目次
はじめに
「何度教えても同じところでミスをするのは、本人にやる気がないから?」
「指示した仕事はこなせるのに、自分で考えて動けるようにならないのはなぜ?」と感じていませんか。
業務の手順を説明したり、ミスをするたびに注意したりしているのに、なかなか仕事を任せられる状態にならないと、どのように指導すればよいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、部下が成長しない主な原因と、上司が見直したい指導方法について順を追って説明していきます。
部下が成長しないと感じるときに確認したいことは?
部下が思うように成長していないと感じたときは、本人の能力や意欲だけを原因と考えるのではなく、上司側の見方も整理することが大切です。
ここでは、部下が成長しないと判断する前に確認しておきたいポイントを説明します。
期待する成長の基準が明確になっているか
部下の成長を判断するには、「一人で担当業務を完了できる」「期限までに報告できる」など、求める状態を具体的に決めておくことが大切です。
基準が曖昧だと上司の感覚で評価が変わり、実際の成長を見落としてしまうことがあります。
短期間の結果だけで成長していないと判断していないか
1週間や1か月など、短期間の結果だけで成長していないと判断するのは避けましょう。
成果が数字に表れていなくても、作業時間が短くなった、同じミスが減ったなど、以前と比べて変化している部分を確認することが大切です。
部下によって成長のスピードや得意分野は異なる
部下によって、仕事を覚れるまでの期間や得意な業務は異なります。
同僚と比べるだけではなく、以前より一人でできる業務が増えているかなど、本人の変化に目を向けることで、その人なりの成長を判断しやすくなります。
部下本人に成長しない原因があるケース
部下がなかなか成長しない場合は、指導方法や職場環境だけでなく、本人の仕事への向き合い方が影響していることもあります。
ここでは、部下本人に成長しない原因がある場合に考えられる主な状態を説明します。
仕事の目的や目標を理解できていない
仕事の目的や目標を理解できていないと、何を優先して行動すればよいのか判断しにくくなります。
「何を達成するのか」「いつまでに完了するのか」などを本人が説明できない場合は、目の前の作業をこなすだけになり、自分で次の行動を決めにくくなります。
指示を待つことが習慣になっている
上司から指示されるまで動かない状態が続くと、自分で考えて仕事を進める機会が少なくなります。
担当業務が終わるたびに次の指示を待つ、判断できる内容でも上司に確認するといった状態が続いていないか確認してみましょう。
失敗を恐れて自分で判断できない
失敗を強く恐れていると、自分で判断できる場面でも上司の確認を待つようになることがあります。
必要な情報がそろっていても判断を避ける状態が続くと、自分で決めて結果を振り返る経験が増えず、判断できる業務の範囲も広がりにくくなります。
仕事への意欲や成長意欲が低下している
仕事への意欲が低下すると、新しい業務を覚えたり、できる仕事を増やしたりするための行動も少なくなります。
新しい業務に取り組もうとしない、必要な知識を覚えようとしないといった様子が続く場合は、意欲が低下している可能性も考えられます。
上司の関わり方に部下が成長しない原因があるケース
部下が思うように成長しない場合は、本人だけでなく、上司の指示や仕事の任せ方に原因がないか確認することも大切です。
ここでは、上司の関わり方に原因があるケースを具体的に説明します。
指示が曖昧で求める成果を伝えられていない
上司が求める成果を具体的に伝えていないと、部下は何を基準に仕事を進めればよいのか迷ってしまいます。
「早めに対応する」「きちんと仕上げる」だけではなく、期限や完成条件、優先順位まで伝えることで、自分で仕事を進めやすくなります。
細かく指示しすぎて考える機会を奪っている
上司が作業の手順や進め方まで細かく指示すると、部下が自分で考えて判断する機会が少なくなります。
毎回「何をするか」「どの順番で進めるか」まで決めてしまうと、指示どおりに動くことが中心になり、自分で仕事を進める力が身につきにくくなります。
仕事を任せず上司が抱え込んでいる
部下に任せられる仕事まで上司が抱え込んでいると、新しい業務を経験する機会が少なくなります。
最初からすべて任せる必要はありませんが、確認やサポートをしながら少しずつ任せることで、できる仕事の範囲を広げやすくなります。
結果だけを見てフィードバックしている
結果だけを見て評価すると、部下は仕事のどこを改善すればよいのか分かりにくくなります。
結果だけではなく仕事の進め方や判断した内容も確認し、できていた点と改善したい点を具体的に伝えることが大切です。
部下の話を聞かず一方的に指導している
部下の話を聞かずに指導すると、本人がどこで困っているのかを十分に把握できないことがあります。
まずは「どこまでできたか」「どこで迷ったか」を聞き、その内容に合わせてアドバイスすることで、必要な部分をサポートしやすくなります。
職場環境や仕事内容に部下が成長しない原因があるケース
部下が成長しない原因は、本人や上司だけでなく、職場環境や任せている仕事内容にある場合もあります。
ここでは、部下の成長を妨げる職場環境や仕事内容について説明します。
部下の能力や経験と任せている仕事が合っていない
部下の能力や経験に対して仕事が難しすぎると、一人で判断できない場面が増えてしまいます。
反対に、すでにできる仕事ばかりでは新しい経験を積みにくいため、現在の能力を確認しながら、少しずつ難易度を上げていくことが大切です。
質問や相談をしにくい環境になっている
質問や相談をしにくい環境では、部下が判断に迷ったまま仕事を進めたり、作業を止めたりすることがあります。
質問したときに強く否定される、上司が忙しく声をかけにくいといった状況がないか確認し、必要なときに相談できる環境を整えましょう。
挑戦や失敗から学べる機会が不足している
新しい仕事に挑戦する機会が少ないと、自分で考えて判断し、結果から学ぶ経験を積みにくくなります。
失敗を避けるために経験済みの仕事だけを任せるのではなく、上司がサポートできる範囲で新しい仕事にも挑戦してもらうことが大切です。
部下の成長を促すために上司が見直したい指導方法
部下の成長を促すには、単に指示を増やすのではなく、本人が目標を理解し、自分で考えながら経験を積めるように関わることが大切です。
ここでは、部下の成長を促すために上司が見直したい指導方法を説明します。
目標と期待する状態を具体的に共有する
部下に目標を伝えるときは、「いつまでに」「何を」「どの状態までできれば達成なのか」を具体的に共有します。
上司と部下が同じ基準を持つことで、本人も目標に向けて何をすればよいのか判断しやすくなります。
答えをすぐ教えず部下自身に考えてもらう
部下から質問されたときは、すぐに答えを教えるのではなく、まず「自分ではどう考えているか」を聞いてみましょう。
そのうえで必要な部分を補うようにすると、部下が自分で考えて判断する経験を積みやすくなります。
能力や経験に合わせて段階的に仕事を任せる
仕事を任せるときは、部下の能力や経験を確認しながら、少しずつ任せる範囲を広げていきます。
最初は上司が途中で確認し、慣れてきたら確認する回数を減らすことで、一人で対応できる仕事を増やしていけます。
結果だけでなく行動や過程もフィードバックする
フィードバックでは、目標を達成できたかだけでなく、仕事をどのように進めたかも確認することが大切です。
できていた点と改善したい点を具体的に伝えることで、部下も次の仕事で何を意識すればよいのか分かりやすくなります。
定期的に振り返りと相談の時間を設ける
問題が起きたときだけではなく、週1回や月1回など定期的に振り返る時間を設けましょう。
目標の進み具合やできるようになったこと、困っていることを一緒に確認することで、必要なタイミングでサポートや指導を見直しやすくなります。
部下に合わせて指導方法を変えるポイント
部下を育成するときは、全員に同じ指導をするのではなく、経験や理解度に合わせて関わり方を変えることが大切です。
ここでは、部下の状態に合わせて指導方法を調整するポイントを説明します。
経験が浅い部下には手順と判断基準を具体的に伝える
経験が浅い部下には、仕事を任せきりにせず、作業の順番や判断基準を具体的に伝えることが大切です。
「どの状態になったら次へ進むか」「どの段階で上司に確認するか」まで共有しておくと、部下も迷わず仕事を進めやすくなります。
経験を積んだ部下には裁量を広げて任せる
一人で対応できる仕事が増えてきたら、少しずつ本人が判断できる範囲を広げていきます。
期限や求める成果を共有したうえで、仕事の順番や進め方を本人に任せることで、自分で考えて仕事を完了する経験を積みやすくなります。
失敗したときは原因と次の行動を一緒に整理する
部下が失敗したときは、注意するだけで終わらせず、どの行動や判断が結果につながったのかを一緒に振り返ります。
そのうえで、次はどのように行動すればよいのかまで整理すると、失敗を次の仕事に活かしやすくなります。
質問や相談ができるタイミングを決めておく
部下が質問や相談をため込まないように、上司へ確認できるタイミングを決めておくことも大切です。
毎日の始業時や終業前、週1回の面談など、相談できる時間が分かっていれば、疑問や困っていることも伝えやすくなります。
指導方法を見直しても部下が成長しないときの対応
指導方法を見直しても部下の成長が見られない場合は、同じ関わり方を続けるのではなく、目標や仕事内容そのものを改めて確認することが大切です。
ここでは、指導を見直しても成長につながらない場合の対応について説明します。
本人と目標や課題の認識をすり合わせる
指導方法を変えても成長が見られない場合は、上司と部下で目標や課題の認識が合っているか確認します。
「いつまでに」「何を」「どの状態までできるようになるか」を改めて共有し、できていることや改善したいことを整理して、次に取り組む行動を決めましょう。
仕事内容や役割が本人に合っているか見直す
目標や課題を共有しても成長につながらない場合は、現在の仕事内容や役割が本人に合っているか見直します。
一人でできる仕事と繰り返しつまずく仕事を整理し、本人の能力や経験に対して、仕事の難易度や役割が適切か確認することが大切です。
上司だけで抱えず人事やほかの管理職に相談する
指導方法や仕事内容を見直しても改善が見られない場合は、上司一人で抱え込まず、人事やほかの管理職に相談しましょう。
これまでの指導内容や本人の変化、現在の課題を共有することで、別の視点から今後の対応を考えやすくなります。
まとめ
部下が成長しないと感じたときは、本人の能力や意欲だけで判断せず、上司の関わり方や仕事内容、職場環境も含めて原因を考えることが大切です。
まずは目標を具体的に共有し、部下の経験に合わせて少しずつ仕事を任せていきましょう。
すぐに変化が見られない場合は、仕事内容や指導方法を見直し、必要に応じて人事やほかの管理職に相談しながら、その部下に合った育て方を考えていくことが大切です。