はじめに
「何度説明しても話が噛み合わないのはなぜだろうか」
「こちらが聞いたことに答えてくれず、毎回違う話になってしまう」
「論点をズラす人を理解させる方法はあるのだろうか」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
論点をズラす人との会話では、こちらが確認したいことを質問したのに別の話題が返ってきたり、問題の原因を話している途中で過去の出来事の話に変わったりすることがあります。
この記事では、論点をズラす人によく見られる特徴や話が噛み合わなくなる理由、理解してもらいやすくするための伝え方、そして無理に理解させようとして疲れないための考え方について順を追って説明していきます。
論点をズラす人とは?
「この人と話していると、なぜか話が前に進まない」「聞きたいことと違う答えが返ってくる」と感じた経験がある方もいるでしょう。
まずは、論点がズレる人によく見られる特徴やパターンについて整理していきましょう。
「話が進まない」と感じやすい
会話の中で論点がズレる人と話していると、「なかなか話が進まない」と感じることがあります。
たとえば「来月までに資料を提出できるか」を確認したいのに、業務量の話や過去の案件の話が続くと、本来決めたいことが後回しになってしまいます。
そのため、同じ質問を何度もしたり説明を繰り返したりして、短時間で終わるはずの話が長引くこともあります。
話題が広がるほど結論にたどり着きにくくなるため、「話しているのに何も決まらない」と感じやすいのです。
論点ずらしと単なる勘違いは少し違う
論点ずらしと単なる勘違いは、似ているようで少し違います。
論点ずらしは質問とは別の話題へ何度も話が移り、本来のテーマに戻りにくい状態を指します。一方、勘違いは質問の意味を誤解して一度話がズレても、説明し直せば元の話題に戻ることが多いです。
そのため、少し説明を補えば会話が進むのか、それとも話題が次々に変わってしまうのかが見分けるポイントになります。
論点をすり替える人によくあるパターン
論点をすり替える人には、質問に直接答えず、別の話題へ移してしまうパターンが見られます。
たとえば「この案件は今週中に終わるか」と聞かれているのに、案件の難しさや過去の事例の話が続き、期限についての答えが出ないことがあります。
また、「できるかできないか」を聞いている場面で、理想論や別の課題の話へ移り、質問への返答が後回しになることもあります。
こうしたやり取りが続くと、会話の焦点が定まりにくくなってしまいます。
本人に悪気がないケースもある
論点をすり替えているように見えても、本人に悪気があるとは限りません。
質問に答える前に背景を説明しようとしたり、伝えたいことが多すぎて話を整理できなかったりして、結果として話題がズレてしまう人もいます。
また、質問の意図を誤解しているために、相手が求めていない内容を話してしまう場合もあります。
そのため、一度の会話だけで決めつけず、どのような場面で起きやすいのかを落ち着いて見ていくことも大切です。
論点をズラす人に「理解させる」のが難しい理由
「論点をズラす人になぜ理解してもらえないのだろう」「何度説明しても話が噛み合わない」と悩むことは少なくありません。
まずは、論点をズラす人に理解してもらうことが難しくなる理由について整理していきましょう。
相手と会話の目的がズレている
相手と会話の目的がズレていると、同じ話をしていても噛み合わなくなることがあります。
たとえば、こちらが「今日中に作業を終えられるか」を知りたいのに、相手が「作業の背景を理解してほしい」と考えている場合、返ってくるのは期限の答えではなく背景説明になります。
このように、お互いが目指しているゴールが違うと、質問と返答の方向がそろわず、話がかみ合いにくくなってしまうのです。
感情の防御が先に出てしまうことがある
相手の中で「間違えたくない」「責められたくない」という気持ちが強いと、質問に答える前に自分を守ろうとする返答が出ることがあります。
そのため、質問の内容を整理するより先に言い訳や背景説明が増え、話題が別の方向へ進んでしまう場合があります。
本人は論点をずらそうとしているつもりがなくても、結果として会話が噛み合いにくくなることがあるのです。
「勝ち負け」の会話になると本題から離れやすい
会話が「どちらが正しいか」「どちらが悪いか」という流れになると、本来の話題から離れやすくなります。
すると、質問への答えよりも、自分の考えや立場を説明することが優先され、話が別の方向へ進んでしまうことがあります。
その結果、「できるかどうか」「どう進めるか」といった最初のテーマに戻るまで時間がかかり、会話がまとまりにくく感じられるのです。
論点をズラされたときに会話を戻す方法
論点をズラされるたびに相手の話へ付き合っていると、本来決めたかったことや確認したかったことがいつまでも進まなくなります。
ここでは、論点をズラされたときに会話を本題へ戻しやすくする具体的な方法を見ていきましょう。
まずは今の論点を短く確認する
話題が広がって論点がズレたときは、自分が確認したい内容を一文で言い直してみましょう。
たとえば「今確認したいのは、締め切りが守れるかどうかです」と伝えるだけでも、相手は何に答えればよいか整理しやすくなります。
別の話題に逸れてしまったときも、本題に戻りやすくなるでしょう。
「今はそこではなく○○の話です」と区切る
会話が別の話題に移ったときは、「今はそこではなく、○○の話です」と優しく伝えてみましょう。
○○には「納期の可否」や「対応できるかどうか」など、今確認したいことを一つだけ入れるのがポイントです。
相手も何に答えればよいか分かりやすくなり、自然に本題へ戻しやすくなります。
一度に複数の問題を扱わない
論点がズレやすいときは、一度に複数の質問をしないことも大切です。
まずは「納期は守れるか」のように、一つのことだけを確認してみましょう。
そのあとで「必要な人員は足りているか」など別の話題を聞くようにすると、相手も答えやすくなり、会話の流れを整理しやすくなります。
感情的に反論しないほうが戻しやすい
相手が論点を変えたときに強く反論すると、会話がさらに別の方向へ進んでしまうことがあります。
そんなときは、「今はその話ではなく、先ほどの納期の可否について確認したいです」というように、落ち着いて伝えてみましょう。
感情的にならず事実を短く伝えることで、相手の反発を抑えながら本題に戻りやすくなります。
論点をズラす人に使いやすい返し方の例
論点をズラす人との会話では、「どう返せば話を戻せるのだろう」と困る場面が少なくありません。
ここでは、職場や家庭などの場面別に、論点を戻しやすい返し方の例を紹介していきます。
職場で使いやすい返し方
職場で論点がズレたときは、「結論だけ先に確認させてください。
納期は間に合うかどうかです」と伝えてみましょう。最初に確認したいことを一つ示すだけでも、相手は何に答えればよいか分かりやすくなります。
別の話題に広がってしまったときも、自然に本題へ戻しやすくなるでしょう。
家族やパートナーとの会話で使いやすい返し方
家族やパートナーとの会話では、「今聞きたいのは、今日の夕飯をどうするかだけなんだけど」と、確認したいことを一つに絞って伝えてみましょう。
短く伝えることで感情的なやり取りになりにくくなり、会話の焦点を元の話題に戻しやすくなります。
話が長くなりそうなときの切り返し方
話が長くなりそうなときは、「一度整理したいので、結論だけ先に教えてください」と伝えてみましょう。
先に知りたいことを短く伝えることで、相手も話を整理しやすくなります。説明が長く続いているときでも、自然に本題へ戻るきっかけを作りやすくなるでしょう。
それでも話が通じない場合の考え方
論点をズラす人との会話では、こちらが丁寧に説明しても思うように話が噛み合わず、「どうしてわかってもらえないのだろう」と疲れてしまうことがあります。
ここでは、それでも話が通じない場合に意識したい考え方について整理していきましょう。
「理解してもらう」ことにこだわりすぎない
相手がなかなか理解してくれないと、「ちゃんと分かってもらわなければ」と思ってしまうこともありますよね。
でも、毎回すべてを理解してもらおうとすると、会話に疲れてしまうことがあります。必要な判断に関わる情報が伝われば十分、と考えてみるのも一つの方法です。
どこまで共有できればよいかを自分の中で決めておくことで、やり取りの負担を減らしやすくなるでしょう。
距離を取ったほうがいいケースもある
何度説明しても毎回別の話題に移ってしまい、会話に疲れてしまうこともあります。
そんなときは、無理に理解してもらおうとせず、少し距離を取ることを考えてみてもよいでしょう。
返信の頻度を減らしたり、短く返したりするだけでも、やり取りの負担を軽くしやすくなります。
会話の目的を「解決」から「整理」に変える方法
会話の中ですぐに結論が出ないこともあります。
そんなときは、「解決しなければ」と考えるのではなく、「今どこまで決まっているかを整理しよう」と目的を変えてみましょう。
現時点で分かっていることや合意できていることを一つずつ確認していくだけでも、会話のゴールが見えやすくなり、気持ちの負担も軽くなります。
まとめ
論点をズラす人との会話は、相手の性格や理解力だけが原因とは限りません。
会話の目的や前提が少しずつズレていることで、話が噛み合わなくなることも少なくありません。
だからこそ、「今は何について話しているのか」を確認しながら、一つずつ整理していくことが大切です。
それでもうまく伝わらない場合は、無理に理解してもらおうと頑張りすぎず、距離を取ったり、目的を「解決」ではなく「整理」に切り替えたりすることも必要になります。
相手を変えようとするよりも、自分が会話の進め方を少し工夫すること。
その積み重ねが、論点ズレに振り回されにくいコミュニケーションにつながっていくでしょう。