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ペーシングフェーラーとは?原因・心電図の見方・発見時の対応をわかりやすく解説

はじめに

「ペーシングフェーラーとは何だろう」
「心電図で見つけたけれど、どこを見れば判断できるのか分からない」と迷っていませんか。

看護や医療の勉強をしているときや、実際にペースメーカー装着患者さんの心電図を見る場面では、ペーシングフェーラーと似た波形との違いや、どのような対応が必要なのか迷ってしまうことがありますよね。

この記事では、ペーシングフェーラーの基本的な意味から、原因、心電図の見方、発見したときの対応までを順を追って説明していきます。

ペーシングフェーラーとは?

ペーシングフェーラーを正しく理解するためには、まず言葉の意味や似た用語との違いを整理することが大切です。

ここでは、ペーシングフェーラーの意味やペーシング不全との違い、モニター・心電図での見え方について順番に解説します。

ペーシングフェーラーの意味

ペーシングフェーラーとは、ペースメーカーが電気刺激を出しているにもかかわらず、その刺激で心筋が収縮せず、心拍が起こらない状態を指します。

心電図ではペースメーカーのスパイクは確認できますが、その直後に本来現れるはずのQRS波やP波が続かないことが特徴です。

つまり、電気刺激は出力されていても、心臓がその刺激に反応できていない状態を意味します。

ペーシング不全との違いは?

ペーシングフェーラーとペーシング不全は、どちらもペースメーカーが正常に働いていない状態を表す言葉ですが、使われ方が異なります。

ペーシングフェーラーは、電気刺激は出力されているものの心筋が反応しない状態を指します。一方、ペーシング不全は、ペーシングフェーラーを含めたペースメーカー機能の異常全体を指す総称として使われることがあります。

そのため、医療現場では具体的な異常の内容を示すために、「ペーシングフェーラー」という用語で表現されることが一般的です。

ペーシングフェーラー以外にもペースメーカーにはさまざまな作動異常があります。違いをまとめて確認したい方は、こちらも参考にしてください。
▶ペースメーカーのトラブル(ペーシング不全)の種類と見分け方を解説

モニター・心電図ではどう見える?

ペーシングフェーラーは、モニターや心電図でペースメーカーのスパイクは確認できるものの、その直後に本来出現するQRS波やP波が現れない状態として確認できます。

正常であれば、スパイクの直後に心筋が興奮し、対応する波形が続きます。

しかし、ペーシングフェーラーでは心筋が刺激に反応しないため、スパイクだけが記録され、その後に期待される波形が続かないことが特徴です。

心電図の基本的な見方に不安がある場合は、まず波形の見方を確認しておくと理解しやすくなります。
心電図の見方とは?初心者向けにわかりやすく解説

ペーシングフェーラーが起こる主な原因

ペーシングフェーラーは、1つの原因だけで起こるものではなく、ペースメーカー本体やリード、患者側の状態など、さまざまな要因が関係します。

ここでは、ペーシングフェーラーが起こる主な原因を順番に解説します。

リードの異常

リードの異常は、ペーシングフェーラーが起こる代表的な原因の一つです。

リードが心筋から外れたり、断線したり、接触不良を起こしたりすると、ペースメーカーが電気刺激を出力しても心筋まで十分に伝わらず、収縮が起こらないことがあります。

その結果、心電図ではペースメーカーのスパイクは確認できても、その後にQRS波やP波が現れない状態になります。

電池消耗・機器トラブル

ペースメーカー本体の電池消耗や機器トラブルによって、ペーシングフェーラーが起こることがあります。

電池残量の低下で十分な電気刺激を出力できなくなったり、本体の故障で設定どおりに作動しなくなったりすると、心筋が刺激に反応できず、正常な心拍が得られなくなります。

その結果、ペースメーカーの機能が十分に発揮されず、ペーシングフェーラーにつながることがあります。

患者側の状態変化で起こるケース

患者側の状態変化によっても、ペーシングフェーラーが起こることがあります。

心筋梗塞による心筋障害や電解質異常などで心筋の反応性が低下すると、ペースメーカーが電気刺激を出力しても心筋が十分に反応できなくなります。

その結果、刺激は正常に送られていても心筋の収縮が起こらず、ペーシングフェーラーが発生することがあります。

ペーシングフェーラーを見つけたときの対応

ペーシングフェーラーを認めた場合は、波形だけで判断せず、患者の状態を確認しながら落ち着いて対応することが大切です。

観察の優先順位や医師へ報告するタイミング、看護師として行う初期対応を理解しておくことで、適切な対応につなげやすくなります。

ここでは、ペーシングフェーラーを見つけたときの対応を順番に解説します。

まず確認したい観察ポイント

ペーシングフェーラーを疑った場合は、まず意識レベル、血圧、脈拍、呼吸状態などのバイタルサインを確認し、循環動態が保たれているかを観察します。

あわせて、モニターや心電図でペースメーカーのスパイクと心拍の関係を確認し、症状や波形に変化がないかを継続して観察することが重要です。

これらを確認することで、緊急性の判断につながります。

緊急報告が必要なケース

ペーシングフェーラーに加えて、意識障害、血圧低下、著しい徐脈、失神など循環動態の悪化を認める場合は、速やかに医師へ報告する必要があります。

また、ペーシングスパイクが繰り返し確認されても心拍が得られない状態が続く場合も、ペースメーカーが十分に機能していない可能性があるため、緊急性が高いと判断して報告します。

看護師が行う初期対応

看護師は、患者の安全を確保しながらバイタルサインと心電図を継続して観察し、ペーシングフェーラーの有無や症状の変化を確認します。

そのうえで、観察結果を速やかに医師へ報告し、必要な処置に備えて対応できるよう準備を進めます。

初期対応では、患者の状態変化を見逃さず、継続して観察を行うことが重要です。

不整脈発生時の観察ポイントや報告方法もあわせて確認しておくと、実際の対応をイメージしやすくなります。
不整脈が出現したときはどうすればいい?看護師としての対応を解説

ペーシングフェーラーで覚えておきたい注意点

ペーシングフェーラーは異常波形を認めても、必ずしもすべてが重篤な状態とは限りません。

一方で、症状が軽い場合や一時的に改善したように見えても、見逃すと重い不整脈や循環不全につながる可能性があります。

ここでは、ペーシングフェーラーで覚えておきたい注意点を順番に解説します。

一時的に見えるケースもある

ペーシングフェーラーは、一時的に現れて自然に改善することがあります。

そのため、一度だけ確認された波形だけで判断せず、モニターや心電図で継続して状態を観察することが重要です。

一時的に正常なペーシングへ戻った場合でも、再び同じ異常が起こる可能性があるため、経過を注意深く確認します。

症状がない場合でも注意が必要

ペーシングフェーラーが認められても、自覚症状が現れない場合があります。

しかし、症状がないことだけで安全とは判断できません。

心電図でペーシングフェーラーが確認された場合は、意識レベルや血圧、脈拍などの状態を継続して観察し、症状の有無にかかわらず注意して経過を確認することが重要です。

自己判断せず医師へ報告することが重要

ペーシングフェーラーが疑われる波形や所見を確認した場合は、自己判断で様子を見るのではなく、速やかに医師へ報告することが重要です。

症状が軽い場合や一時的に正常な波形へ戻った場合でも、ペースメーカーや患者の状態に異常が生じている可能性があります。

観察した内容を正確に伝え、医師の指示に沿って対応を進めます。

まとめ

この記事では、ペーシングフェーラーの特徴や原因、心電図での見分け方、発見した際の対応について解説しました。

ペーシングフェーラーは、ペースメーカーが電気刺激を出していても心筋が反応せず、心拍が起こらない状態です。

心電図だけで判断せず、意識レベルや血圧、脈拍などのバイタルサインも含めて患者の状態を確認することが大切です。

また、一時的に波形が改善したり症状がなかったりしても、自己判断は避け、異常が疑われる場合は医師へ報告し、継続して経過を観察しましょう。

この記事を参考に、ペーシングフェーラーの基本を理解し、落ち着いて対応できるよう備えておきましょう。

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