目次
はじめに
「リスク管理表と課題管理表は、何が違うの?」
「プロジェクトで問題になりそうなことが出てきたけれど、どちらの表に書けばいいの?」と迷っていませんか。
進捗を管理するなかで、納期の遅れや作業上の問題を記録しようとしても、まだ起きていないことと、すでに起きていることが混ざると、どちらで管理すべきか判断しにくいですよね。
この記事では、リスク管理表と課題管理表の違いや、それぞれに記載する内容、実際の使い分け方を紹介します。
リスク管理表と課題管理表の違いとは?
リスク管理表と課題管理表は、どちらもプロジェクトで問題を管理するために使いますが、管理する対象の状態が異なります。
ここでは、それぞれの管理対象を確認したうえで、リスク管理表と課題管理表の違いを比較表で整理します。
リスク管理表は将来発生する可能性のあるリスクを管理する
リスク管理表では、現時点では起きていないものの、今後発生する可能性があるリスクを管理します。
発生する可能性や影響の大きさを確認し、対応方法や担当者などをあらかじめ記録しておきます。
事前に対応を考えておくことで、実際にリスクが発生したときもスムーズに動きやすくなります。
H3:課題管理表はすでに発生している課題を管理する
課題管理表では、すでに発生していて、解決に向けた対応が必要な問題を管理します。
課題の内容とあわせて、担当者や対応期限、現在の状況などを記録し、進み具合を確認できるようにします。
解決するまで状況を更新していくことで、対応の遅れや抜けにも気づきやすくなります。
リスク管理表と課題管理表の違いを比較表で整理する
リスク管理表と課題管理表の違いは、管理する事象が「まだ発生していないか」「すでに発生しているか」で判断できます。
| 比較項目 | リスク管理表 | 課題管理表 |
|---|---|---|
| 管理する対象 | 将来発生する可能性がある事象 | すでに発生している問題 |
| 発生状態 | 未発生 | 発生済み |
| 管理する内容 | 発生可能性・影響・対応方法・担当者 | 課題内容・対応方法・担当者・対応期限・対応状況 |
| 管理する期間 | リスクがなくなる、または発生するまで | 課題が解決するまで |
リスク管理表と課題管理表の使い分け方
リスク管理表と課題管理表を使い分けるときは、その事象がまだ発生していないのか、すでに発生しているのかを確認することが基本です。
ここでは、それぞれの管理表へ記載するケースと、どちらに記載すべきか迷ったときの判断ポイントを説明します。
リスク管理表へ記載するケース
リスク管理表には、現時点では問題が起きていないものの、今後発生する可能性がある事象を記載します。
事象の内容だけでなく、発生する可能性や発生した場合の影響、対応方法、担当者なども整理しておきます。
まだ問題が起きておらず、対応が必要かどうか確定していない段階では、リスクとして管理しましょう。
課題管理表へ記載するケース
課題管理表には、すでに問題が発生しており、解決に向けた対応が必要な事象を記載します。
発生した問題の内容や対応方法を整理し、担当者や対応期限、現在の対応状況なども記録します。
問題が発生してから解決するまでは、課題として継続して管理しましょう。
迷ったときに判断するポイント
どちらに記載するか迷ったときは、その事象がすでに発生しているかどうかを確認すると判断しやすくなります。
まだ発生しておらず、「今後起こる可能性がある」段階ならリスク管理表、すでに発生して対応が必要な状態なら課題管理表に記載します。
リスクとして管理していた事象が実際に発生した場合は、課題管理表へ移し、その後の対応状況を管理しましょう。
リスク管理表から課題管理表へ移る流れ
リスク管理表に記載していた事象が実際に発生した場合は、そのままリスクとして扱い続けるのではなく、課題管理表へ移して対応状況を管理します。
ここでは、リスクが課題へ変わる流れを具体例とともに確認し、管理漏れを防ぐための運用ポイントを説明します。
リスクが顕在化したら課題として管理する
リスク管理表に記載していた事象が実際に発生したら、リスクではなく課題として扱います。
リスク管理表には発生したことを記録し、課題管理表へ課題の内容や担当者、対応期限、現在の対応状況などを記載します。
管理先を切り替えることで、発生後の対応から解決までの進み具合を確認しやすくなります。
リスクが課題へ変わる具体例
たとえば、「必要な資材の納品が遅れる可能性がある」とリスク管理表に記載していた場合、納期までに届かないことが確定した時点で課題へ切り替えます。
課題管理表には「資材の納品遅延」と記載し、担当者や新しい納品予定日、必要な対応などを登録します。
発生前はリスク、発生後は課題として分けて管理すると、その時点の状況に合わせて対応しやすくなります。
管理漏れを防ぐための運用ポイント
管理漏れを防ぐためにも、リスク管理表は定期的に確認し、記載した事象が実際に発生していないかをチェックしましょう。
リスクが顕在化した場合は課題管理表へ登録し、元のリスク管理表にも課題へ移したことを記録します。
リスクと課題を関連付けておくと、移行後の対応状況も確認しやすくなります。
リスク管理表と課題管理表を運用するときのポイント
リスク管理表と課題管理表は、作成して終わりではなく、プロジェクトの進行に合わせて内容を更新することが大切です。
ここでは、それぞれの管理表を見直す方法と、両方を併用して運用する際のポイントを説明します。
リスク管理表は定期的に見直す
リスク管理表は、週1回など確認する頻度を決めて、定期的に見直しましょう。
登録したリスクごとに、発生する可能性や影響に変化がないかを確認し、状況が変わっていれば内容を更新します。
リスクがなくなった場合は終了とし、実際に発生した場合は課題管理表へ移して管理します。
課題管理表は対応状況を継続して管理する
課題管理表は、登録した課題が解決するまで、対応状況を継続して更新します。
担当者が対応内容や期限を確認し、「未対応」「対応中」「完了」など、その時点の状態を記録しましょう。
期限を過ぎている課題や長く更新されていない課題を確認することで、対応の遅れや放置を防ぎやすくなります。
リスク管理表と課題管理表を併用して運用する
リスク管理表と課題管理表は、まだ発生していない事象と、すでに発生している問題を分けて管理します。
リスクが実際に発生した場合は課題管理表へ移し、元のリスク管理表には移行先の課題番号などを記録しておきましょう。
2つの管理表を関連付けておくことで、リスクの発生から課題が解決するまでの流れを確認しやすくなります。
リスク管理表と課題管理表の違いに関するよくある質問
リスク管理表と課題管理表を実際に運用すると、リスクが発生したあとの扱いや、2つの管理表を分ける必要があるのかなど、判断に迷う場面があります。
ここでは、リスク管理表と課題管理表の運用でよくある質問について、それぞれ回答します。
リスクが発生したらリスク管理表はどうする?
リスク管理表に記載していた事象が実際に発生したら、発生日と発生済みであることを記録し、課題管理表へ移します。
課題管理表には、発生した問題の内容や担当者、対応期限、現在の対応状況などを記載しましょう。
元のリスク管理表にも移行先の課題番号を残しておくと、発生前から発生後までの経緯を確認しやすくなります。
リスク管理表と課題管理表は別々に管理するべき?
リスクと課題では管理する状態が異なるため、それぞれを区別して管理することが大切です。
ただし、必ず2つのファイルに分ける必要はなく、1つのファイル内でシートや区分を分ける方法でも問題ありません。
未発生のリスクと発生済みの課題を区別し、担当者や対応状況を確認できる形にしておきましょう。
小規模プロジェクトでも両方必要?
小規模なプロジェクトであれば、リスク管理表と課題管理表を必ず別々に作成する必要はありません。
管理するリスクや課題が少ない場合は、1つの表に「リスク」「課題」の区分を設けてまとめる方法もあります。
事象が発生しているかどうかを区別し、それぞれの担当者や対応状況を確認できれば、1つの表でも無理なく管理できます。
まとめ
リスク管理表と課題管理表は、「まだ発生していない事象」と「すでに発生した問題」を分けて管理するために使います。
リスクが実際に発生したら課題へ切り替え、担当者や期限、対応状況を確認しながら解決まで管理しましょう。
小規模なプロジェクトでは、1つの表でリスクと課題を分けて管理する方法もあります。プロジェクトの規模に合わせて、無理なく続けられる方法を選んでみてください。