プロジェクトマネジメント

▶PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理をわかりやすく解説 

はじめに

「PMBOKガイド第7版の12の原理って、具体的に何を意味しているの?」
「第6版までの考え方と何が変わったのか分からない」と戸惑っていませんか。

PMP試験の勉強を始めたり、仕事でプロジェクトマネジメントを学んだりする中で、12の原理を目にしても、名称だけでは実際のプロジェクトでどう考えればよいのかイメージしにくいですよね。

この記事では、PMBOKガイド第7版に示されている12のプロジェクトマネジメント原理について、それぞれの意味や押さえておきたいポイントを順を追って説明していきます。

PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理とは?

PMBOKガイド第7版では、プロジェクトを進めるうえで判断や行動の基準となる12のプロジェクトマネジメント原理が示されています。

ここでは、PMBOK第7版で12の原理が導入された背景と、プロジェクトに関わる人の行動指針としてどのような役割を持つのかを説明します。

PMBOK第7版で12の原理が導入された背景

PMBOKガイド第7版で12の原理が導入された背景には、プロジェクトの進め方が多様化したことがあります。

第6版まではプロセスを中心に整理されていましたが、第7版では予測型だけでなく、アジャイル型やハイブリッド型にも対応できる考え方へと変わりました。

そのため、決められた手順ではなく、状況に応じて判断するための指針として12の原理が示されています。

12のプロジェクトマネジメント原理は行動指針を示す考え方

12のプロジェクトマネジメント原理は、「何をどの順番で行うか」を定めた手順ではなく、判断や行動の指針となる考え方です。

チームとの協働やステークホルダーとの関係、価値の提供などを意識しながら、それぞれの状況に合った行動を選びます。

そのため、順番どおりに実行するのではなく、プロジェクト全体を通じて判断の基準として活用します。

PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理一覧

PMBOKガイド第7版では、プロジェクトに関わる人が判断や行動をするときの指針として、12のプロジェクトマネジメント原理が示されています。

ここでは、PMBOKガイド第7版で示されている12のプロジェクトマネジメント原理を一覧で確認していきます。

12のプロジェクトマネジメント原理一覧

PMBOKガイド第7版では、プロジェクトに関わる人が判断や行動をするときの指針として、12のプロジェクトマネジメント原理が示されています。

原理概要
勤勉で敬意を払い思いやりのある管理者である責任を持ち、誠実な姿勢でプロジェクトに取り組む
協働的なプロジェクトチーム環境をつくるメンバーが協力して取り組める環境を整える
ステークホルダーと効果的に関わる関係者と適切にコミュニケーションを取り、協力関係を築く
価値に焦点を当てるプロジェクトによって生み出す価値を意識する
システムの相互作用を認識・評価し対応するプロジェクトを取り巻く要素のつながりを理解して対応する
リーダーシップを発揮する状況に応じたリーダーシップでチームを支える
状況に応じてテーラリングするプロジェクトに合わせて進め方や方法を調整する
プロセスと成果物に品質を組み込む作業の過程から品質を意識し、成果物の品質を高める
複雑さに対処するプロジェクトの複雑な要素を把握し、適切に対応する
リスクへの対応を最適化するリスクを把握し、状況に応じた対応を行う
適応力と回復力を高める変化や問題に柔軟に対応し、立て直せる状態をつくる
変化を可能にして目標とする将来の状態を達成する必要な変化を進め、目指す状態の実現につなげる

これらの原理は、上から順番に実行する手順ではありません。プロジェクトの規模や進め方、置かれている状況に合わせて意識し、判断や行動の指針として活用します。

PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理をわかりやすく解説

PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理は、チームやステークホルダーとの関わり方から、価値、品質、リスク、変化への対応まで幅広い考え方を示しています。

ここでは、12の原理について1つずつわかりやすく解説します。

1. 勤勉で敬意を払い思いやりのある管理者である

プロジェクトに関わる人には、任された資源や情報を責任を持って扱い、誠実に行動する姿勢が求められます。

チームやステークホルダーへの敬意や配慮を忘れず、ルールや倫理を守りながら信頼関係を築くことが大切です。

2. 協働的なプロジェクトチーム環境をつくる

プロジェクトでは、メンバーがそれぞれの知識や経験を活かし、協力して仕事を進められる環境を整えます。

役割や責任を明確にしながら情報や意見を共有することで、チームとして課題に取り組みやすくなります。

3. ステークホルダーと効果的に関わる

プロジェクトに関係するステークホルダーを把握し、それぞれの期待や関心に合わせて適切に関わることが大切です。

必要な情報を共有しながら認識を合わせることで、要求のずれや合意不足による問題を防ぎやすくなります。

4. 価値に焦点を当てる

プロジェクトでは、成果物を完成させるだけでなく、その成果によってどのような価値が生まれるのかを意識します。

進行中も期待する価値につながっているかを確認し、必要に応じて計画や優先順位を見直します。

5. システム思考を認識し評価し対応する

プロジェクトは、組織や業務、チーム、ステークホルダーなど、さまざまな要素が影響し合って進みます。

一つの変更がほかの作業や関係者に与える影響まで考え、プロジェクト全体のつながりを見ながら判断することが大切です。

6. リーダーシップを発揮する

リーダーシップは役職にかかわらず、プロジェクトに関わる一人ひとりが状況に応じて発揮するものです。

目標や方向性を共有し、メンバーが行動しやすい環境を整えながら、チームを目標達成へ導きます。

7. 状況に応じてテーラリングする

テーラリングとは、プロジェクトの規模や複雑さなどに合わせて、進め方やプロセスを調整することです。

すべてに同じ方法を当てはめるのではなく、必要な活動や手法を選び、状況が変われば柔軟に見直します。

8. 品質をプロセスと成果へ組み込む

品質は完成した成果物だけでなく、それをつくるプロセスの段階から意識することが大切です。

品質基準や受け入れ条件を明確にして作業中から確認することで、完成後の大きな手戻りを防ぎやすくなります。

9. 複雑さへ適切に対応する

プロジェクトでは、技術や組織、関係者などさまざまな要素が重なり、複雑さが生じることがあります。

何が複雑さの原因になっているのかを確認し、影響を見ながら適切な対応方法を選ぶことが大切です。

10. リスク対応を最適化する

プロジェクトでは、悪影響を与える脅威だけでなく、好影響をもたらす機会もリスクとして捉えます。

発生する可能性や影響を確認して対応方法を選び、その後も状況の変化に合わせて見直していきます。

11. 適応性とレジリエンスを高める

適応性は変化に合わせて進め方を変える力、レジリエンスは問題が起きても立て直して前へ進む力です。

計画どおりに進まない場合にも、状況に合わせて計画や対応方法を調整できる状態を整えておきます。

12. 変化を促進し未来の状態を実現する

プロジェクトでは、成果物を提供するだけでなく、それによって目指す将来の状態を実現することも大切です。

関係者に変化の目的や必要性を共有し、新しい状態を受け入れられるよう働きかけながら変化を進めます。

PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理を理解するポイント

PMBOKガイド第7版の12のプロジェクトマネジメント原理を理解するには、決められた順番で実行する手順ではないことを押さえておく必要があります。

ここでは、12の原理の捉え方と、第7版でプロセス中心から原理中心へ変わったポイントを説明します。

12の原理は手順ではなく状況に応じて活用する考え方

12の原理は、1番から12番まで順番に実行する手順ではありません。

プロジェクトの規模や進行状況、チームやステークホルダーとの関係などを踏まえ、そのときに必要な原理を判断や行動の指針として活用します。

そのため、一度実行して終わるのではなく、プロジェクト全体を通じて意識することが大切です。

第7版はプロセス中心から原理中心へ変わった

PMBOKガイド第6版では、5つのプロセス群と10の知識エリア、49のプロセスを中心に整理されていました。

第7版では12の原理と8つのパフォーマンス領域を中心とした構成になり、プロジェクトの状況に合わせて適切な進め方を選ぶ考え方が重視されています。

まとめ

PMBOKガイド第7版の12の原理は、決められた手順ではなく、プロジェクトの状況に応じて判断や行動の軸として活用する考え方です。

第7版では、決まったプロセスを当てはめるだけでなく、状況に合った方法を選びながら価値につなげることが重視されています。

12の原理をすべて暗記するのではなく、それぞれが何を大切にしているのかを理解し、実際の場面に当てはめながら学んでいきましょう。

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