目次
はじめに
「フォロワー企業とニッチャー企業は、どちらもリーダー企業ではないのに何が違うのだろう」
「フォロワー企業も得意分野を絞れば、ニッチャー企業になれるのではないだろうか」と迷っていませんか。
マーケティングのレポートや企業分析で競争地位を整理しようとすると、規模が中位の企業をどう分類すればよいのか分からず、説明の途中で手が止まってしまうことがありますよね。
この記事では、フォロワー企業とニッチャー企業の違いや、フォロワー企業が簡単にニッチャーへ転身できない理由を順を追って説明していきます。
フォロワー企業とニッチャー企業の違い
フォロワー企業とニッチャー企業は、どちらも市場のトップ企業ではない立場として扱われることがあります。
ここでは、まずフォロワー企業とニッチャー企業の意味を整理し、そのうえで両者の違いを確認していきます。
フォロワー企業とは
フォロワー企業とは、市場で成功している商品やサービスを参考にしながら、同じ市場で事業を展開する企業です。
先行企業の価格や機能、販売方法などを参考にし、需要を確認してから商品を投入する傾向があります。
新しい市場を一から開拓するよりも、すでにある需要を取り込むことで、開発や販売のリスクを抑えやすい点が特徴です。
ニッチャー企業とは
ニッチャー企業とは、市場全体を広く狙うのではなく、特定の顧客や用途、地域などに絞って商品やサービスを提供する企業です。
大手企業が十分に対応しにくい細かなニーズに応えることで、限られた市場の中で強みを発揮します。
特定の分野に人員や開発費を集中させ、専門性を高めやすい点が特徴です。
フォロワー企業とニッチャー企業の違い
フォロワー企業とニッチャー企業の違いは、主に狙う市場と競争の仕方にあります。
フォロワー企業は、すでに成功している商品やサービスを参考にしながら、既存市場で売上を確保していきます。
一方、ニッチャー企業は対象を特定の顧客や用途などに絞り、その市場に合った商品やサービスで選ばれることを目指します。
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身しない理由
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身するには、単に大手企業と違う商品を出すだけでは足りません。
ここでは、フォロワー企業がニッチャー企業へ転身しにくい理由を、差別化・専門性・市場規模・投資リスク・経営資源の面から確認していきます。
独自の強みや差別化要素が必要
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身するには、特定の市場で選ばれるための強みが必要です。
価格を少し下げるだけではなく、細かな要望への対応や独自のサービスなど、「この会社を選びたい」と思ってもらえる理由を作らなければなりません。
こうした差別化要素を新たに築くには時間がかかるため、簡単に転身できるとは限りません。
独自技術や専門性が不足している場合がある
ニッチ市場では、特定の分野に詳しい知識や技術が求められることがあります。
これまで幅広い市場で先行企業の商品やサービスを参考にしてきたフォロワー企業の場合、特定分野の専門性が十分に蓄積されていないこともあります。
そのため、必要な技術や知識を身につけるまでに時間がかかり、すぐにニッチャー企業へ転身するのが難しい場合があります。
市場規模が小さくなる
ニッチャー企業になると、特定の顧客や用途などに対象を絞るため、販売できる市場も小さくなります。
これまで幅広い顧客を対象に売上を確保してきたフォロワー企業にとっては、販売数量が減る可能性も考えなければなりません。
そのため、狭い市場でも十分な利益を確保できる見込みがなければ、転身を決断しにくくなります。
新たな投資やリスクが発生する
ニッチャー企業へ転身するには、特定の顧客や用途に合わせた商品開発や人材の確保、販売先の開拓などが必要になる場合があります。
そのため、売上が安定する前に開発費や人件費などの負担が増えることもあります。
投資した資金を回収できるとは限らないため、フォロワー企業にとって転身には一定のリスクがあります。
経営資源が不足している
ニッチャー企業として特定の市場で強みを築くには、人員や資金、設備などの経営資源を集中させる必要があります。
しかし、フォロワー企業によっては、既存事業を続けながら新しい分野に十分な経営資源を振り向けることが難しい場合もあります。
そのため、必要な人材や資金を確保できなければ、ニッチャー企業への転身は進めにくくなります。
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身できる条件
フォロワー企業でも、すべての場合にニッチャー企業へ転身できないわけではありません。
ここでは、フォロワー企業がニッチャー企業へ転身できる条件を、強み・市場選定・専門性の面から確認していきます。
特定分野で強みを持っている場合
フォロワー企業でも、特定の用途への対応力や地域の販売ルートなど、すでに強みを持っている場合があります。
その強みを活かして対象となる顧客や用途を絞れば、ニッチ市場に合った商品やサービスを提供しやすくなります。
顧客から選ばれる理由が明確であれば、ニッチャー企業への転身も進めやすくなります。
大手企業が参入しにくい市場を見つけた場合
大手企業が参入しにくい市場を見つけた場合も、ニッチャー企業へ転身できる可能性があります。
顧客数が限られていたり、細かな対応が求められたりする市場は、大手企業にとって参入のメリットが小さいこともあります。
こうした市場に対象を絞ることで、大手との競争を避けながら独自の立場を築きやすくなります。
技術力や専門性を活かせる場合
これまでの事業で蓄積した技術力や専門知識を特定の市場に活かせる場合も、ニッチャー企業への転身につながります。
たとえば、加工技術や商品改良のノウハウなどを活かせば、顧客の細かな要望に応えやすくなります。
価格だけではなく、技術や専門性を理由に選ばれるようになれば、ニッチ市場で強みを発揮しやすくなります。
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身しないのは合理的な選択でもある
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身しないことは、必ずしも消極的な判断とは限りません。
ここでは、フォロワー企業がニッチャー企業へ転身しないことが合理的な選択になる理由を確認していきます。
市場の成功事例を活用できる
フォロワー企業は、先行企業の商品やサービスがどのように売れているのかを参考にできます。
顧客の反応や価格帯、販売方法などを確認してから動けるため、需要を予測しやすい点がメリットです。
すでにある成功事例を活かせるので、無理にニッチャー企業へ転身しないことも合理的な選択といえます。
開発や市場開拓のリスクを抑えられる
フォロワー企業は、すでに需要が確認されている市場を参考にして商品やサービスを展開できます。
そのため、需要があるか分からない市場を一から開拓するよりも、開発費や広告費を無駄にするリスクを抑えやすくなります。
限られた人員や資金を活かすうえでも、現在の戦略を続けることが現実的な場合があります。
安定した事業運営につながる場合がある
すでに需要のある市場で事業を続けることが、安定した経営につながる場合もあります。
既存の販売ルートや生産体制を活かせれば、新しい分野に大きな投資をする必要もありません。
現在の売上や事業基盤が安定している企業にとっては、無理にニッチャー企業へ転身しないことも一つの選択肢です。
まとめ
フォロワー企業とニッチャー企業は、どちらも市場のトップを追う立場ですが、競争の仕方が異なります。
フォロワー企業は市場の成功事例を参考にしながら事業を展開し、ニッチャー企業は特定の顧客や用途に絞って独自の強みを発揮します。
フォロワー企業がニッチャー企業へ転身するには、対象を絞るだけでなく、その市場で選ばれる専門性や技術力が必要です。
売上の上限が下がったり、新たな商品開発や販路づくりに費用がかかったりするため、簡単に転身できるわけではありません。
一方で、自社の強みを活かせる市場が見つかれば、ニッチャーを目指すことも選択肢になります。
大切なのは、無理に立場を変えることではなく、自社の強みや顧客のニーズを見ながら、どの市場で価値を発揮できるのかを考えることです。
フォロワーとして安定した事業を続けることも、特定の市場で強みを磨くことも、企業に合った戦略であれば十分に意味のある選択といえるでしょう。