プロジェクトマネジメント

PMレベルとは?評価基準・レベル別の違い・自分の現在地を解説

はじめに

「自分のPMレベルは、どのくらいなのだろう」
「プロジェクトを任されているけれど、次のレベルへ進むには何が足りないのだろう」と感じていませんか。

プロジェクトを最後まで進められていても、小規模案件を担当しているだけなのか、上位レベルとして評価される力が身についているのかは、自分では判断しにくいですよね。

この記事では、PMレベルの考え方や評価基準、レベルごとの違い、自分の現在地を確認する方法まで順を追って説明していきます。

PMレベルとは?

PMレベルについて理解するには、まずどのような場面で使われる指標なのか、そして何を判断するために活用されるのかを把握することが大切です。

ここでは、PMレベルが活用される代表的な場面と、レベルを評価する目的について順を追って説明します。

PMレベルが使われる場面

PMレベルは、担当者の役割や任せるプロジェクトを判断する場面で使われます。

人事評価では、計画立案から進捗管理、課題対応まで担当できるか、複数部門を調整しながらプロジェクト全体をまとめられるかを基準に評価します。また、プロジェクトのアサインでは、案件の規模や難易度に応じて適切なPMを配置する判断材料として活用されます。

育成計画でも、現在のレベルと次のレベルとの差を確認し、今後どのような経験を積めばよいかを整理するために利用されます。

PMレベルを判断する目的

PMレベルを判断する目的は、担当者がどこまでの業務を任せられるかを明確にすることです。

経験年数だけでなく、計画立案や進捗管理、課題対応、関係者との調整をどこまで自分で進められるかを確認することで、担当するプロジェクトや役割を適切に決められます。

また、現在のレベルと求められるレベルとの差が分かるため、次に身につけるべき経験や業務も判断しやすくなります。

PMレベルを評価する4つの基準

PMレベルは経験年数だけで決まるものではなく、担当する業務や責任の大きさを複数の観点から評価します。

ここでは、PMレベルを判断するときに確認される代表的な4つの基準について、それぞれ詳しく見ていきます。

担当するプロジェクト規模

担当するプロジェクト規模は、PMレベルを判断する代表的な基準の一つです。

小規模案件では、限られた人数や期間のプロジェクトを管理できるかが確認されます。一方、中規模や大規模では、複数のチームや部門を調整しながら、予算、納期、品質を管理できるかが評価されます。

担当する規模が大きくなるほど、判断や管理の範囲も広がるため、PMレベルも高くなります。

意思決定の範囲

意思決定の範囲は、PMがどこまで自ら判断してプロジェクトを進められるかを評価する基準です。

初級レベルでは、上司や責任者の承認を受けながら判断する場面が中心です。一方、中級以上では、進捗の遅れへの対応や担当者の変更、優先順位の見直しなどを自ら判断し、関係者へ説明しながら進めることが求められます。

任せられる意思決定の範囲が広いほど、PMレベルも高く評価されます。

関係者への影響力

関係者への影響力は、PMが周囲を動かしながらプロジェクトを前に進められるかを評価する基準です。

担当メンバーへの作業依頼だけでなく、他部門や顧客と日程や対応方針を調整し、合意を得ながら進められるかが確認されます。

プロジェクトの規模が大きくなるほど関係者も増えるため、多くの関係者と調整しながら進められる力が求められます。

成果への責任範囲

成果への責任範囲は、PMがどこまでプロジェクトの結果に責任を負う立場にあるかを評価する基準です。

初級レベルでは担当業務の完了が主な責任ですが、レベルが上がると、納期、予算、品質を含めたプロジェクト全体の成果に責任を持つことが求められます。

責任を負う範囲が広がるほど、計画の見直しや問題への対応も自ら判断する場面が増えていきます。

PMレベル別の業務範囲・責任範囲・プロジェクト規模

PMレベルごとに、担当する業務範囲や求められる責任、任されるプロジェクトの規模は変わります。

ここでは、初級PMからエキスパートPMまでの特徴を比較しながら、それぞれのレベルで期待される役割を順を追って解説します。

初級PM(ジュニアPM)

初級PM(ジュニアPM)は、上位のPMや管理者の指示を受けながら、担当範囲の進捗管理や課題管理を行う段階です。

小規模なプロジェクトや一部の工程を担当し、スケジュール確認や会議の進行、課題管理、関係者への連絡などを行います。

重要な方針変更や予算に関わる判断は上位者へ相談しながら進め、担当した業務を予定どおり完了させることが求められます。

中級PM(ミドルPM)

中級PM(ミドルPM)は、プロジェクト全体を管理しながら、計画立案や進捗管理、課題対応、関係者との調整を主体的に進める段階です。

中規模のプロジェクトを担当し、納期や予算、品質を管理しながら、問題が発生した場合は対応方針を判断して進めます。

プロジェクト全体の成果に責任を持ち、関係部署や顧客と調整しながら目標達成を目指します。

上級PM(シニアPM)

上級PM(シニアPM)は、大規模なプロジェクトや複数のプロジェクトを統括し、全体の成果に責任を持つ段階です。

複数部門や外部関係者を調整しながら、予算配分や優先順位の決定、重大な課題への対応を判断して進めます。

プロジェクトだけでなく組織への影響も考慮し、複雑な案件を完了まで導くことが求められます。

エキスパートPM

エキスパートPMは、組織全体のプロジェクトマネジメントを主導し、複数の大規模プロジェクトや重要案件を横断的に統括する段階です。

経営層と連携しながら、プロジェクトの優先順位や実施方針を決定し、複数のPMを支援します。

個別プロジェクトだけでなく、組織全体のプロジェクト成功率やマネジメント体制の向上にも責任を持つことが求められます。

PMレベルの違いを比較表で確認

PMレベルごとの差は、担当する仕事の内容だけでなく、意思決定の範囲や求められる能力にも表れます。

ここでは、業務範囲、責任範囲、担当プロジェクト規模、求められるスキルを比較しながら、各レベルの違いを分かりやすく整理します。

業務範囲の違い

業務範囲は、PMレベルが上がるほど広くなります。

初級PMは担当工程や一部の業務を管理し、中級PMはプロジェクト全体の計画や進捗、課題を管理します。上級PMは複数部門が関わる大規模プロジェクトを統括し、エキスパートPMは複数のプロジェクトを横断して管理します。

レベルが上がるほど、管理する対象や関係者も増えていきます。

責任範囲の違い

責任範囲は、PMレベルに応じて段階的に広がります。

初級PMは担当業務の完了に責任を持ち、中級PMはプロジェクト全体の納期、予算、品質を管理します。上級PMは大規模プロジェクト全体の成果に責任を負い、エキスパートPMは複数のプロジェクトや組織全体の成果まで担当します。

レベルが上がるほど、判断や意思決定に求められる責任も大きくなります。

担当プロジェクト規模の違い

担当するプロジェクト規模は、PMレベルが高くなるほど大きくなります。

初級PMは小規模なプロジェクトや一部の工程を担当し、中級PMはプロジェクト全体を管理します。上級PMは複数部門が関わる大規模プロジェクトを担当し、エキスパートPMは複数の大規模プロジェクトを横断して統括します。

規模が大きくなるほど、管理対象や調整する関係者も増えていきます。

求められるスキルの違い

求められるスキルは、PMレベルに応じて変わります。

初級PMでは進捗管理や課題管理などの基本的な管理スキルが求められます。中級PMでは計画立案や関係者との調整、問題解決を主体的に進める力が必要です。

上級PMでは複数部門をまとめる調整力や意思決定力が求められ、エキスパートPMでは組織全体を見渡しながら複数のPMを支援するマネジメント力が必要になります。

自分のPMレベルを確認する方法

自分のPMレベルを把握するには、経験年数だけで判断するのではなく、担当業務や責任範囲を客観的に確認することが重要です。

ここでは、セルフチェックのポイントと、レベル判定で確認される主な項目について順を追って解説します。

セルフチェックのポイント

セルフチェックでは、自分がどこまでの業務を判断して進められるかを確認することが大切です。

担当しているプロジェクトの規模や、計画立案から完了まで管理している範囲、進捗の遅れや課題が発生したときに自分で対応を判断できるかを整理してみましょう。

また、関係者との調整や納期、予算、品質に対してどこまで責任を担っているかを確認すると、自分のPMレベルを把握しやすくなります。

レベル判定で見られる項目

レベル判定では、担当するプロジェクト規模や業務範囲、意思決定の範囲、成果への責任範囲が主な確認項目です。

また、計画立案や進捗管理、課題対応、関係者との調整をどこまで主体的に進められるかも評価されます。

経験年数だけでなく、実際に担当した役割や、自ら判断してプロジェクトを進めた実績をもとにPMレベルが判断されます。

PMレベルを上げるには?

PMレベルを上げるためには、経験年数を重ねるだけではなく、現在のレベルに応じた業務や責任を段階的に広げていくことが重要です。

ここでは、各レベルで求められる経験や、次のレベルへステップアップするためのポイントを順を追って解説します。

初級PMから中級PMへ上がる方法

初級PMから中級PMへ上がるには、担当業務だけでなく、プロジェクト全体を管理する経験を積むことが大切です。

進捗確認や課題管理に加え、計画立案や関係者との調整、問題発生時の対応判断にも携わる機会を増やしましょう。

上位PMへ相談する場面を少しずつ減らし、自ら計画から完了まで進めた実績を積むことで、中級PMに求められる役割へ近づきます。

中級PMから上級PMへ上がる方法

中級PMから上級PMへ上がるには、大規模なプロジェクトを統括し、より広い範囲で意思決定を行う経験が必要です。

複数部門が関わる案件で、予算や納期、品質を管理しながら、重要な課題への対応や関係者との調整を主体的に進めます。

プロジェクト全体の成果に責任を持ち、こうした経験を積み重ねることで、上級PMに求められる役割へ近づきます。

上級PMに求められる経験

上級PMには、大規模なプロジェクトを統括し、複数部門や多くの関係者を調整しながら成果を達成した経験が求められます。

予算や納期、品質を総合的に管理し、重大な課題が発生した場合も対応方針を自ら判断して進める力が重要です。

プロジェクト全体の成果に責任を持ち、難しい案件を完了まで導いた実績が、上級PMとしての評価につながります。

IPA・ITSSにおけるPMレベルの考え方

PMレベルは企業ごとに評価基準が異なる一方で、IPAやITSSのような共通の指標を参考にするケースもあります。

ここでは、ITSSにおけるレベル区分の考え方と、企業で行われるPM評価との違いについて順を追って解説します。

ITSSのレベル区分

ITSSでは、スキルレベルをレベル1からレベル7までの7段階で区分しています。

レベル1〜2は指導を受けながら業務を担当する段階、レベル3は自立して業務を遂行できる段階です。

レベル4以上ではプロジェクト全体の管理や高度な専門性が求められ、レベル6〜7は組織全体に影響を与える大規模プロジェクトを統括する水準とされています。

企業のPM評価との違い

企業のPM評価は、ITSSを参考にしながらも、自社の基準に合わせて運用されることが一般的です。

ITSSは共通のスキル指標ですが、企業では担当するプロジェクト規模や業務範囲、成果への責任範囲、社内で求められる役割なども含めて評価します。

そのため、同じPMでも企業によって求められるレベルや評価基準は異なります。

まとめ

PMレベルは、経験年数だけで決まるものではありません。

担当するプロジェクトの規模や業務範囲、意思決定の範囲、成果への責任などを総合的に見て判断され、レベルが上がるほど管理する範囲や求められる役割も広がっていきます。

自分のレベルを確認するときは、年数ではなく、計画立案から完了までをどこまで主体的に進めているか、どのような責任を担っているかを振り返ることが大切です。

不足している経験が見えてくれば、次に挑戦すべき業務も考えやすくなります。

企業ごとに評価基準は異なりますが、IPAやITSSの考え方を参考にすると、自分の現在地を客観的に把握しやすくなります。

この記事を参考に今のPMレベルを整理し、次のステップにつながる経験やスキルを少しずつ積み重ねていきましょう。

-プロジェクトマネジメント
-,