目次
はじめに
「インクルージョンとインクルーシブは何が違うの?」
「どちらも似た言葉だけれど、どう使い分ければいいの?」
「会社や学校でよく聞くけれど、意味がよく分からない」と感じたことはありませんか。
インクルージョンとインクルーシブはどちらも「誰も取り残さず、一人ひとりを大切にする」という考え方に関係する言葉ですが、意味や使われ方には違いがあります。
この記事では、まずインクルージョンとインクルーシブそれぞれの意味をわかりやすく紹介し、そのあとで両者の違いや使い分け方、実際によく使われる場面を順を追って解説します。
インクルージョンとインクルーシブの違い
インクルージョンとインクルーシブは似た言葉ですが、それぞれ意味や使われ方が異なります。
ここでは、それぞれの意味と違いを順番に確認しながら、混同しやすいポイントをわかりやすく整理します。
インクルージョン
インクルージョンとは、年齢や性別、国籍、障がいの有無などの違いがある人も同じ場所で過ごし、それぞれが無理なく参加できる環境をつくるという考え方です。
「包み込む」とは、特定の人だけを別の場所に分けるのではなく、一人ひとりが同じ集団の中で学んだり働いたりできるようにすることを指します。
そのため、インクルージョンは、人を区別せず同じ場に受け入れることを大切にする考え方として使われます。
インクルーシブ
インクルーシブとは、年齢や性別、国籍、障がいの有無などに関係なく、誰も仲間外れにせず、同じ場所で安心して参加できる状態を表す言葉です。
「誰も排除しない」とは、一部の人だけが利用できたり参加できたりするのではなく、できるだけ多くの人が同じ環境で過ごせることを意味します。
そのため、インクルーシブは、人や場所、制度などが誰でも参加しやすい状態であることを表すときに使われます。
インクルージョンとインクルーシブはどう違う?
インクルージョンは、年齢や性別、国籍、障がいの有無などに関係なく、一人ひとりが同じ場所で参加できるようにする考え方を指します。
一方、インクルーシブは、その考え方が実際に反映され、誰も排除されずに参加できる状態を表す言葉です。
つまり、インクルージョンは考え方を表し、インクルーシブはその考え方を実現した状態を表すという違いがあります。
インクルージョンが注目されている理由
インクルージョンは、学校や職場、地域など、さまざまな場面で重要な考え方として広がっています。
その背景には、多様な人が一緒に学び、働き、暮らす機会が増えたことや、一人ひとりに合わせた配慮の必要性が高まっていることがあります。
ここでは、インクルージョンが注目されるようになった理由を具体的に見ていきましょう。
多様な人が共に関わる社会になっているため
インクルージョンが注目されている理由の一つは、年齢や性別、国籍、障がいの有無などが異なる人が、同じ学校や職場、地域で関わる場面が増えているためです。
さまざまな背景を持つ人が同じ環境で過ごす機会が増えると、誰も参加しにくくならない環境づくりが必要になります。
そのため、一人ひとりが同じ場所で安心して参加できることを目指すインクルージョンという考え方が重視されるようになっています。
学校・職場・地域で考え方が広がっているため
インクルージョンは、学校、職場、地域など、さまざまな場面で取り入れられるようになっています。
同じ教室や職場、地域の活動の中で、年齢や性別、国籍、障がいの有無などに関係なく参加しやすい環境をつくる考え方が広がっているためです。
そのため、インクルージョンは特定の分野だけではなく、身近な生活のさまざまな場面で意識される考え方として注目されています。
「平等」だけでは解決できない課題が増えているため
全員に同じルールや同じ対応をするだけでは、年齢や性別、国籍、障がいの有無などが異なる人の参加しやすさを十分に確保できない場面があります。
そのため、一人ひとりが同じ場所で参加しやすい環境を整える考え方が必要とされるようになりました。
このような理由から、平等に扱うだけではなく、参加しやすさまで考えるインクルージョンが注目されています。
インクルーシブ社会とはどんな社会?
インクルーシブ社会とは、年齢や性別、国籍、障害の有無などの違いに関係なく、誰もが安心して参加し、自分らしく過ごせる社会のことです。
特別な場面だけでなく、学校や職場、地域など日常生活のさまざまな場所で考え方が取り入れられています。
ここでは、インクルーシブ社会の特徴や身近な具体例についてわかりやすく解説します。
年齢や障害の有無に関係なく参加できる社会
インクルーシブ社会とは、年齢や障がいの有無に関係なく、誰でも同じ学校や職場、地域の活動などに参加できる社会を指します。
一部の人だけが利用しやすい環境ではなく、できるだけ多くの人が同じ場所で過ごし、必要以上に参加を制限されないことを大切にしています。
そのため、誰もが参加しやすい環境を整えることが、インクルーシブ社会の基本的な考え方です。
一部の人だけが我慢しない環境づくり
インクルーシブ社会では、一部の人だけが参加をあきらめたり、不便な状況を受け入れたりするのではなく、できるだけ多くの人が同じ場所で過ごせる環境を整えることを目指します。
特定の人だけに負担が集中しないように参加しやすい環境をつくることで、誰もが無理なく関われるようになります。
そのため、一部の人だけが我慢しない環境づくりが大切にされています。
身近な場面で見られるインクルーシブの例
身近な場面でも、インクルーシブの考え方は取り入れられています。
年齢や障がいの有無に関係なく同じ場所を利用しやすくしたり、誰でも参加しやすい環境を整えたりする取り組みが、その例です。
このように、できるだけ多くの人が同じ場所で過ごし、参加しやすくする工夫が、身近な場面でも見られます。
インクルージョンとダイバーシティの違い
インクルージョンとダイバーシティは一緒に使われることが多い言葉ですが、それぞれが表す内容は異なります。
ダイバーシティは人それぞれの違いを認める考え方を指し、インクルージョンはその違いがあっても誰もが安心して参加できる状態を目指す考え方です。
ここでは、それぞれの意味と違いを比較しながら、混同しやすいポイントをわかりやすく解説します。
ダイバーシティ
ダイバーシティとは、年齢や性別、国籍、障がいの有無、考え方など、人それぞれに違いがあることを認める考え方です。
同じ集団の中にはさまざまな背景を持つ人がいることを前提として、その違いを受け止めることを大切にしています。
そのため、ダイバーシティは、一人ひとりの違いを認める考え方として使われます。
インクルージョン
インクルージョンとは、年齢や性別、国籍、障がいの有無などに違いがあっても、同じ学校や職場、地域などで一緒に参加できる状態を目指す考え方です。
違いがあることを前提に、一部の人だけが参加できない状況をつくらず、誰でも同じ場所で過ごせることを大切にしています。
そのため、インクルージョンは、違いがあっても参加できる状態を表す考え方として使われます。
違いを知ると意味が理解しやすくなる
ダイバーシティは人それぞれの違いを認める考え方であり、インクルージョンは違いがあっても同じ場所で参加できるようにする考え方です。
それぞれが表している内容を分けて理解すると、似た言葉でも意味の違いを整理しやすくなります。
そのため、二つの違いを知ることが、言葉の意味を正しく理解することにつながります。
インクルーシブという言葉が使われる場面
インクルーシブという言葉は、学校だけでなく、ものづくりや企業の取り組みなど、さまざまな分野で使われています。
どの場面でも共通しているのは、年齢や性別、障害の有無などの違いに関係なく、誰もが利用しやすく参加しやすい環境を目指す考え方です。
ここでは、インクルーシブという言葉が使われる代表的な場面を紹介します。
インクルーシブ教育
インクルーシブ教育とは、障がいの有無などに関係なく、できるだけ同じ学校や同じ教室で一緒に学べるようにする考え方です。
一部の子どもだけを別の環境で学ばせるのではなく、同じ学習の場で参加しやすい環境を整えることを大切にしています。
そのため、教育の分野では、誰もが学びに参加しやすい環境を表す言葉として「インクルーシブ」が使われています。
インクルーシブデザイン
インクルーシブデザインとは、年齢や障がいの有無などに関係なく、できるだけ多くの人が使いやすいように製品やサービス、施設などを考える取り組みです。
一部の人だけが利用しやすい形ではなく、さまざまな人が同じように使いやすいことを目指して設計します。
そのため、誰もが利用しやすいものづくりを表す言葉として「インクルーシブ」が使われています。
企業や職場でのインクルーシブな取り組み
企業や職場では、年齢や性別、国籍、障がいの有無などに関係なく、同じ職場で働きやすい環境を整える取り組みをインクルーシブと表現します。
一部の人だけが働きにくい状況をなくし、誰もが仕事に参加しやすい環境を目指すことを大切にしています。
そのため、企業や職場では、誰もが働きやすい環境づくりを表す言葉として「インクルーシブ」が使われています。
インクルージョンを理解するときのポイント
インクルージョンを正しく理解するには、「誰かを特別扱いすること」や「全員を同じように扱うこと」とは異なる考え方であることを知ることが大切です。
一人ひとりが無理なく参加できるように環境や配慮を整えることが、インクルージョンの基本的な考え方です。
ここでは、誤解しやすいポイントを整理しながら、意味をわかりやすく解説します。
「特別扱い」とは少し違う考え方
インクルージョンは、一部の人だけに特別な対応をすることを目的とした考え方ではありません。
年齢や性別、国籍、障がいの有無などに関係なく、できるだけ多くの人が同じ場所で参加しやすい環境を整えることを目指しています。
そのため、「特別扱いをすること」とは少し異なる考え方として理解することが大切です。
全員を同じにする意味ではない
インクルージョンは、全員に同じ対応や同じルールを当てはめることを意味する言葉ではありません。
年齢や性別、国籍、障がいの有無などの違いがあっても、それぞれが同じ場所で参加しやすい環境を整えることを目指しています。
そのため、全員を同じにすることではなく、誰もが参加しやすい状態をつくることが大切です。
身近な配慮や参加しやすさが重要
インクルージョンを実現するには、一部の人だけが利用しやすい環境ではなく、できるだけ多くの人が同じ場所で参加しやすい環境を整えることが大切です。
そのためには、参加しにくい状況を減らし、誰でも無理なく関われるように身近な配慮を積み重ねることが必要になります。
このような参加しやすさを意識することが、インクルージョンを理解するうえで重要なポイントです。
まとめ
インクルージョンとインクルーシブは似た言葉ですが、意味や使い方には違いがあります。
インクルージョンは「誰も取り残さず、一人ひとりが参加できる環境をつくる」という考え方を表し、インクルーシブは、その考え方が反映された「誰でも参加しやすい状態」を表す言葉です。
また、ダイバーシティは人それぞれの違いを認める考え方であり、インクルージョンは、その違いがあっても同じ場所で安心して参加できる環境を目指す考え方という違いがあります。
現在では、学校や職場、地域、ものづくりなど幅広い場面でインクルーシブという言葉が使われており、誰もが利用しやすく参加しやすい環境づくりが重視されています。
インクルージョンは「特別扱いをすること」や「全員を同じように扱うこと」を意味するものではありません。
一人ひとりが無理なく参加できるように環境や配慮を整えるという考え方を理解することで、インクルージョンとインクルーシブの違いを正しく使い分けられるようになるでしょう。