の対応を順に説明します。
循環動態が安定している場合の対応
意識が保たれ、呼吸状態や血圧に大きな変化がない場合は、心電図モニターを継続しながら、脈拍や血圧、呼吸数、SpO₂を確認します。
不整脈が出現した時刻や持続時間、心拍数を確認し、胸痛や息苦しさ、めまいなどの症状がないかも観察しましょう。
その後も患者の状態や波形に変化がないか注意し、変化がみられた場合は改めて状態を確認します。
緊急時の初期対応と応援要請の流れ
意識がない、正常な呼吸がない、脈拍を触知できない場合は、すぐに応援を要請し、院内の緊急対応手順に沿って対応します。
心停止と判断した場合は胸骨圧迫を開始し、AEDや除細動器を準備しましょう。
脈拍があっても意識状態の悪化や著しい血圧低下がみられる場合は、一人で対応を続けず、速やかに応援を求めて医師への連絡につなげます。
12誘導心電図・経過観察・記録を行うタイミング
患者の状態が保たれている場合は、不整脈が出現している間に12誘導心電図を記録し、波形を残しておきます。
その後も心電図モニターやバイタルサインを確認し、不整脈が消失したか、再び出現していないかを観察しましょう。
記録には出現時刻や波形、心拍数、症状、バイタルサインのほか、医師へ報告した時刻や行った対応、その後の変化を残します。
医師へ報告するときのポイント
不整脈が出現して医師へ報告するときは、患者の状態を短時間で正確に伝えられるよう、必要な情報を事前に整理しておくことが大切です。
ここでは、報告前に整理しておきたい情報と、医師へ具体的に伝える内容について説明します。
報告前に整理しておくべき情報
医師へ報告する前に、不整脈が出現した時刻や波形の種類、心拍数、持続時間を確認しておきましょう。
あわせて意識状態や血圧、脈拍、呼吸数、SpO₂のほか、胸痛や息苦しさ、めまいなどの症状がないかも整理します。
不整脈が出現してから行った観察や対応、その後の患者の状態や波形の変化まで確認しておくと、必要な情報をスムーズに伝えやすくなります。
いつ・どんな不整脈・症状・バイタル・実施した対応を伝える
医師へ報告するときは、まず不整脈がいつ出現したのかを伝え、波形の種類や心拍数、現在も続いているのか、すでに消失しているのかを説明します。
続いて胸痛や息苦しさ、めまいなどの症状と、血圧や脈拍、呼吸数、SpO₂、意識状態を具体的に伝えましょう。
最後に、12誘導心電図の記録や経過観察など、すでに行った対応と現在の患者の状態を伝えると、状況を共有しやすくなります。
不整脈出現後に行う記録と継続観察
不整脈への初期対応が終わったあとも、出現時の状況や患者の状態、実施した対応を看護記録に残し、その後の変化を継続して確認することが大切です。
ここでは、不整脈出現後に看護記録へ残す内容と、再発や状態変化を捉えるための観察ポイントについて説明します。
看護記録に残すべき内容
看護記録には、不整脈が出現した時刻や波形の種類、心拍数、持続時間を記載します。
あわせて、出現時の意識状態や血圧、脈拍、呼吸数、SpO₂のほか、胸痛や息苦しさ、めまいなどの症状がなかったかも残しておきましょう。
さらに、医師へ報告した時刻や内容、行った対応、その後の波形や症状、バイタルサインの変化まで記録します。
再発や状態変化を継続して観察するポイント
初期対応を終えたあとも心電図モニターを確認し、不整脈が再び出現していないか、心拍数や波形に変化がないかを観察します。
意識状態や血圧、脈拍、呼吸数、SpO₂に加えて、胸痛や息苦しさ、めまいなどの症状が新たに出ていないかも確認しましょう。
不整脈が再び出現した場合や、バイタルサインや症状に変化がみられた場合は、その時点で患者の状態を改めて確認することが大切です。
不整脈対応で看護師が押さえたいポイント
不整脈に対応するときは、心電図波形だけで判断せず、患者の症状とバイタルサインを合わせて状態を評価することが大切です。
ここでは、不整脈対応で看護師が押さえておきたいポイントを順に説明します。
患者の症状とバイタルを合わせて評価する
不整脈を確認したら、心電図の波形だけで判断せず、胸痛や息苦しさ、めまい、意識状態なども確認しましょう。
あわせて血圧や脈拍、呼吸数、SpO₂を測定し、不整脈が出る前と比べて変化がないかを確認します。
波形だけでなく、症状やバイタルサインも一緒に見ることで、患者の状態をより正確に把握しやすくなります。
落ち着いて優先順位に沿って対応する
不整脈が出現したら、まず患者の意識や呼吸、脈拍を確認し、続いて血圧やSpO₂などのバイタルサインを確認します。
そのうえで心電図の波形や症状を確認し、緊急性が高い場合は応援を要請して医師への連絡につなげましょう。
確認する順番を意識しておくと、患者の状態を優先しながら必要な対応を進めやすくなります。
異常を見逃さないためにチームで情報共有する
不整脈が出現した時刻や波形、心拍数、症状、バイタルサイン、行った対応については、チーム内で共有しておきましょう。
勤務交代時には不整脈が消失していても、出現した回数や持続時間、その後の状態変化まで申し送ります。
必要な情報を共有しておくことで、次の担当者も不整脈の再出現や症状、バイタルサインの変化を継続して確認しやすくなります。
まとめ
不整脈が出現したときは、心電図の波形だけで判断せず、まず患者の意識や呼吸、脈拍、バイタルサイン、症状を確認することが大切です。
緊急性が高い場合はすぐに応援を要請し、必要な対応につなげましょう。
患者の状態が安定していても、その後の変化を観察し、医師への報告や記録を行います。「患者の状態確認→緊急性の判断→対応・報告→継続観察」の流れを意識し、チームで情報を共有しながら対応していきましょう。