目次
はじめに
「パケットキャプチャって、具体的に何をするものなの?」
「Wiresharkとは何が違うの?」と疑問に感じていませんか。
ネットワークの通信障害を調べているときや、社内システムの接続が遅い原因を確認しているときに「パケットをキャプチャして確認してください」と言われても、何を取得して、どこを見ればよいのか分からず迷ってしまうことがありますよね。
この記事では、パケットキャプチャの基本的な仕組みから、どのような場面で使われるのか、Wiresharkとの違いまで順を追って説明していきます。
パケットキャプチャとは?
パケットキャプチャとは、ネットワーク上を流れる通信データを取得し、その内容を記録・確認するための技術です。
ここでは、パケットキャプチャの基本的な仕組みから、確認できる情報、通信データを取得して解析するまでの流れを説明します。
パケットキャプチャ
パケットキャプチャとは、ネットワーク上を流れている通信を「パケット」と呼ばれる単位で取得し、記録する技術です。
取得したパケットを確認することで、どの端末からどの端末へ通信しているのか、どのような通信が発生しているのかを後から詳しく調べられます。
そのため、ネットワークの状態を確認したり、通信トラブルの原因を調べたりするときに活用されています。
パケットキャプチャで確認できる情報とは
パケットキャプチャでは、通信の送信元や宛先のIPアドレス、ポート番号、使用しているプロトコル、送受信されたデータ量などを確認できます。
取得した通信の種類によっては、パケットに含まれているデータの内容まで確認できる場合もあります。
ただし、通信が暗号化されている場合は、パケットを取得しても通信内容をそのまま確認できないことがあります。
通信データを取得して解析するまでの基本的な流れ
パケットキャプチャを行うときは、まず調べたい通信が流れるネットワークインターフェースを選び、通信データの取得を開始します。
必要な通信を記録できたらキャプチャを停止し、送信元や宛先、プロトコルなどの条件を指定して、確認したいパケットを絞り込みます。
そのうえで、それぞれのパケットの情報や通信の順番を確認し、どのようなやり取りが行われているのかを整理しながら解析していきます。
パケットキャプチャは何に使われる?
パケットキャプチャは、ネットワーク上で発生している通信の状態を具体的に確認したいときに利用されます。
ここでは、ネットワーク障害の原因調査、通信状況や接続エラーの確認、不審な通信や異常の確認という主な用途について説明します。
ネットワーク障害の原因調査に利用される
パケットキャプチャは、通信が正常に行われているかを確認し、ネットワーク障害の原因を調べるときに利用されます。
取得したパケットから、通信先や応答の有無、通信が行われた順番などを確認すると、どの段階で問題が起きているのかを探ることができます。
このように通信の流れを一つずつ確認できるため、障害が発生している箇所を絞り込むのに役立ちます。
通信状況や接続エラーの確認に利用される
パケットキャプチャを使うと、端末とサーバーの間で通信が行われているか、送信した要求に対して正しく応答が返っているかを確認できます。
接続エラーが起きた場合は、通信要求を送ってから応答を受け取るまでの流れや、途中で通信が切れていないかなどを順番に確認します。
どの段階で通信がうまく進んでいないのかが分かれば、接続エラーの原因も絞り込みやすくなります。
不審な通信や異常の確認に利用される
パケットキャプチャは、普段とは異なる通信先や通信量などを確認し、ネットワーク上の異常を調べるときにも利用されます。
取得したパケットを調べることで、想定していないIPアドレスへの通信や、通常よりも頻繁に発生している通信などを見つけられる場合があります。
こうした通信の送信元や宛先、使用されているプロトコルなどを確認することで、不審な通信が発生していないかを詳しく調べられます。
パケットキャプチャの仕組みと取得から解析までの流れ
パケットキャプチャでは、ネットワーク上を流れるパケットを取得し、記録されたデータを解析することで通信の状態や内容を確認します。
ここでは、パケットを取得する仕組みから解析して通信内容を確認するまでの流れ、暗号化された通信で確認できる範囲について説明します。
ネットワークを流れるパケットを取得する仕組み
パケットキャプチャでは、パソコンやサーバーなどのネットワークインターフェースを通過するパケットを、専用のソフトウェアを使って取得します。
取得したパケットには、送信元や宛先のIPアドレス、ポート番号、使用しているプロトコルなど、通信に関するさまざまな情報が記録されています。
ただし、取得できるパケットの範囲は、キャプチャを行う端末の位置やネットワークの構成によって異なります。
取得したパケットを解析して通信内容を確認する流れ
取得したパケットは、送信元や宛先のIPアドレス、ポート番号、プロトコルなどの条件で絞り込み、確認したい通信を探していきます。
そのうえで、パケットが送受信された順番や応答の有無、それぞれに含まれている情報を確認します。
通信が始まってから終了するまでの流れを順番に追うことで、どの段階でどのようなやり取りが行われているのかを把握しやすくなります。
暗号化された通信では確認できる範囲が限られる理由
暗号化された通信もパケット自体は取得できますが、通信内容にあたるデータが暗号化されているため、そのまま中身を読み取ることはできません。
ただし、暗号化されている場合でも、送信元や宛先のIPアドレス、ポート番号、パケットのサイズ、通信した時刻などを確認できることがあります。
そのため、暗号化された通信では内容そのものを見るのではなく、確認できる情報をもとに通信の状況を調べていきます。
パケットキャプチャとWiresharkの違いを解説
パケットキャプチャとWiresharkは関連する言葉ですが、意味は同じではありません。
ここでは、それぞれの意味と役割を整理し、パケットキャプチャとWiresharkが混同されやすい理由について説明します。
パケットキャプチャは通信データを取得する技術
パケットキャプチャとは、ネットワーク上を流れている通信データを、パケットと呼ばれる単位で取得して記録する技術です。
取得したパケットには、送信元や宛先のIPアドレス、ポート番号、使用しているプロトコルなど、通信に関するさまざまな情報が含まれています。
特定のソフトウェアを指す言葉ではなく、ネットワーク上の通信データを取得する技術や処理そのものを表します。
Wiresharkはパケットを取得・解析する代表的なツール
Wiresharkは、ネットワーク上を流れるパケットを取得し、その内容を詳しく解析できる代表的なソフトウェアです。
取得したパケットを一覧で確認できるほか、IPアドレスやポート番号、プロトコルなどの条件を指定して、調べたい通信だけを絞り込むこともできます。
そのため、パケットの取得から通信状況の確認や解析まで、一つのツールで進められるのが特徴です。
パケットキャプチャとWiresharkを混同しやすい理由
パケットキャプチャとWiresharkが混同されやすいのは、Wiresharkがパケットキャプチャを行う代表的なツールとして広く利用されているためです。
Wiresharkを使って通信データを取得する作業も「パケットキャプチャ」と呼ばれるため、両者を同じ意味の言葉だと感じることがあります。
パケットキャプチャは通信データを取得する技術、Wiresharkはその技術を利用して取得や解析を行うためのツール、と考えると違いを整理しやすいでしょう。
パケットキャプチャを利用するときの注意点
パケットキャプチャを利用する際は、どの通信まで取得できるのかを事前に確認し、適切な範囲で使用することが大切です。
ここでは、取得できる通信範囲と、他者の通信を扱う際の注意点について説明します。
取得できる通信範囲は環境によって異なる
パケットキャプチャで取得できる通信の範囲は、キャプチャを行う端末やネットワークの構成、接続方法などによって異なります。
基本的には、指定したネットワークインターフェースを通過するパケットが取得対象となるため、同じネットワーク内にあるすべての通信を取得できるとは限りません。
目的の通信が記録されない場合は、使用している端末やインターフェース、ネットワーク上の取得位置などを確認してみましょう。
他者の通信を無断で取得しないための注意点
パケットキャプチャを行うときは、自分が管理している端末や許可を得たネットワークなど、通信を取得してよい範囲を事前に確認することが大切です。
他者の通信には、個人情報や認証に関する情報などが含まれている可能性があるため、管理者や通信当事者の許可なく取得することは避けましょう。
業務で利用する場合も、組織内のルールや自分に与えられた権限を確認し、調査に必要な範囲に絞って取得することが重要です。
まとめ
パケットキャプチャは、ネットワーク上の通信データを取得し、通信の流れや状態を確認するための技術です。
ネットワーク障害や接続エラーが起きたときに活用すると、どの段階で問題が発生しているのかを調べやすくなります。
Wiresharkなどのツールを使えば、取得したパケットを絞り込みながら詳しく解析できます。まずは基本的な仕組みや確認できる情報を理解し、利用する際は組織のルールや権限を守りながら、必要な範囲で活用していきましょう。