目次
はじめに
「JAXAのSEMPって、具体的に何を決める計画なの?」
「SEMPと実施要領は似ているけれど、どこが違うの?」と迷っていませんか。
宇宙機やロケットの開発資料を読んでいると、システムズエンジニアリングに関する計画書や実施要領が登場し、それぞれの役割や使い分けが分からず、どの資料を確認すればよいのか迷ってしまうことがあります。
この記事では、JAXAのSEMPの意味や役割、実施要領との違いを整理し、それぞれが開発の中で何を示すのかを順を追って説明していきます。
JAXA SEMP(システムズエンジニアリングマネジメント計画)とは?
JAXA SEMPは、プロジェクトでシステムズエンジニアリング活動をどのように進めるのかを整理し、関係者が共通の進め方で作業できるようにする計画です。
ここでは、SEMPがどのような文書なのか、またプロジェクト初期に作成してシステムズエンジニアリング活動の進め方を明確にする目的について説明します。
SEMPはシステムズエンジニアリング活動を計画・管理する文書
SEMPは、システムズエンジニアリング(SE)活動について、どのような作業を、いつ、誰が行うのかを整理するための文書です。
確認方法などもあらかじめ決めておくことで、担当者による進め方の違いや作業の抜けを防ぎ、プロジェクト全体で計画に沿ってSE活動を進めやすくなります。
プロジェクト初期にSE活動の進め方を明確にする目的
プロジェクトの初期にSE活動の進め方を明確にしておくことで、要求の整理や設計、検証などをどの段階で行うのか、関係者の間で認識をそろえやすくなります。
担当する作業や実施する時期を早い段階で決めておけば、工程が進んでから必要な活動の抜けに気付き、計画を見直すといった事態も防ぎやすくなります。
JAXA SEMPの役割とは?
JAXA SEMPは、システムズエンジニアリング活動を計画どおりに進めるために、実施する活動や管理方法を整理し、関係者が同じ方針で作業できるようにする役割があります。
ここでは、SE活動の計画や管理方法を定める役割と、プロジェクト関係者間で活動方針を共有する役割について説明します。
SE活動の計画や管理方法を定める
SEMPでは、プロジェクトで行うSE活動について、作業内容や実施時期、担当者、管理方法などを定めます。
各活動をいつ始めるのか、どの状態になれば完了とするのか、どのように確認するのかをあらかじめ整理しておくことで、担当者が迷わず、計画に沿ってSE活動を進めやすくなります。
プロジェクト関係者間で活動方針を共有する
SEMPにSE活動の進め方や担当範囲をまとめておくことで、プロジェクトの関係者が共通の方針を確認しながら作業を進められます。
誰がどの作業を担当し、どのような基準で進めるのかが明確になるため、作業の重複や担当が決まらない状態を防ぎやすくなります。
JAXA SEMPが必要とされる理由
JAXA SEMPは、規模の大きい開発で複数の担当者や工程が関わるシステムズエンジニアリング活動を、同じ方針で進めるために必要とされます。
ここでは、大規模開発で設計や検証活動を統一する理由と、複数工程にわたるSE活動を管理する必要性について説明します。
大規模開発で設計や検証活動を統一するため
大規模な開発では、複数の担当者や部署が設計や検証を分担するため、それぞれの作業手順や確認方法が異なると、結果を確認しにくくなります。
SEMPでSE活動の進め方や確認方法をあらかじめ定めておくことで、各担当者が共通の方針に沿って設計や検証を進めやすくなります。
複数工程にわたるSE活動を管理するため
SE活動は、要求の整理から設計、検証まで複数の工程にわたるため、それぞれの作業時期や担当範囲を整理しておく必要があります。
SEMPで各活動をいつ、誰が行い、何を確認するのかを決めておくことで、前の工程の結果を確認しながら、必要なSE活動を計画に沿って進めやすくなります。
SEMPと実施要領の違い
SEMPと実施要領は、どちらもシステムズエンジニアリング活動を進めるうえで関係する文書ですが、定める内容が異なります。
ここでは、SEMPと実施要領それぞれの役割と、両者がどのようにつながるのかを整理します。
SEMPは活動計画、実施要領は具体的な運用方法を定める
SEMPでは、システムズエンジニアリング活動について、何をいつ行い、誰が担当するのかといった全体の計画を定めます。
一方、実施要領では、SEMPで計画した活動をどのような手順で進め、何を確認するのかなど、より具体的な方法を定めます。
そのため、SEMPが「どのような活動を行うか」を整理する文書であるのに対し、実施要領は「その活動をどのように行うか」を具体化する文書と考えると分かりやすいでしょう。
両者の役割と関係性を整理する
SEMPでSE活動の内容や実施時期を定め、それに沿って実施要領で具体的な作業手順や確認方法を決めていきます。
両者の内容を対応させておくことで、計画した活動が実際にどのような手順で行われるのかを確認しやすくなり、計画と実際の作業内容にずれが生じるのを防ぎやすくなります。
まとめ
JAXA SEMPは、SE活動の内容や時期、担当者などを整理し、プロジェクトを計画に沿って進めるための文書です。
関係者が共通の方針を確認できるため、複数の担当者や工程が関わる開発でも、認識をそろえて進めやすくなります。
また、SEMPは活動全体の計画、実施要領は具体的な進め方を定めるものです。まずはこの違いを押さえて、それぞれの役割を整理してみましょう。